ラノベブログDA王

ブログでラノベを連載するよ。

王道ファンタジーに学園モノ、近未来モノまで、ライトノベルの色んなジャンルを、幅広く連載する予定です

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

一千年間引き篭もり男・第01章・02話

錬金術は実在する 「前にもこんなの……あったよね。キミはどうして、ボクなんかに……?」 予想通り返事は無かった。 四つに分かれた黒髪が、ボクの膝の上に零れ落ち、甘いシャンプーの香りを漂わせる。「この香り……あの時と同じだ……」 ボクは、自分と時澤 黒乃…

萌え茶道部の文貴くん。第三章・第一話

廃部勧告 それは、当然の結果として、起こるべくして起こった。 『部室棟の解体通告』及び、『所属クラブの廃部通知』が突然、オワコン棟の各部活に突きつけられたのだ。それに納得の行かない住人たちが、大挙して茶道部の部室入り口に押し寄せたのである。 …

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・4話

力の魔王にして恐怖の魔王 夜になって、一行は砂漠の中心でキャンプを張った。 「灼熱砂漠と言えど、夜は冷えるねえ。オレ、ちとションベンしてくっから、お前らもあそこの岩陰辺りで済ませて来いよ?」 食事を終えた赤毛の英雄は、二人の少女騎士に向かって…

一千年間引き篭もり男・第01章・01話

引き籠りと女子高生 「……いつからだろう? 学校に行くのが……社会へと出るのが怖くなったのは……」 ボクは、薄暗く小さな部屋のド真ん中に、ずっと敷たままの布団に潜り込んでいた。 『群雲 宇宙斗(むらくも そらと)』……それがボクの名だ。 両親が付けてくれ…

萌え茶道部の文貴くん。第二章・第六話

三本の神木 その場所は、ちいさな公園のようになっていて、土がこんもりと盛り上がり、三本の木が雄大に伸びていた。 「何でもココ、古い時代には古墳だったらしいよ。ホラ、そこの立て札に書いてあるだろ?」「え~っと、なになにッス? 昔、古墳だったとこ…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・3話

二人の少女騎士 シャロリューク・シュタインベルグは、可憐なる女将軍・プリムラーナ・シャトレーゼによって遣わされた二人の少女騎士と共に、王都に向け馬を走らせる。 「シャロリューク様……カーデリア様を置いて来てしまって、よろしかったのでしょうか?…

萌え茶道部の文貴くん。第二章・第五話

翡翠色の信楽焼き 「滝川一益って武将なんて、戦の褒美に上野(こうずけ)一国と信濃の一部を与えられたんだけど、名物の茶器(珠光小茄子)の方が欲しかった……って嘆いたくらいなんだ」「す、凄いッスね、茶道具って……ハッ! これから買いに行くのも抹茶茶…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・2話

調査報告 夜が明け始めた頃、双子姉妹は疲労困ぱいで小領主の城に戻って来た。 二人で軽くシャワーを浴び、妹の血を洗い流す。体だけ拭くと、裸のまま一つのベッドに潜り込んだ。 「リーフレア……ごめんね。痛かったでしょ?」「いいえ、姉さま……わたしの油断…

萌え茶道部の文貴くん。第二章・第四話

大須商店街 次の日は日曜だった。 渡辺は、茶道部に入部はしたものの、あまり茶道に詳しそうではない絹絵に声をかけていた。名古屋のアキバと言われる『大須商店街』に出かけ、抹茶茶碗の一つでも見繕ってやろうと思ったのだ。 「あ、ご主人サマ!」 絹絵は…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・1話

人間と魔族 舞人はルーシェリアと、『新たに生まれた双子の少女』を伴って、教会に帰還を果たす。 教会の正門には栗色の髪の少女が、心配そうな表情を隠しながら待っていた。「もうッ! どこ行ってたのよ! 街の中心が炎に包まれて、大変だったんだから!!…

