ラノベブログDA王

ブログでラノベを連載するよ。

王道ファンタジーに学園モノ、近未来モノまで、ライトノベルの色んなジャンルを、幅広く連載する予定です

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

この世界から先生は要らなくなりました。   第01章・第04話

エンジェル・トリックブラシ ボクは駅員たちの誤解を解いた後、瀬堂 癒魅亜の通ったであろう駅の改札を出る。 ドップリと日が暮れた街は、完全に夜の帳の中にあった。 「まいったなあ。彼女がどっちへ行ったかも解らない。時間も経ってるし、当てズッポウで…

アイドル旋姫伝承ジュリア・第一幕・第ニ話

夢を追う者 「……言ったでしょ。アイドルになれるまでだよ」 ジュリアは、今は異なる制服に身を包む二人の友人に、寂しさと同時に複雑な感情も抱いていた。「わ、わたし、二人みたいに途中で辞めたりしないから。一人だって、ずっと続けるよ!」 「アイドルが…

ある意味勇者の魔王征伐~第6章・4話

王都 王都・ヤホーネスの首都『エキドゥ・トーオ』は、古代より栄えた巨大都市だ。 北は山岳地帯になっていて、西から南へと流れる大河のほとりにあり、天然の要害がこの街を衛る。東には、巨大な城下町が広がっていた。 元は、五つの城塞都市の連合国家であ…

ある意味勇者の魔王征伐~第6章・3話

砂漠の死闘 『謎の少年』の剣によって強化された魔物たちは、捜索隊を次々に餌食となる。かろうじて身を護れているのは、二人の少女騎士だけとなった。 「な、なんというコトだ。レーマリア様に派遣いただいた兵士たちが……全滅だなんて!?」「全員、生きて…

この世界から先生は要らなくなりました。   第01章・第03話

電脳世界のシンデレラ 汗ばんだワイシャツを不快に思いながら、ベンチに伏せっていると、線路がフェードアウトする暗闇に光が現れる。やがてそれは、ガタンゴトンっとけたたましい音と共に、ボクの前に流れ込んで来た。 「やれやれ、やっと来た……さて、帰る…

一千年間引き篭もり男・第02章・10話

助けられた少女たち 穴から落下した巨岩は、岩の外壁にぶつかると砕けて大きく三つに分かれる。 轟音が連続して響き渡り、穴から飛び出てくる欠片もあったが、大半はフォボスの小さな重力に引き寄せられ、ゆっくりと落下していった。 「上手く行ったな、セノ…

アイドル旋姫伝承ジュリア・第一幕・第一話

あるアイドルの想い それなりの大都会にあるファミレス……三人の少女が会話を交差させている。 「また、アイドルオーディション落選か。これで何度目だよ、ジュリア?」 オレンジ色の巻き髪ツインテールに、小麦色の肌の少女が言った。 「……オヨヨ? これで二…

ある意味勇者の魔王征伐~第6章・2話

謎の少年 「……あれは、『エクスマ・ベルゼ』と、魔王の『バクウ・ブラナティス』だ!」「シャロリューク様は、一体どこに居るんだ?」 アーメリアに続き、ジャーンティも剣の主を心配する。 二人の少女を隊長とした捜索隊は、急いで砂丘を駆け降り、二振りの…

萌え茶道部の文貴くん。第四章・第六話

美味しい抹茶 次の日、とつぜん橋元の口から、『茶道部が五人になる事』が発表された。 「お二人が入部って、ど~ゆコトっすか!?」橋元を、精一杯の厳しい眼差しで睨む絹絵。「どうって、言葉通りの意味だが?」畳の間で漫画を読んでいた橋元が、小さな声…

ある意味勇者の魔王征伐~第6章・1話

使者の報告 ヤホーネスの王都、『エキドゥ・トーオ』の王宮では、二人の使者が王に謁見していた。 「……そなた達が……フラーニア共和国の? 此度の援軍……感謝すると……ゴホゴホッ!」 ヤホーネスの王は九十に迫る高齢であり、ここのところ健康を害していた。「…

一千年間引き篭もり男・第02章・09話

あるモノ 「……先ほどから、男の人の声がすると思っておりましたが?」「なあ、一体誰なんだ、セノン?」 クヴァヴァさまと、マケマケの声が、避難小屋の中から聞こえる。 「と~っても頼りになる『おじいちゃん』です!」「はあ? お、おじいちゃん?」「若…

この世界から先生は要らなくなりました。   第01章・第02話

伝説の記者会見 「教育とは、誰にでも平等に与えられる物でなくてはならない……か」 ボクは、ユークリッドが掲げる理念を、覆せないでいた。 「元は、倉崎 世叛(くらさき よはん)の言葉だろ? 確かに名言だ」 腹を満たした友人が、気だるそうにアグラをかく…

この世界から先生は要らなくなりました。   第01章・第01話

ユークリッド ラーメン屋の醤油の香りがする暖簾を潜ると、ボクと友人はカバンを投げ出しネクタイを緩め、テーブルに置かれたお冷を口に流し込んだ。 「暑い日だな、まったく。こんな炎天下を足が棒になるまで歩き周っても、就職できる気配が一向にしないの…

萌え茶道部の文貴くん。第四章・第五話

夕日の勇者 「……お父様は、変ってしまわれた。この数年、まるで何かに憑り付かれたかの様に、仕事やお金に執着して……だからお母様は別居をされたのよ」 醍醐寺 沙耶歌は、苦しい胸の内を吐露する。 「ま、大人ってヤツは、家族を食わせるために、どうしたっ…

