ラノベブログDA王

ブログでラノベを連載するよ。

王道ファンタジーに学園モノ、近未来モノまで、ライトノベルの色んなジャンルを、幅広く連載する予定です

2019-01-01から1年間の記事一覧

キング・オブ・サッカー・第一章・EP016

コンビニ面接 この道、昨日は通らなかった道だ……。 路線バスは、七人の女子高生たちが乗ってきた、ターミナル駅の停留所には立ち寄らず、街中の商店街へと向かった。 「オイ、お前もたいがいだな」 後ろの席から、機嫌の悪そうな声が聞こえる。 「これからオ…

一千年間引き篭もり男・第04章・13話

ロボットの進化 宇宙ゴミ(スペースデブリ)と化した、『漆黒の海の魔女』の残骸を抜け、航行を続けるMVSクロノ・カイロス。 「宇宙開拓時代を代表する、二大軍事企業の戦艦の群れが……」「一糸乱れぬ陣形で、この艦に追従してる」「ある意味、壮観な眺め…

萌え茶道部の文貴くん。第七章・第四話

ガラス戸 「その節はどうも」 渡辺は、奥から出てきた店主に向かって、軽く頭を下げる。 「あの……こちらに絹絵ちゃんが居るって聞いて、伺ったんですが」 「うん、まあ、居るには居るんだがね」 細身だが、落ち着いた雰囲気の店主は、無精ヒゲの生えた顎を撫…

この世界から先生は要らなくなりました。   第03章・第14話

フードの少女 「良かったな、解放されて」 ボクは真夜中の警察署を出所する、教え子に言った。 「まったく、お節介な先生だぜ。どうすんだよ、もう電車は無いぜ」 美乃栖 多梨愛は、頭の後ろで腕を組みながら振り返る。 「タクシーでも拾って帰るよ。それよ…

ある意味勇者の魔王征伐~第8章・1話

ムオール渓谷の村 「オイ、舞人。どの家も、もぬけの殻だぜ」 赤毛の少女が、ぼやいた。 「ホントですね、シャロリュークさん。人っ子一人いませんよ」 蒼髪の少年も、静寂に包まれた村の家々を覗き込む。遊撃騎士団・隊長に任じられた彼は、初の任務で責任…

キング・オブ・サッカー・第一章・EP015

見解の相違 うわわ。何で鳴弦さん、涙声なのォ!? 「遠光。確かにアンタには、才能があるよ……」 鳴弦さんは、背後にボクがいるコトなど忘れてる気がする。「アタシよりハサミも器用に使いこなすし、サッカーだって上手じゃないか……」 「あ、それがどうした…

一千年間引き篭もり男・第04章・12話

巨大ホタテ貝 宇宙に浮かんだ巨大なホタテ貝は、真珠色の輝きを放っている。 「対比物がこの艦くらいしか無いから、大きさがピンと来ないケド……」「貝の大きさが、100メートルくらいある」「も、もしかして、あのホタテ貝の正体って!?」 真央、ヴァルナ…

萌え茶道部の文貴くん。第七章・第三話

上映会の記憶 大茶会の日から、数日が経っていた。 渡辺は、名古屋を走る私鉄の、赤い色をした電車に乗っている。彼の目の前で、つり革に手を突っ込んだサラリーマン風の男が数人、情報交換をしていた。 「一時期、醍醐寺グループは、千乃コンサルタントの親…

ある意味勇者の魔王征伐~第7章・11話

深まる謎 「フム、ほうほう……それで? なる程なのじゃ」 一同が声の方を見ると、ルーシェリアが新たに生まれた八つ子と、ヒソヒソ話をしていた。 「ん。もしかして、なにか聞き出せたのか?」「そうじゃな。サタナトスについて、多少は解かったのじゃ」 漆黒…