萌え茶道部の文貴くん。第二章・第三話

新入部員 部室入ると、なにがあったか興味深々といった表情の橋元が、待ち構えていた。 「あっ、橋元先パイ、これからお世話になるッス! 自分は下っ端なので、何なりとお申し付けくださいっす!」田城 絹絵は、ペコリとお辞儀をする。 橋元は返事もせず、渡…

ある意味勇者の魔王征伐~第4章・12話

死霊の王の末路 舞人は、『おかしなパーツがゴテゴテ付いた剣』を、双子姉妹の前にかざした。 「この剣は、露店武器屋のオヤジから、店ごと武器を買ったときに付いて来たんだ」「わたしも、その剣に何か感じたんだ。微かな歪みっていうのかな?」 最初に露店…

萌え茶道部の文貴くん。第二章・第ニ話

茶道部の新入部員 渡辺は、抹茶茶碗を洗ってスチール棚に戻すと、美少女フィギュアを中に入れ飾る。 「喜べ、渡辺!」更にしばらくすると、橋元が何時ものように慌しく入って来た。 渡辺は既に気を取り直し、心の襟を正しており、橋元の分の抹茶を用意してや…

ある意味勇者の魔王征伐~第4章・11話

ジェネティキャリパー 燃え盛る街に、群がるゾンビや、スケルトン。 死霊の王は、配下のアンデット軍団が舞人たち相手をしている間に、長い詠唱を必要とする『高位暗黒魔法』を唱え始めた。 「マズイよ、舞人くん! このままじゃ、とんでもない魔法が来ちゃ…

萌え茶道部の文貴くん。第二章・第一話

雨の日の部室 次の日は、雨だった。梅雨入り間近というコトもあり、ジトジトと長く降り続きそうな予感がした。 午前中の授業を終え、午後の睡魔を何とかやり過ごした渡辺は、旧部室棟に向う。「イヤな雨だな。ただでさえ憂鬱なのに、こんな日は……」命運が尽…

ある意味勇者の魔王征伐~第4章・10話

溢れ出す死者 「こっちだ、がい骨! ボクに追い付けるかな!?」 舞人は、リーセシルたちから敵の目をそらすために、駆け出した。 「久々の地上よ。直ぐに遊び相手が居なくなっては、詰まらん。お前たちには、たっぷりと時間をかけて絶望を味あわせてやろう…

萌え茶道部の文貴くん。第一章・第三話

オワコン棟のキワモノ部 茶道部・審判の日は、突然に訪れる。 状況が一変したのは、タヌキを助けた次の日の昼だった 「おいおい、マジーぞ、渡辺! 旧部室棟が、取り壊される事が決まっちまった! 入ってる部活はあまり活動実績もね~部活ばかりだから、全部…

因幡 舞人制作過程005

因幡 舞人 『ある意味勇者の魔王討伐』より。 因幡 舞人です。 なんとかこれで完成ですが、剣(ジェネティキャリパー)はまだ持たせてません。今後、追加するかも知れません。 ラノベブログ ブログで、ラノベを連載する企画は、ラノベブログという言葉を、世…

ある意味勇者の魔王征伐~第4章・9話

ある意味勇者の誕生 「……キ、キミたちが、覇王パーティーのリーセシルと、リーフレア?」 舞人の前に立っていたのは、みずぼらしい田舎娘ではなく、覇王パーティーが誇る双子司祭だった。 「そうだよ。今回は秘密の捜査でキミを……ムゴォ!?」 妹は、咄嗟に…

萌え茶道部の文貴くん。第一章・第二話

文貴と狸 その日の帰り道、渡辺 文貴は駅までの通学路を自転車で降っていた。 『愛理大学付属名京高等学校』は、小高い丘の上と下の二箇所に校舎が建っている。 渡辺の通う校舎は丘の上にあり、下校時間には夕焼けで紅く染まる名古屋の街が一望できた。 「こ…

