ラノベブログDA王

ブログでラノベを連載するよ。

王道ファンタジーに学園モノ、近未来モノまで、ライトノベルの色んなジャンルを、幅広く連載する予定です

一千年間引き篭もり男

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目次

第一章・時澤 黒乃

第一話 第二話 第三話
第四話 第五話 第六話
第七話        

第二章・一千年間引き籠りました

第一話 第二話 第三話
第四話 第五話 第六話
第七話 第八話 第九話
第十話 第十一話 第十二話
第十三話 第十四話 第十五話
第十六話 第十七話    

第三章・MVSクロノ・カイロス

第一話 第二話 第三話
第四話 第五話 第六話
第七話 第八話 第九話
第十話 第十一話 第十二話
第十三話 第十四話 第十五話
第十六話 第十七話 第十八話
第十九話 第二十話    

第四章・漆黒の海の魔女

第一話 第二話 第三話
第四話 第五話 第六話
第七話 第八話 第九話
第十話 第十一話 第十二話
第十三話        

第五章・トロイアクライシス

第一話 第二話 第三話
第四話 第五話 第六話
第七話 第八話 第九話
第十話 第十一話 第十二話
第十三話 第十四話 第十五話
第十六話 第十七話 第十八話
第十九話 第二十話 第二十一話
第二十二話 第二十三話 第二十四話
第二十五話 第二十六話 第二十七話
第二十八話 第二十九話 第三十話
第三十一話 第三十ニ話 第三十三話
第三十四話 第三十五話 第三十六話
第三十七話 第三十八話 第三十九話
第四十話 第四十一話 第四十ニ話
第四十三話 第四十四話 第四十五話
第四十六話 第四十七話 第四十八話
第四十九話 第五十話 第五十一話
第五十二話 第五十三話 第五十四話
第五十五話 第五十六話 第五十七話

第六章・ディー・コンセンテス

第一話 第二話 第三話
第四話 第五話 第六話
第七話 第八話 第九話
第十話 第十一話 第十二話
第十三話 第十四話 第十五話
第十六話 第十七話 第十八話
第十九話 第ニ十話 第ニ十一話
第ニ十二話 第二十三話 第ニ十四話
第ニ十五話 第ニ十六話 第ニ十七話
第二十八話 第二十九話 第三十話
第三十一話 第三十ニ話 第三十三話
第三十四話 第三十五話 第三十六話
第三十七話 第三十八話 第三十九話
第四十話 第四十一話 第四十二話
第四十三話 第四十四話 第四十五話
第四十六話 第四十七話 第四十八話
第四十九話 第五十話 第五十一話
第五十二話 第五十三話 第五十四話
第五十五話 第五十六話 第五十七話
第五十八話 第五十九話 第六十話
第六十一話 第六十二話 第六十三話
第六十四話 第六十五話 第六十六話
第六十七話 第六十八話 第六十九話

第七章・地球へ

第一話 第二話 第三話
第四話 第五話 第六話
第七話 第八話 第九話
第十話 第十一話 第十二話
第十三話 第十四話 第十五話
第十六話 第十七話 第十八話
第十九話 第二十話 第二十一話
第二十二話 第二十三話 第二十四話
第二十五話 第二十六話 第二十七話
第二十八話 第二十九話 第三十話
第三十一話 第三十二話 第三十三話
第三十四話 第三十五話 第三十六話
第三十七話 第三十八話 第三十九話
第四十話 第四十一話 第四十二話
第四十三話 第四十四話 第四十五話
第四十六話 第四十七話 第四十八話
第四十九話 第五十話 第五十一話
第五十二話 第五十三話 第五十四話
第五十五話 第五十六話 第五十七話
第五十八話        