この世界から先生は要らなくなりました。   第03章・第13話

面会 取り調べを終えた警察官と入れ違いに、ボクは黒く汚れたコンクリートの小さな部屋へと入る。 「どうだ、少しは反省したか」 タリアは、小さな机の向こうで脚を組んで座っていた。 「そんな風に、見えるかい。先生?」 タリアは、かなり大柄で背が高く、…

キング・オブ・サッカー・第一章・EP014

姉と弟 「アンタ、見たトコ高校生だろ?」 赤い軽自動車は、美容院裏手の駐車場に停まる。鳴弦さんは、ボクの制服を見て判断したようだ。 「……」 コクリと頷く。 「悪いねえ。無理言って、付いて来てもらって」 シートベルトを外し、車を降りると空はスミレ…

ある意味勇者の魔王征伐~第7章・10話

新たな八つ子 「……な、何するんですかぁ、シャロリュークさん!?」 八つ裂きにされ、八つの破片となって地面に散らばった、魔王を見て叫んだ。 「シャロ、あんたってヤツは!」「マズイのォ。これは、大変なコトに成りそうじゃ」 ルーシェリアの予測通り、…

一千年間引き篭もり男・第04章・11話

巨大なイルカ 「ボクが突入を命じたばかりに、アイツらの命が……」 敵艦内部の奥深くに進入した、ウィッチレイダーたち。悩んでいる間にも、敵艦の誘爆は進んでしまっている。 「ベル、取り残されている娘たちは、何人だ……?」『合計で九人……他は既に、脱出に…

ある意味勇者の魔王征伐~第7章・9話

魔王の常識 「魔王の時の記憶が残っているのが、重要なコトなのか?」 赤い髪の少女が、グラーク・ユハネスバーグに質問する。 「重要な事だ、シャロリュークよ。今回の事件の首謀者である、サタナトスの正体を知る鍵となるかも知れないのだ」 「それは、ど…

キング・オブ・サッカー・第一章・EP013

美容院 六人掛けの席が二つ横並びにあり、七人の女子高生に挟まれたボクは小さく座る。テーブルには、メニューに書かれた様々な料理や、飲み物が置かれていた。 「か~、お前ら容赦なく注文してんな~」 鳴弦さんは、ボクの前の席にドカッと座る。 「だって…

この世界から先生は要らなくなりました。   第03章・第12話

事情聴取 パトカーの後部座席で見つめる外の景色が、急に滲み始める。 「……どうやら、涙というワケじゃないらしい」 目元に手を当てたが、湿ってはいなかった。 「先生と言っても、今時はサラリーマンみたいなモノでしょう」 若い警官が、ボクが濡れないよう…

萌え茶道部の文貴くん。第七章・第二話

先パイと後輩 次の日、授業を終えたオレは、いつもの様に茶道部の部室に入る。 「あ、先パイ。フウカちゃんとホノカちゃんも、もう来てたんだ」 室内では既に、千乃 美夜美と双子が抹茶と和菓子を愉しんでいた。 「二人のお茶碗、フーミンが買ってあげたんだ…

ある意味勇者の魔王征伐~第7章・8話

魔族と人の国 「しかし少年よ。キミの剣は本当に『魔王を少女の姿』に出来るのか?」 グラーク・ユハネスバーグが、舞人に問う。 「はい。ボクと言うよりは、このジェネティキャリパーの能力なんです」「ここに、大量の『生き証人たち』がおるしのォ?」 「…

この世界から先生は要らなくなりました。   第03章・第11話

警察官 「……なんだ、お前らか」 高架下の小さな通路から現れたのは、パーカーを着た少女だった。 「タリア、ここで一体何を!?」「別に……コイツらを、ぶっ飛ばしていただけだ」 暗闇に近い通路から、うめき声が聞こえる。警報機の赤い光が、ほんの一瞬だけ…

一千年間引き篭もり男・第04章・10話

命の決断 『内部に侵入したウィッチレイダーたちの戦闘によって、敵艦に多大なダメージを与えられた模様です』 フォログラムのベルダンディが、ボクに報告した。 「ウィッチレイダー……『魔女の侵略者』とは、よく言ったモノだな」 その小さな魔女たちは、ボ…

