ラノベブログDA王

ブログでラノベを連載するよ。

王道ファンタジーに学園モノ、近未来モノまで、ライトノベルの色んなジャンルを、幅広く連載する予定です

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

一千年間引き篭もり男・第05章・28話

トロイの木馬の正体 深淵の宇宙に、煌めく閃光。 ワープ航法と言う未知の技術を駆使して送り込まれた、グリーク・インフレイム社の4個艦隊。巨大な緑色の艦影たちが、規律正しく動いて陣形を変える。 「AIによって統治され、一糸乱れず展開される艦隊……か…

ある意味勇者の魔王征伐~第9章・6話

女王と妹たち ヤホーネスの、それなりに豪華な湯舟には、煌びやかな金色の髪が揺蕩(たゆた)っていた。 「じょ、女王陛下」「本当に、わたくし達も……」「湯を共にしてよろしいのでしょうか?」 アルーシェ・サルタール、ビルー二ェ・バレフール、レオーチェ…

キング・オブ・サッカー・第三章・EP012

天才とマジシャン 「ヤレヤレ。フットサルの経験者は紅華だけだ。サッカーとのボールの違いに、戸惑っているな」 倉崎さんが、体育館の端でため息を付いていた頃。ボクはビール腹のオジサンにシュートを決められていた。 オジサン、シュートが上手い。コース…

この世界から先生は要らなくなりました。   第04章・第19話

お部屋探し 「プニプニ不動産……また変わった名前の、不動産屋だな」 看板にも、ポップな書体で『プニプニ不動産』と書いてある。 「昔はもっと、堅苦しい名前だったんスよ」「天棲不動産……みたいな?」 「寅巳不動産っス。じいちゃんが寅年生まれで、死んだ…

一千年間引き篭もり男・第05章・27話

アナトリア史 「言い換えるとトロイア戦争ってのは、西欧文化圏と中近東文化圏との戦争でもあったんだな」 「人類最古の文明は、アナトリアから中近東にかけての地域で生まれたのです。無論、古代ユダヤ人は白人ではなく、ユダヤ人であったキリストも、白人…

ある意味勇者の魔王征伐~第9章・5話

女王の風格 誕生したばかりのヤホーネスの女王は、言い争う二人の元帥の間へと歩み出る。 「今は一刻も早く、王都を再建して被災した市民を救済し、また災いの元凶となったサタナトスを見つけ出し、排除せねばなりません」 「王都の再建は、ヤホーネスに残っ…

キング・オブ・サッカー・第三章・EP011

背・アブラーズ 「見ろよ、相手のチーム名。『背・アブラーズ』だってよ」 センターサークルに立つ、蒼いユニホームを着た11番の選手が言った。 「自虐ネタってヤツか。コートに立っているおっさん全員が、見事なビール腹だしな」 同じユニホームの7番の…

この世界から先生は要らなくなりました。   第04章・第18話

プニプニ不動産 「悪かったな、テミル。周囲を確認せず、飛び出してしまって……」 ボクは、ぶつかって転ばせてしまった生徒に、手を差し伸べる。 アパートの玄関先のコンクリートに、体育座りの格好をした少女は、ベージュ色のパーカーに白いミニスカート姿だ…

一千年間引き篭もり男・第05章・26話

異教の神々 指令室のモニターに、宇宙で行われるサブスタンサー同士の戦闘の様子が映し出された。 姉のヒッポリュテーが駆るエポナス・アマゾーネアは、馬のように後ろ脚だけで立ち上がるポーズをし、クロノ・カイロスの艦橋に向け突進する。 一点突破の鋒矢…

ある意味勇者の魔王征伐~第9章・4話

女王誕生 小さな地方都市にしては立派な天守閣を持っていると言われる、ニャ・ヤーゴの城に置いて、一人の少女が女王となる戴冠の儀が執り行われていた。 「亡き王の遺志により、このプリムラーナ・シャトレーゼが……」 女将軍は皇女の前で片膝を突き、両手で…

キング・オブ・サッカー・第三章・EP010

初陣 柴芭 師直は、ボクたちの元から離れると、自分のチームメイトと合流する。 「柴芭さん、どうだったっスか」「メンドそうなヤツ、いました?」「紅華と黒浪はまあ、リサーチ済みっスけど」 坊主頭の三人のプレーヤーが、占いマジシャンに質問した。 「そ…

この世界から先生は要らなくなりました。   第04章・第17話

天棲 照観屡(あます てみる) 「キミにとって倉崎 世叛とは、どんな兄さんだったのかな?」 ボクは少しだけ、彼女の気持ちを知りたくなった。 「やはり天才的で、頼りがいのある……」 「うっさい!」 タクシーの後部座席で、栗色の髪の少女が大声を張り上げ…

一千年間引き篭もり男・第05章・25話

二人のアマゾネスの女王 「そう言えば、あの傲慢なアキレウスも、これだけ自軍に有利な戦況にも関わらず、何のコンタクトもありませんからな」 「はい。彼とはモニター越しに話しただけですが、嫌味の一つも言って来るような性格に感じました」「フッ、ヤツ…

ある意味勇者の魔王征伐~第9章・3話

現実の英雄の姿 「あの小娘が、死んだか」「死霊の王たる我らにとっては、どうでもいいコトだがな」 王都の決戦より戻っていた、ネリーニャ・ネグロース・マドゥルーキスと、ルビーニャ・ネグロース・マドゥルーキスが言った。 「人間などは互いに戦争をし、…