第八章・アステカの太陽

第一話 第二話 第三話
第四話 第五話 第六話
第七話 第八話 第九話
第十話 第十一話 第十二話
第十三話 第十四話 第十五話
第十六話 第十七話 第十八話
第十九話 第二十話 第二十一話
第二十二話 第二十三話 第二十四話
第二十五話 第二十六話 第二十七話
第二十八話 第二十九話 第三十話
第三十一話 第三十二話 第三十三話
第三十四話 第三十五話 第三十六話
第三十七話 第三十八話 第三十九話
第四十話 第四十一話 第四十二話
第四十三話 第四十四話 第四十五話
第四十六話 第四十七話 第四十八話
第四十九話 第五十話 第五十一話
第五十二話 第五十三話 第五十四話
第五十五話 第五十六話 第五十七話
第五十八話 第五十九話 第六十話
第六十一話 第六十二話 第六十三話
第六十四話 第六十五話 第六十六話
第六十七話 第六十八話 第六十九話
第七十話 第七十一話 第七十二話
第七十三話 第七十四話 第七十五話

   

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一千年間引き篭もり男・第04章・04話

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漆黒の宇宙船

「ギリシャとトロイア……本来なら敵国同士の艦体が、共に轡(くつわ)を並べて仲良く航行ってか。洒落にならねえ光景だぜ」

「そんなにおかしいコトなのか、プリズナー? 呉越同舟って言葉もあるが」
「おかしいなんてモンじゃねえぜ。グリーク・インフレイムとトロイア・クラッシックって言やあ、会長同志が犬猿の仲でお互い一歩も譲歩しねえコトで有名だからな」

『二十一世紀で例えるなら、アメリカとロシア、あるいは中国が合同軍事演習をしているようなモノでしょうか?』
「そりゃ、無さそうだな。ところでベル、二つの艦隊の向かっている先は解るか?」

『一直線にこちらに向かってきております、艦長。いかがいたしましょうか?』
「な、なんだってェ!!?」
『両艦体とも、最短距離で近づいてきていますね」

「一体、なにが目的なんだ!? わかるか、ベル、プリズナー?」
『残念ながら、まだかなりの距離があり、電子戦を仕掛けられる状況ではございません』
「オレだって、艦隊戦なんざ専門外だ」

「やっぱ、この艦を敵と認識してるんじゃないのか、じいさん」
「でもでもォですよ、マケマケ。もしかしたら、話し合いって可能性も……」
「なに言ってるの、セノン」「相手はコンピューターだよ。その可能性は低いと思う」

「おじいちゃんは、どうおもいますかぁ?」
「そうだな、セノン。ボクも真央やヴァルナの意見が、正しいように思う」

「じゃあ決まりだな。暴走した無人艦隊なんざ相手にしてたら、命がいくつあっても足りねえぜ」
「そうだな、まずはみんなの安全が最優先だ。この宙域を離脱しよう」

『了解いたしました。MVSクロノ・カイロスの航行速度は、相手の二倍に相当します。行き先は、どちらにいたしますか?』

「やはり、火星に戻るのが最優先だ。セノンもクーリアも、真央たちも、ハルモニア女学院には友達もいるだろうし、親も家族もいるだろう。できるだけ早く返してあげたい」
『わかりました。では、その様に……』

「きゃああああ!!?」「うわあ、な……なんだッ!!?」
 その時、船体が大きく揺れた。

「おい、ベルダンディ……一体、なにが起こってやがる!?」
 フォログラムに怒りをぶつけるプリズナーに、彼の相棒の女性型『コンバット・バトルテクター』が答える。

「見て、プリズナー。空間が歪んで、真黒な艦がッ!!?」
 艦橋の右前方の宇宙空間が、グニャリと渦を巻いた。

「オ、オイオイ。どうなってやがる!? ギリシャやトロイアの連中は、ワープ技術をも確立してやがったのか?」
 そこから出現したのは、先端が四つに分かれた漆黒の巨大な艦だった。

『恐らく二つの勢力とは、無関係の艦と思われます。設計思想から技術的な部分まで、既存(きぞん)の両国の艦艇とはあまりにかけ離れています』

「ど、どう言うコト、おじいちゃん!?」「あの艦は一体、なんなんだ?」
「何もない宇宙空間から、いきなりあんな巨大な艦が飛び出てくるなんて……」
「しかも、こっちの進路を塞ぐように止まってるよ!?」

 セノンも、真央も、ヴァルナも、ハウメアも完全に冷静さを完全に失っていた。

「答えは簡単だろうな」「え? どう言うコト……?」
 ボクは目の前で繰り広げられる、SFアニメかスペースオペラのような光景に唖然としながらも、何故か頭の中はスッキリと落ち着いている。