萌え茶道部の文貴くん。第七章・第一話

揃わないパズルのピース 「ヒィ、昨日は疲れたぜ。オレも久しぶりに、本気出して喋ったかんな」 取り壊しの決まったオワコン棟・茶道部の畳の間で、最後の安ら義の時間を愉しむ生徒会長。 「フウもォ~。くたびれたぁ」「ホノだってェ~。クタクタだよォ」 …

ある意味勇者の魔王征伐~第7章・7話

魔王パーティー 「シャロリューク様、申し訳ありません。ですが、今のヤホーネスには英雄が必要なのです」 レーマリア皇女殿下が、赤毛の少女に深々と頭を下げる。 「気にすんな、気にすんな。オレも、異存はね~よ」「みんなの裸を覗いたクセに、偉そうなの…

キング・オブ・サッカー・第一章・EP012

紅華 鳴弦 ボクは終点から二十分くらい歩いて、一つ先の停留所まで戻る。 紅華さんの知り合いの女子高生たちが、降りていったところだ。終点の車庫も兼ねた停留所と比べると、遥かに賑わっているなあ。 ターミナルかあ。地下鉄で帰った方が安いかも。料金く…

この世界から先生は要らなくなりました。   第03章・第10話

自殺 「ずいぶんと、古そうなアパートだな。ここがタリアの家らしいが……」 細い通りから、更に奥まった場所にアパートはある。街路灯は薄暗く、道には雑草が生え、アスファルトがひび割れていた。 「まるで、廃墟ね。コンクリートのブロック塀も、崩れ落ちそ…

一千年間引き篭もり男・第04章・09話

娘たちの闘い MVSクロノ・カイロスと同等サイズの、巨大な艦が変形した『漆黒の海の魔女』は、驚異的なスピードで突進してくる。 「わああ、パパ!」「おっきなのが追ってきたよォ!」「あんなの反則じゃん!」「ど、どうしよう」 娘たちの不安な意識が次…

萌え茶道部の文貴くん。第六章・第十九話

茜雲 大茶会は、満場の人々の歓声や拍手と共に幕を閉じた。 笑顔の客人たちが、次々と会場を後にする。千乃 玉忌の姿も、いつの間にか消えていた。 「……オレは、全てを失った」 そんな中、一人席を立つ事さえ出来ないでいる男。「親父が築き上げた会社も、醍…

キング・オブ・サッカー・第一章・EP011

女ってのは 「えっと、なになに?」「デッドエンド・ボーイズ・サッカークラブの……」「御剣 一馬……くん?」 女子高生たちは、名詞に描かれた情報を可愛らしい声で読み上げる。 「かっこいい名前だね」「でも、サッカークラブってコトはさ」「このコ、トミン…

この世界から先生は要らなくなりました。   第03章・第09話

狭い空 「ユミア……どうしてここに?」 ボクは突然現れた、栗色の髪の少女に問いかける。 「どうしてじゃないわよ。どうせ先生のコトだから、何の情報もなく美乃棲 多梨愛を探しに出ようとしてたんでしょ?」 まさにその通りだった。でもボクは、彼女が自然に…

ある意味勇者の魔王征伐~第7章・6話

新たな英雄 「だからさぁ、カーデリア。ほんの悪戯心じゃねえか?」 「アンタって奴は……ホントにもう、飽きれてモノが言えないわよッ!」 ニャ・ヤーゴの城の会議室で、パッションピンクのクルクル髪の少女が、小柄な赤毛の少女に向って怒りを撒き散らしてい…

キング・オブ・サッカー・第一章・EP010

トミン 「お前、御剣 一馬ってのか?」 もう一度、名刺を確認しボクを見る、紅華 遠光。 『コクコク!』 その通りだと、必死に顔をタテに振って訴える。 「ふ~ん、デッドエンド・ボーイズ……サッカークラブねえ」 名刺には、ボクの名前と顔写真のほかに、当…