ラノベブログDA王

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ある意味勇者の魔王征伐~第7章・10話

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新たな八つ子

「……な、何するんですかぁ、シャロリュークさん!?」
 八つ裂きにされ、八つの破片となって地面に散らばった、魔王を見て叫んだ。

「シャロ、あんたってヤツは!」
「マズイのォ。これは、大変なコトに成りそうじゃ」
 ルーシェリアの予測通り、破片はそれぞれが幼い少女の形に形成される。

 少女たちは四人が、バイオレット色のクルッとした巻き髪に褐色の肌、真珠色の瞳をしていた。
 残りの四人が、マスカット色のセミロングに白い肌、ワインレッドの瞳をしている。

「アレ。今回も四人ずつ、肌や髪の色、瞳の色まで違うよ。どうしてだろう?」
「剣を振るったのは、ご主人サマじゃぞ。妾が知るワケなかろう?」

 八人に分かれた少女たちは、同じ八つ子のマイーンたちと同じく、見た目は十歳くらいに見えた。

「念のために、大量に服を用意しておいて……」
「正解でしたね、姉さま」
 リーセシルとリーフレアが、事前に用意していた服を八人の少女に着せる。

「……実際、この目でみるまでは半信半疑であったが……」
「本当に『魔王』が『少女』の姿となって、生まれ変わるのだな」
 然しもの『天才軍略家』や『麗しの女将軍』も、このときばかりは驚嘆の声を上げた。

「なんだか可愛らしいのが、いっぱい生まれちまったな、舞人」
「だ、誰のせいで、こうなったと思ってるんですかぁ。面倒見るのボクなんですよ!」
 舞人の、赤毛の英雄に対する尊敬の念も、少なからず揺らいでいる。

「ルーさまぁ、大好き好きィ~ミル♪」
「なんか、良い匂いがするでござるレヌ~♪」

「遊ぼ、遊んでちょんまげ~ミル♪」
「かくれんぼなど、いたしましょうぞレヌ~!」

 幼い八つ子たちは、ルーシェリアの体で『かくれんぼ』を始めてしまった。

「こ、これ、止さぬか。ジャレ付くで無いわ!」
 少女たちは、ルーシェリアのゴスロリ風スカートの中にまで潜り込む。
「ニャニャア、スカートの中に隠れるで無い。そ、そこは……ああん!」

「……」
 蒼髪の少年は、釘付けになって生唾を飲み込んだ。

「なに鼻の下伸ばしてんのよ、舞人!」
「ひだだっ……別にそんひゃんじゃ」

 因みに八つ子は、『バイオレット色のクルッとした巻き髪・褐色の肌・真珠色の瞳の四人』が、語尾に『ミル~』と付けるのが口癖らしい。

「そんじゃ、お前らは今日から『ミラーラ』、『ミリーラ』、『ミルーラ』、『ミレーラ・ヒムノス・ゲヘナス』でいいか?」

「ハナマルおっけ~ミル~♪」
「問題なっしんぐミル~♪」
「バッチグゥ~ミル♪」

「妾を口説こうとしたときの、『痛々しいギャグ言葉』はそのままなのじゃな……」
 ルーシェリアは、過去の遺恨をまだ根に持っているようだった。

「で、お前らが『レナーナ』、『レニーナ』、『レヌーナ』、『レネーナ・ヒムノス・ゲヘナス』な?」
 『マスカット色のセミロング・白い肌・ワインレッドの瞳の少女たち』が、一斉に頷く。

「だいじょうぶでござるレヌ~♪」
「問題ござらんレヌ!」
「いさい承知レヌ!」

「なんかこっちの四人は、古風な喋り方をするなあ」
 舞人は四人のセミロングの髪を、ポニーテールに結んだ。

「この魔王、オレと戦り合ったときは、『武人』みて~な性格だったからな」
「彼女たちの肌や髪の色が、二つに分かれてる理由が……」
「解った気がするわ」

 顔を見合わせる、赤毛の少女と皇女と、パッションピンク色の髪の少女。
武人とチャラ男の二つの顔を持ったストーカー魔王は、その性格ごと分断されていた。

「これでは、サタナトスの情報は得られそうも無いな……」
「確かにこの幼さでは、厳しいか。我が部下の苦労も、水泡に帰した様ですね」
 グラーフル公と、プリムラーナ女将軍も、同じく深いため息を付いた。

「ありゃあ、マズイことになっちまったな。どうすっかな?」
「どうすっか……じゃ無ぁい!」
 幼馴染みの悪戯に呆れる、カーデリア。

「アンタって奴は、昔からホンット悪戯好きなんだから」
「シャロリュークさまが!?」
「そ、そうなんですか?」

「人のスカートめくるわ、パンツ下ろすわ、どうしようも無い悪ガキで……」
「ええッ!?」
「パンツまで下ろされたんですか!?」

「……し、しまッ!?」
 つい余計なことまで、口走ってしまう。

「こ、子供の頃の話よ。誤解しないでよね、レーマリア、パレアナ!」
 皇女殿下や栗毛の少女の前で、顔どころか耳たぶまで真っ赤になるカーデリアだった。

 

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