「グリーク・インフレイムと、トロイア・クラッシック……二つの巨大企業の艦隊を、ジャックしたのがあの艦だろう。それに……」
 ヤレヤレといった気分になって、艦長の偉そうな椅子にドカッと腰を下ろした。

「そうか……なるホドな」
 ボクの顔を横目に見ながら、プリズナーは意図を理解する。
「二つの艦隊を乗っ取り、クーリアやそこのクソガキ共を拉致するように指示した親玉ってのが……」

「ああ、『時の魔女』……まったく、何者なんだか」

 ボクは、突如として現れた宇宙船の漆黒の艦体に、火星の衛星の地下に埋まってしまった、『時澤 黒乃』の面影を重ねていた。

 

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この世界から先生は要らなくなりました。   第03章・第04話

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ライブの後の牛丼

 暗闇にホコリが浮かぶスポットライトが、ステージの少女を照らし出した。

 朱色の革ジャンに白いシャツ、赤いチェックのスカート姿に着替えていた少女は、カニ爪ギターを『ギャオン』と鳴らす。

「今回は、新曲ひっ下げてきたでェ。茹で立ての熱々や!」
 可児津 姫杏は、自分がカニ属性のキャラなのをフル活用していた。

「『カニの杏かけスパゲティー』。アンかけの杏は、姫杏のあんずやで!」
 真っ赤なツインテールの少女は、振り返ってバンドのメンバーを見る。

「ワン・ツー・スリー・フォー!!」
 いきなりドラムが、激しく鳴り響く。
キアのギターも後を追いかけ、リズムギターとベースも演奏を開始する。

「全員女の子のガールズ・バンドか。みんな、キアと同じ赤い髪なんだな」
「実は全員、キャンさんの妹さんなんですよ」

「ドラムのコが、中学二年の詩杏ちゃんで、リズムギターとベースのコが、双子の実杏ちゃんと理杏ちゃんです」
「二人はまだ小学六年なんですよ」

 ライブ演奏のさなかでも、バンド愛を語り聞かせてくれる、卯月さん、花月さん、由利さん。

「でもバラードかあ……なんか意外だな。歌も、ハイトーンのオペラ歌手みたいだし」
 キアの大阪弁から受けるイメージとは、かけ離れたゴシックな曲調だった。

 すると、ワンパートを終えた時点で、曲がゆっくりと中断される。
「アレ……もう終わりか?」
 そう思った瞬間だった。

「チョッキン・ナーーーーーーーッ!!」
 それまでとは正反対の、ドスの効いた声で叫ぶキア。
 高らかに挙げられた右手は、ピースサインではなくカニのハサミのごとくチョキチョキしていた。

「ワアアアアァァーーーーーーッ!!」
 会場の空気が、とつぜん熱を帯びる。

 シアが打ち鳴らすドラムも、壊れないかと思うホドに激しさを増し、双子が作り出すリズムもアップテンポに変化した。

「セイヴィングッ!! セイヴィングッ!! セイヴィングッ!!」
 となりの三人の女子高生も、右手を突き上げハサミを作って声援を送る。

「なるホド。歌詞は、猿カニ合戦のカニ視点なのか。セイヴィングって、貯金って意味だから、貯金とチョッキンをかけて……」
 リアリストなカニが、財を蓄えて猿に復讐する話にアレンジされていた。

「もう、なに無粋なコト言ってるんですか!?」
「先生も、手を挙げて……ホラ!」
「チョッキン、チョキチョキ、チョキン・ナーーーーッ!!」

「ちょっきん、ちょきちょき……」
 若干キャラが変わっている三人に命令されて、ボクも拳をチョキチョキする。

 みずぼらしいビルの地下にある、小さなライブ会場は最高潮に盛り上がって終わった。

「ふえ~、それにしてもスゴイ盛り上がりだったな」
 今朝まで熱を出していたボクは、牛丼屋のテーブルの上におでこをつけて頭を冷やす。

「キャンさんたちのバンドは、インディーズの中でも観客動員がスゴイんですよ!」
「ネットでの楽曲販売も、いつも上位にランクインしてますしね」
「今日の新曲も、絶対に人気出ますよ、キャンさん!」