一千年間引き篭もり男・第02章・08話

避難小屋 「どうしましょう、おじいちゃん。このままじゃ避難小屋の中の人たち……」 セノンはそれ以上、現状を言葉にする勇気は持っていなかった。 「炎が迫っている避難小屋の中に、キミの学校の生徒がいるのか!?」 ボクが避難小屋に向かおうとすると、セ…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・15話

ヘアサロン 「お前たち、可愛らしい髪にしてもらって、よかったのォ?」 イマイチ、感情のこもらない言葉で、ルーシェリアが八人の少女の髪型を褒めた。 「良かったモン」「けっこーお洒落な気がするモン」「せっかく人間の女子になったし、可愛いのもありな…

萌え茶道部の文貴くん。第四章・第四話

双子の過去 「あの~? 質問なんスけど『醍醐寺』ってのは、有名な家柄なんスか?」 一人、話に付いて行けてない絹絵が口を挟んだ。 「絹絵ちゃんは転校生だから知らないだろうけど、『醍醐寺』はここらじゃ有名な『茶道の家元』でね。『醍醐寺 劉庵』は元は…

萌え茶道部の文貴くん。第四章・第三話

生徒会の双子姉妹 茶番だった会議は、結論を得ずに幕を閉じ、皆も副会長に続き生徒会室を出て行った。 ただ一人、生徒会長を残して。 「……なんだよ? やけにあっさり認めやがんな~、沙耶歌のヤツ……」 橋元は、副会長の態度が妙に気になった。 冷静で可愛げ…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・14話

女子力! 豪華な料理が並ぶテーブルには、リーセシルとリーフレアの双子姉妹も、既に席に付いていた。 「うわッ、このスープすっごく美味しいよ! これ、舞人くんが作ったの?」「このチキンの照り焼きも最高ですよ~姉さま。舞人さん、凄いです!」 双子の…

一千年間引き篭もり男・第02章・07話

採掘プラント 「凄いですゥ! ホントに元の場所に戻って来れちゃいました~!」 ボクはセノンを抱えたまま、天井に開いた大きな穴を潜り抜けると、『下から見たときは天井だった床』へと着地する。 「ここがキミの言ってた、『爆発事故のあった採掘プラント…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・13話

ありがとう 栗色の髪の少女は、ネリーニャとルビーニャの変化に驚きながらも、幼馴染みの治療を続けた。 すると双子の影から、さらに幼なそうな八人の少女が顔を出す。「……お、お邪魔してるモン」「『ご主人サマのご主人サマ』は、治りそうかモン?」「ご主…

一千年間引き篭もり男・第02章・06話

巨大岩石群 ボクと黒乃が眠りに付いたのは、地球の小さな街の廃坑だった。 それがどうしてフォボスに居るのか、ボクにもさっぱり解らない。当然、今居る場所に付いても、何も知らない。 「フォボスが、『恐慌』って意味の神の名前なんて、笑えない冗談だな………

萌え茶道部の文貴くん。第四章・第ニ話

結論有りきの会議 渡辺の問いかけに、愛澤 柚葉の口から堰を切ったように言葉が溢れ出す。 「終らせたくない! ホントはずっと、あの子たちと部活を続けたい! でも、あたしといると、あの子たちまで周りから変な目で……見られちゃう!!!」 彼女の言葉から…

一千年間引き篭もり男・第02章・05話

日本消滅 「……ところで『日本が滅んだ理由』って、何? やっぱ中国に侵略されて……とか?」 ボクは、恐る恐るセノンに聞いた。 「いえ。確か『国家破産』でしたっけ?」「ええッ? そんな理由!?」 予想した理由とは違ったが、予想していなくも無かった。 「…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・12話

幼なじみの想い 舞人は、ルーシェリアの膝を枕に、意識を失っていた。 「まったく……無茶をしおって」舞人の開いた傷口からは、ドス黒い血が止め処なく溢れ続ける。「……じゃがのォ、ご主人サマよ。あの剣士の言ったことは、近い将来恐らく……」 漆黒の髪の少女…

一千年間引き篭もり男・第02章・04話

完全自動の世界 「……有難う、セノン。黒乃の形見を貰ってくれて」 「いえ、こちらこそ大切なモノをいただいちゃって……有難うですゥ♪」 そう言うと彼女は、宇宙服の中からペンダントを取り出し、ハートの髪留めを通した。 「ど、どうですか、おじいちゃん?」…

萌え茶道部の文貴くん。第四章・第一話

未知との遭遇部 茶道部は最近、オワコン棟住人の『お悩み相談室』にもなっていた。 最初の会議以降、渡辺の物事を理解し解決する能力と、『抹茶の味』が評判となり、橋元の居ない時期を見計らっては、(抹茶を飲む目的も兼ねて)悩み事相談をしにやって来て…

一千年間引き篭もり男・第02章・03話

形見 「あの……大丈夫ですか? どうして泣いてるんですかぁ?」 黒乃では無い、クワトロテールの少女は既に意識を取り戻していた。「……ゴメン……ボ、ボクは……」それ以上言葉が続かない。 赤く泣きはらした目を、幼さの残る少女に向けることが出来なかった。 「…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・11話

白紫色の髪の剣士 「……因幡 舞人。その剣について、聞かせてもらおうか……」 急に殺気を感じた少年が振り返ると、氷のような眼差しをした剣士が待ち構えていた。「雪影さん……見ての通りです。この剣には、高位の魔族を人間に変える力があるんですよ」少年が言…

萌え茶道部の文貴くん。第三章・第八話

生徒会副会長 生徒会室まで向う途中の廊下を、橋元はため息混じりに歩いていた。 「しっかし茶道部も、ゆったりとくつろげる場所じゃ無くなったよな~。礼於奈たちの前は、迷彩水着を着た女コマンドーたちが雁首並べてたし、その前は恐竜の帽子を被った幼女…