キング・オブ・サッカー・第三章・EP009

ワンオラクル 「トミン、マジあり得なくない?」「不誠実な異性関係って、そりゃ七人も居ればね」「そろそろ誰が好きなのか、はっきりさせて貰おうじゃない」 紫芭さんの占いに、怒り心頭の七人の女子高生。 「オ、オメーら、落ち着けって。これはなんの根拠…

この世界から先生は要らなくなりました。   第04章・第16話

真夜中の病院 「それにしても、まだ深夜か」 キアの手術が終わって、ボクは意外に時間が経ってないのに驚いた。 「まだ深夜と言うのも、可笑しなモノかもしれないが、もっと時間が過ぎていると思っていた……」 それはボクにとって、悪夢に等しい時間だったか…

一千年間引き篭もり男・第05章・24話

闇の向こうの敵 「交戦が確認されるのは、MVSクロノ・カイロスが係留されていた宇宙港周辺のみですな」 「攻撃を受けていたもう一つの宇宙港も、戦闘が収まっているようです」 指令室に座っていた、デイフォブス=プリアモス代表とイーピゲネイアが言った…

ある意味勇者の魔王征伐~第9章・2話

英雄の幻影 「皇女殿下が、サタナトスより告げられた話を伺いました。この魔王は……我が妻の……」 両腕を広げ、自らの身体を盾にする隊長の顔は、涙でグシャグシャだった。 「どうして……なんでだよォ!?」 苛立ちを隠せない、舞人。パレアナの仇である魔王に…

キング・オブ・サッカー・第三章・EP008

アルカナ 「どうして女ってヤツは、占いなんて根拠の無いモンが好きなのかねェ」 紅華さんは喋りながらもずっと、フットサル用の小さめのボールをリフティングしている。 「トミン、酷くない!」「紫芭さんの占い、すっごく当たるんだから」「トミンも、占っ…

この世界から先生は要らなくなりました。   第04章・第15話

緊急手術 キアを乗せた救急車が病院に着くと、マスコミの記者が周りを囲んだ。 「少女は本日より始まった、ユークリッドの学校教室動画の生徒さんですよね?」「本来は今日の放送で、参加されるハズだった生徒が、どうして救急車で?」「どうやら意識はない…

一千年間引き篭もり男・第05章・23話

開戦理由 「宇宙斗艦長。まずは詳しい戦況を、お伝えしましょう」 ボクの元から離れたイーピゲネイアは、重力の小さくなった指令室を舞う。 「敵の艦隊は、4個艦隊。うち2個艦隊が、パトロクロスの宇宙港を攻撃し破壊しました」 最初に会った時とは異なり…

ある意味勇者の魔王征伐~第9章・1話

連鎖する悲劇 「パレアナが……死んだ?」 ニャ・ヤーゴの街外れにある小さな教会で、蒼い髪の少年が呟いた。 「ああ……そうだ」 赤い髪の少女は、顔を伏せながら頷く。王都での戦いから、数日が経っていた。 「ウ、ウソでしょ?」「残念だが、本当だ……」 「申…

キング・オブ・サッカー・第三章・EP007

紫芭 師直(しば もろなお) 「わ、わたし、カーくんの彼女じゃにゃいですゥ!?」 おもいっきり噛んだ奈央は、顔を真っ赤に染めている。 「あだ名で呼び合うとは、かなり親しい間柄に見受けるが」「ひょっとして、幼馴染みってヤツなのか!?」 杜都さんと…

この世界から先生は要らなくなりました。   第04章・第14話

失われた時 ボクは、冷たくなった二人の少女を抱える。 一人は真っ赤なツインテールで、もう一人は茶色味がかった黒の、小ぶりのツインテールだ。 「キア、しっかりしろ!」 赤毛の少女の頬を叩くが、反応は無い。 「シアちゃんも、返事をしてくれ!?」「ん…

一千年間引き篭もり男・第05章・22話

宙を舞う少女たち 「ギリシャ群の艦隊がワープして、この宙域に現れたと?」 ボクの問いかけに、デイフォブス=プリアモス代表が頷く。 「ワープ技術なんて、未だ確立されてねハズなのに……」「それを艦隊規模で、装備してる……?」「一万隻の艦艇全てにって、…

ある意味勇者の魔王征伐~第8章・24話

王都の激闘7 廃墟と化した王都を見降ろす丘に、かの国の国王が夕日を背に立っていた。 「王よ。王のお力添えで、国民の多くを救うコトができました」 片膝を付き、頭を垂れる歴戦の老将。彼の背後には、難を逃れた国民が大勢付き従っている。 「このセルデ…

キング・オブ・サッカー・第三章・EP006

フットサル大会 「倉崎さん。我々のチームも五人となりました」 いつものコンビニのフードコート。 「サッカーをするには人数が足りませんが、フットサルなら可能ですよ?」 珍しく白峰さんが、積極的な提案をした。 「お、それいいねえ。河原での練習だけじ…

この世界から先生は要らなくなりました。   第04章・第13話

閑静な住宅街の狂気 『キア』こと可児津 姫杏の家は、閑静な住宅街にあった。 「立派な家が、建ち並んでる……ケド、空き家も多いな」 モダンな一戸建て住宅の多くは、生活感もあってキレイな車が車庫に留まっている。けれども何件かは、真新しい住宅の庭を雑…

一千年間引き篭もり男・第05章・21話

悲劇の始まり 「お、おじいちゃん。一体、何が起きたんでしょうか!?」 小惑星パトロクロスの内部にいるボクたちには、今の状況が解からない。 ボクは咄嗟に、周りの状況を確認した。地面が揺れている。街の人が立っていられないくらいの振動が、何度も襲っ…