 まるで自分のコトのように、チョッキン・ナーを自慢する卯月さん花月さん、由利さん。

「せやろか? ウチも、こっちに来てから金巡りが悪うてな。どうにか売れてもらわんと、困ってまうんやわ」
 キアの真っ赤な髪は、すでに元の焦げ茶色に戻っていた。

「でも姉さんの先生。わたしたちまでご馳走になってしまって、よかったんですか?」
 さっきまでドラムを叩いていた、シアが申し訳なさそうな顔をしている。
彼女は姉のキアよりも若干小柄で、大人しそうな少女だった。

「なんや、シア。ウチでは大阪弁のクセに、標準語なんか喋りくさってててて!」
「うるさいですよ、お姉ちゃん」
 妹に、頬っぺたを引っ張られているキア。

「アハハ、いいんだよ。むしろ、社会人なのに牛丼くらいしかおごれなくて、ゴメンな」
 まるで自分から率先しておごったみたいだが、パンツを見てしまったお詫びに、キアや卯月さんたちに強制的におごらされているのだ。

「でも、牛丼おいしいよね」「これからライブのあとは、牛丼にしよ!」
 言葉通り、おいしそうに牛丼を頬張る、双子の小学生たち。

「そりゃアカンわ。ウチの家計は今、火の車やさかいな」
 ツインテールの少女は、顔を曇らせながら言った。

 

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ある意味勇者の魔王征伐~第7章・3話

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透明化と水中呼吸

「当たり前ですよ。さっさとココを出ましょう。見つかったら、ただじゃ済みませんよ!」
 蒼い髪の少年は、浴場に誰かが入ってこないかと気が気でない。

「……だろうな。何たって今回は、客人として『神澤・フォルス・レーマリア皇女殿下』まで招かれてるみてェだからな~♪」

「ええッ!? レーマリア皇女サマが、この街に来てるんですか?」
「ああ。レーマリア自らが、何でもオメーに会うために来てるって話だぜ?」

「ど、どど、どうしてボクなんかに?」
 皇女が自分に会いたい理由が解らない。

「……って、今はそれどころじゃ無いですよ。皇女サマの入浴を覗いたりなんかしたら!?」

「まあ死刑はねえと思うが、去勢されちまうかもな? オレ、女になってて良かった~♪」
「ひいぃぃぃーーーー!? 良くない! ボクはどうなるんですかぁぁぁーーッ!?」

「バレなきゃいいんだよ。今回はカーデリアやリーセシルたちも呼ばれてるから、久しぶりにアイツらがどれだけ成長したのかも、拝んでやっかな~?」
「久しぶりって……ええッ!?」

「つっても、ガキの頃の話だケドなあ? カーデリアとは幼馴染みだし、リーセシルやリーフレアとは、アイツらがまだ修行中で『神殿』にいた頃に知り合ったからな」

「ボクも子供の頃は、パレアナと一緒にお風呂に入ってましたけど……」
「おッ、そのパレアナってコも呼ばれてるぜ。彼女の成長具合を確かめたいだろ?」
「そりゃあ、まあ……って、ダメですよ、そんなの! 殺されてしまいます!」

 生真面目な蒼髪の少年に対し、赤毛の少女は大きな湯舟でバタ足をしながら挑発する。
「オメー『伝説の勇者』になりたくね~のか? 歴史に『名』を刻めるチャンスだぜ!」
「刻みたく・あ・り・ま・せ・ん! どんな意味の『伝説の勇者』なんですか!?」

 そうこうしていると、浴場の脱衣所の辺りから少女たちの声が聞こえ始めた。

「きゃー、レーマリアってば、随分と成長したわね。まったく十五歳とは思えないわ!」
「あの、カーデリアさん、良いんですか? 皇女サマに対して……その」
「ああ、パレアナ。いいの、いいの! 皇女サマとは顔馴染みな仲だから」

 可憐な声の中には、舞人にとって聞き覚えのあるモノも混じっていた

「そうですね。カーデリアさんは、姉みたいな感じです」
「そ、そうなんですか!?」

「『皇女』なんてホントは、重荷なだけなんですよ、パレアナ。お風呂の中くらいは、十五歳の普通の女の子でいさせて下さいね」

「……マ……ママ、マズイですよ、シャロリュークさん!?」
 とてつもない窮地に追い込まれる、舞人。
「この浴場、脱衣所からでないと外に出られないじゃ無いですかぁ!」