ある意味勇者の魔王征伐~第4章・8話

幼なじみと漆黒の髪の魔王 双子司祭が、『死霊の王』と名乗るアンデッドと戦っていた、調度その頃……。 「もうッ、暴れないでよ! 子供じゃないんだからぁ!!」 パレアナは、舞人から奪い取った漆黒の髪の少女を、教会の風呂に入れていた。 「どうして『闇の…

萌え茶道部の文貴くん。第一章・第一話

萌え茶道の極意 茶道とは~『侘び・寂び・萌え』の三つの要素を、取り入れなければならない。 「これは、我が『愛理大学付属名京高等学校・茶道部』の究極の教えなのだッ!」 愛知県のそこそこのレベルの大学に付属した、今どき珍しいマンモス高校。 「……い…

ある意味勇者の魔王征伐~第4章・7話

死霊の王 遠くで立ち昇る煙に、恐怖と混乱で逃げ惑う人々の悲鳴が混じって聞こえる。 「一体、何が起きたの。リーフレア!?」「わかりません! でも、この魔力……まさか、あの少年のモノなのでしょうか?」 双子は顔を見合わせたが、その『答え』はすぐに不…

ある意味勇者の魔王征伐~第4章・6話

蒼い髪の少年と双子姉妹 舞人が市場までやって来てみると、瓜二つな顔の少女が二人ゴソゴソと、『因幡 舞人・武器屋』のあった辺りをイジくり回していた。 「……え~っと、キミたちここで何をしてるのかな?」「ふぎゃあああぁぁーーーッ!?」「わたし達は決…

ある意味勇者の魔王征伐~第4章・5話

ルーシェリア・アルバ・サタナーティア 「このコが、魔王ってさ? 本気で言ってるの……舞人?」 ……と言いつつも、パレアナの関心は既に、舞人の連れ帰った『魔王らしき少女』に移っていた。「確かに瞳は紅いし、信じられないくらい綺麗な肌に、綺麗な黒髪ね」…

ある意味勇者の魔王征伐~第4章・4話

ニャ・ヤーゴ会議の行方 背の高い椅子が並べられた、ニャ・ヤーゴ城の会議室。グラーク・ユハネスバーグが口を開いた。 「シャロリュークよ、『謎の剣』について調査を依頼したい。『消えた魔王』に関わりがあるとなれば、急を要する。無論、貴殿は名が知れ…

ある意味勇者の魔王征伐~第4章・3話

謎の剣と少年と消えた魔王 時間は遡る。 小都市に過ぎないニャ・ヤーゴにしては、立派だと評判の城の最上部にある『小領主の間』。ヴァカンベル平原で約束された『軍議』は、その日の夕刻に始まった。 「ねえ、シャロ。今回の魔王が消えた件、どう思う?」 …

ある意味勇者の魔王征伐~第4章・2話

少女の想いと舞い戻った少年 既にパレードは、『小さな街の軍隊』へと差しかかっていた。 「ウチの弱小軍隊も、無事に戻って来れたんだねえ?」「そうでも無いわよ。今回の戦で生き残ったのは、三分の一にも満たないんだって!」 人ごみの中から、戦勝パレー…

ある意味勇者の魔王征伐~第4章・1話

英雄たちの凱旋 その日、ヤホーネスの小さな街『ニャ・ヤーゴ』は、歴史の中で一番に賑わっていた。 小さな街のこじんまりとした大通りには、大勢の人が繰り出し溢れんばかりに繰り出している。原因は、その日に行われた『戦勝記念のパレード』であった。 八…

ある意味勇者の魔王征伐~第3章・8話

グラーク司令官とプリムラーナ将軍 崖の上には、魔王の城を構成していた瓦礫の山が、大量に積みあがっていた。 「ふ~、やれやれだわ。アンタのマッチョも、たまには役に立つのね~?」「ウッセーよ、カーデリア。それよか、外の戦況はどうなった!?」 直ぐ…