「心配ね~って。『こんな時』のために用意周到、準備してんだ」
 赤い髪の毛の中から、小瓶と小石を取り出す少女。
「『透明化ポーション』と、『水中呼吸』のエンチャントされた丸石だぜィ!」

「どんな時のために用意してたんですか! アナタ、ホントに英雄なんスか?」
「お、入ってくるぜ!!」
 赤髪の少女は、舞人の言葉など完全に無視する。

「魔法だと、リーセシルたちに気付かれるからな~。さっさとポーションを呑んで、丸石を口にくわえな。五分は持つからよ」

「ええッ!? 五分しか持たないんですかぁ!」
 舞人の頭から、血の気が引いて行く。

「五分で会議が終るワケ無いですよねえ?」
「ん、言われて見ればそっか? ……マズったな」

「どうするんスかぁーーーーーーーーーーーーッ!!?」
「しゃ~ない、オレのをやるよ。今のオレは女だし、まあ何とかなるだろ?」

 舞人はシャロリュークからそれらを受け取ると、『透明化のポーション』をいっきに飲み干し、『丸石』を口にくわえて湯船に潜水を開始する。

 ……と同時に、脱衣所から少女たちが入って来た。

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糖尿病で入院中に描いたイラスト・004・キング・オブ・サッカーのトップ絵

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倉崎 世叛と御剣 一馬

 倉崎 世叛と御剣 一馬の二人を、色をつけてみました。

 一馬に着せようとイメージしていたユニホームは、オランダの名門・アヤックス・アムステルダムのものでした。
アヤックスは、白地に真ん中が赤なんですよね。

 でも、倉崎が創った一馬のチームである、『デッドエンド・ボーイズ』のイメージと、ちょっと違うかなあと?

 デッドエンドは、『行き詰った』……みたいな意味です。
なので黒と青という、ネガティブっぽいカラーにしてみました。
ちなみにエンブレムは、進入禁止の道路標識です。

プロのサッカーチームのユニホーム

 倉崎のユニホームは、74年ワールドカップの、オランダ代表ユニホームをイメージしてました。
だけど彼の着てるのは、代表のモノではなくクラブチームのユニホームなんですよね。
なので、スポンサーロゴが入ったりします。

 日本人の彼が代表になる場合、やっぱ日本代表の青いユニホームを着ますからね。

 スポンサーは、『ユー・クリエイター・ドットコム』。
どこかで聞いたコトあるような?
(この世界から先生は要らなくなりました。に登場する、架空の動画制作会社ですね)

 ボクが当初、イメージしていたユニホームとは、かなりかけ離れてしまってますが、これはこれでアリかなと。

 一馬のデッドエンド・ボーイズは、イタリアのアタランタなんかに近い気がします。
倉崎のは、架空の日本のプロサッカーチームなんで、それっぽい感じ?
(たぶんJリーグは、権利上使えないだろうから、架空のリーグにしちゃってます)

ある意味勇者の魔王征伐~第7章・2話

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フォンテーヌ・デ・ラ・デエス

「ええッ!? 忍び込むなんて、マズく無いですかぁ!?」

 舞人は城に忍び込むと言い出した、赤毛の少女に意見した。
「大丈夫だって、舞人。こーゆーのは、昔から得意なんだ!」
「得意とか、そ~ゆ~問題じゃあ?」

「だいじょうぶだって。元々オレは城にいたんだし、バレなきゃ問題ね~よ」
 少し前まで赤毛の英雄と呼ばれていた少女は、聞く耳を持たない。

 死角から器用に、城壁の高さまで伸びている木をてっぺんまで登ると、舞人に向ってロープを垂らす。

「ホラ、太い枝に結んでおいたから、お前も早く登ってきな」
「ホントにいいんですか? みつかって怒られても、知りませんよ」
 先パイの英雄に催促され、仕方なく木を登る舞人。

「なんだ、お前。ロープなんて無くても、余裕で登ってこれるじゃね~か」
「子供の頃は、よく登ってましたからね」「オレもだ、舞人」
 舞人は、憧れの英雄と共通点があるコトがうれしかった。

「まったく、警備がなっとらんなあ。こんなに簡単に、侵入できてしまったぞ?」
 木から城壁へと飛び移り、進入に成功して得意気の赤毛の英雄。
舞人もすぐに後を追った。

 少女は、蒼い髪の少年を先導しながらも、衛兵の警備を巧みにかい潜り城内の広間に入る。

「……あの、シャロリュークさん。ここって浴場じゃないですか?」
 舞人が辺りを見回すと、床には正方形の白と赤銅色のタイルが交互に敷き詰められ、緑が美しい観葉植物が飾られ、高い天井は太い木の柱で支えられていた。

「ああ、そうだが。何か問題でもあるのか?」
「……そうだがって、ボクたちは会議に出るために、城に来たんじゃ?」
 ドラゴンの彫刻から湧き出すお湯で顔を洗った少女は、舞人に向かって真顔で言った。

「会議は、ここで開かれるんだよ」
「ええッ!? そんな……ウソでしょ?」
「本当さ。プリムラーナ将軍って知ってるか? バインバインの美人の将軍」

「……し、知ってますよ! ……って、何がバインバインなんですかぁ!」
「そりゃあオメー、乳に決まってるだろ?」
 なんの躊躇もなく言ってのける、シャロリューク・シュタインベルグ。

「ありゃあ、大きさといい形といい、非の打ち所が無い……と見たね。カーデリアやリーフレアたちの貧弱な胸なんかとは、比べものにならんぞ!」

「た、確かにパレアナやルーシェリアと比べても……って、何の話をしてるんですか!?」

「いやワリィ。話がそれたわ」
 ナゼか着ていた服を脱ぎ、湯舟に浸かる赤い髪の少女。

「で、そのプリムラーナ将軍なんだがよ。女の精鋭だけを選りすぐった、女だけの親衛部隊『ブルー・ジュエルズ(蒼き宝石たち)』って組織の、トップなんだ」
「へ~そうなんですか? ……それがこの浴室と、何の関係が?」

「プリムラーナを頂点とした『ブルー・ジュエルズ』は、お互いを義理の姉妹と呼び堅い絆で結ばれているって話だぜ」
「浴室で会議と何の関係が?」舞人はだんだんと嫌な予感がしていた。

「彼女たちはなんと、円卓ならぬ『浴場』で会議を開くのだッ!!!」
「ええええッ!」予想が的中し、戸惑いを隠せない純朴な少年。

「『フォンテーヌ・デ・ラ・デエス(女神たちの泉)』と呼ばれる、大理石でできた豪奢な浴室で、お互い一糸纏わぬ姿で話し合うコトによって、親睦を深めあっているらしいぜ」

「ま、まさかそれが、この場所で開かれる……と!?」
「最もここは、フラーニア共和国の『本物』みてーな立派な浴場じゃねーケドな」

「問題はそこじゃ無いでしょ!」
 お湯の中で、ゆったりと体を伸ばす少女とは対照的に焦りまくる。
「女の人がお風呂場でやる会議に、男のボクたちが出席していいんですか?」

「いいワケねーだろ? フラーニア共和国の永い歴史でも、その会議に忍び込んだ不埒な輩は一人もいねーって話だぜ」
 自ら率先して、不逞な輩になろうとしている赤毛の少女は、堂々と胸を張った。

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萌え茶道部の文貴くん。第六章・第十五話

 

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抹茶の味

 渡辺は、絹絵のことで頭がいっぱいだった。

「絹絵ちゃん、どこだ? 返事をしてくれ、絹絵ちゃ~ん!?」
 学校前の事故のあった道路を中心に、探し回るが返事は無い。
電柱にぶつかったトラックの周囲には、人だかりができていたが、手掛かりすらも見つからない。

「フーミン、聞いてくれる。お母様と戦ってた、絹絵ちゃん……て言うのかしら?」
 悲嘆に暮れながらも必死で後輩を探す渡辺の姿に、千乃 美夜美は声をかける。
「あなたの探している女の子が戦っていたのは、『現実の世界とは少しズレた場所』なの……」

「え? それって……」
「つまり、人間の世界をいくら探しても、恐らくその子は見つからないわ」

「そ、そんな!?」
 渡辺は、『絶望』という言葉の本当の意味を知った気がした。

「絹絵ちゃんは、オレが先パイのコトで落ち込んでいたときに、必死に励ましてくれました。いつも明るくて、笑顔がまぶしくて、オレにとって掛け替えの無い後輩なんです!」

 千乃 美夜美は涙を零す眼鏡の少年を、ギュッと抱きしめる。
「ねえ、フーミン。絹絵ちゃんのためにも、今あなたが出来ることをしましょう?」

「オレに……できるコト?」
「あのコの望みは、わかってるハズよ」
 先パイの言っている意味は、痛いほどよくわかっていた。

「絹絵ちゃんが望んでいたのは、大茶会を成功させるコト……」
 それでも、絹絵が心配でならない。

「お母さまがもし、フーミンに手を出したら……今度はわたしが戦うわ」
 普段の柔和な先パイからは、想像できない表情を見せる、千乃 美夜美。

「わかりました、先パイ。オレ、行ってきます!」
 メガネの少年は、想いを飲み込むようにグッと拳を握りしめると、体育館へと駆けて行った。

「わたしも……逃げてばかりじゃダメだ!!」
 薄紅色の頬を二度三度はたくと、彼女も後輩のあとを追った。


「蒔雄……どうしよう!? もうこれ以上、時間を引き延ばせないわ……」
 副会長である醍醐寺 沙耶歌の焦りは、限界まで達していた。

 既に『ナース服・学生服化推進委員会』の発表は終り、十ある極者部の最後に控える茶道部の発表の時間が、刻一刻と迫っていたからだ。

「大丈夫だよ、沙耶歌姉さま!!」
「渡辺先パイが来るまでの時間は、わたし達が何とかして見せます!」
 双子は体育館へと戻ると、直ぐに抹茶を点てる準備に取り掛かった。

「あ……あなたたち!?」
 醍醐寺 沙耶歌は、双子の義妹の行動に驚く。

(醍醐寺の家にいた頃は、この子たちは自分から何か行動を起こすことはしなかったのに。親戚中をたらい回しにされた影響なのか、権力を持った者の意向にすぐに従うクセがあったわ。それを心配もしていたのだけれど……)

 浅間 楓卯歌と浅間 穂埜歌は、着物に着替え、自らの言葉どおり二人で壇上に立った。

「ご来場の皆様……本日は、お忙しい中お越しいただき、誠に有難うございます」
「我が茶道部が、『大茶会』の大トリを務めさせていただきます」
 双子は、茶道部から持ち出した二畳の畳の上に座って、抹茶を点て始めた。

「……ほう? 流石は我が醍醐寺で、茶の湯を学んだだけのことはある」
 それを、後ろから見ている男がいた。

「所作にしろ点前にしろ、中々のものではある」
 意外にもそれは、醍醐寺 草庵だった。

「……破門となった今では、なんの意味も無いがな」 男は、口元を歪める。

「そもそも、『茶の湯』などと言う古い仕来たりに固執する体制から脱却せねば、醍醐寺の未来は無い。そうは思わんか?」

「はい……」
 後ろに控えていた女は、不気味な笑みと共に仰々しく会釈した。

 浅間 楓卯歌と浅間 穂埜歌は、客席にお尻を向けない様に『ハの字』に向かい合って座り、点てた茶を舞台の後方に向って置き、そして深々と頭を下げる。

「身寄りの無いわたし達を、今まで育てていただき…誠に有難うございました」
「お二人に、心を込めて抹茶を点てました。どうぞ、飲んでやって下さい……」

 二人はそう言うと、湯気の立つ抹茶茶碗を、『醍醐寺 草庵』と、学園長である『醍醐寺 五月』の前の机に置いた。

 学園長は、目に涙を浮かべながら抹茶を呑んだ。
草庵も場の雰囲気から考えて、流石に呑まない訳にもいかず、それを口に運ぶ。

「こ、これは……!?」 
 抹茶を口に含んだ醍醐寺 草庵は、何かとてもなつかしい気持ちになっていた。
「抹茶など……美味いと思ったことなど、無かった筈だが……?」

 

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