ラノベブログDA王

ブログでラノベを連載するよ。

王道ファンタジーに学園モノ、近未来モノまで、ライトノベルの色んなジャンルを、幅広く連載する予定です

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

一千年間引き篭もり男・第08章・18話

シュガール 深淵の闇へと続くセノーテ予定地の天井に、輝く蜘蛛のような複眼。やがてそれは複数現れ、徐々に巨大になり、ボクたちの前に降り注いだ。 「うわ、なんだ!」「新たな敵か?」「まだ他に、潜んでやがったのか」 セシル、セレネ、セリス・ムラクモ…

この世界から先生は要らなくなりました。   第10章・第10話

正論 「卯月さんも、花月さんも、由利さんも、ボクの最初の教え子だった。教育実習での、たった3週間の期間ではあるんだがな」 ボクはやはり、教え子たちがイジメを行うとは信じたくなかった。 「で、ですよね。3人ともキレイで、明るくて、リーダーシップ…

キング・オブ・サッカー・第8章・EP019

戦術論 「お前の情報が正しいのであれば、ウチがお前の姉の事件について、多少なりとも関わっていると言うのは事実なようだな」 エトワールアンフィニーSHIZUOKAのオーナーは、また新たな難題を抱え込んだ。 「アンジェの揺すられた原因が、エトワー…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・26話

研究所区画 「これはウワサに違(たが)わぬ、蔵書の数だね。重機構天使(メタリエル)の研究もしたいところだケド、遍(あまね)く知識を前に難しい選択を迫られるよ」 海底図書館の背の高い本棚に囲まれた、リュオーネが言った。 「気に入ってもらえて何よ…

一千年間引き篭もり男・第08章・17話

奪還作戦 本来のセノーテは、美しい水を貯えた地下の泉である。石灰質の岩盤が水によって浸食され生成された地底湖の、天井が崩落して地上に顔を出すのだ。 「キレイなトンネルだな」 ケツァルコアトル・ゼーレシオンの優秀なカメラアイが、ボクの脳にフラッ…

この世界から先生は要らなくなりました。   第10章・第09話

要らなくなった義務教育 教師を目指していた大学時代、先生の卵だったボクは教育実習生として、とある私立中学に赴任した。 「あ、今度の教育実習の先生、若くて可愛いジャン」「そうかァ。なんだか、頼り無さそうだぜ」「ホント、ホント。この時代に教師に…

キング・オブ・サッカー・第8章・EP018

戦う決意 「合理主義者である、アナタらしい考えですね、壬帝オーナー」 ロランさんが、目の前い座る男に言い放つ。 「ですが買収に憤(いきどお)ったのは、オレや昔のチームメイトだけじゃ無かったんですよ」「フン。別に誰が憤ったところで、知ったコトで…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・25話

海底図書館 「もはや、人間としか思えないね。このコが、本当に重機構天使(メタリエル)なのかい?」 ヤホーネス王国が誇る大魔導士が、1人の少女を前に訝(いぶか)し気な顔を浮かべていた。 「ホントだよ、大魔導士サマ。なんでも、他の重機構天使の配下…

一千年間引き篭もり男・第08章・16話

テスカトリポカ・バル・クォーダ 天井を支える網目状の構造物の隙間から、セノーテの巨大な水槽の底辺が覗いている。周りを見渡すと、円形の巨大な空間の壁に、トンネルらしき穴がいくつも空いていた。 「この先が、新たなセノーテの予定地ですか?」 ケツァ…

この世界から先生は要らなくなりました。   第10章・第08話

イジメっ子の正体 「ど、どうして、そんなコトになったんだ。ホントの犯罪者じゃないって、わかってたんだろ?」 ライオンのようなタテガミ金髪の少女が、ボクに問いかけた。 「そうだ、レノン。看守役の人間たちも、とうぜん犯人役の人たちがただの一般人だ…

キング・オブ・サッカー・第8章・EP017

真犯人 「別に、アナタの妹が犯人だなんて言ってませんよ。ただ、自殺の大きな要因の1つだったコトは、間違いありませんがね」 ロランさんが言った。 「壬帝 輝世嵐(みかど きせら)は、犯人じゃないっていうのか?」「直接の原因じゃないって、意味ではね…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・25話

どうしようも無い道楽者 その日、復興途中の海底都市カル・タギアの中央広場にて、同国と地上の国ヤホーネス王国との同盟締結と、航路開設の調印式が行われた。 「海皇さまが居なくなって、海の女王さままで亡くなられちまって、不安だったケド……」「これで…

一千年間引き篭もり男・第08章・15話

ジャガーグヘレーラー 「この翼は、飛べるんですか?」 ケツァルコアトル・ゼーレシオンと一体となったボクは、背中に着いた翼の生えた蛇を確認する。 「飛べるっつっても、滑空程度だがな。ま、翼自体に強度と防御性能があるから、盾としても使えるぜ」 ゼ…

この世界から先生は要らなくなりました。   第10章・第07話

あってはならないモノ 「あってはならないモノ……か」 クララの言葉を反復したボクの口から、ため息が漏れ出る。 「イジメは無いって、結論ありきの指標ってコトね」 栗毛の少女が、ボクに反抗するように言った。 「そう。教育関係の偉い人たちにとっては、イ…

キング・オブ・サッカー・第8章・EP016

事件の真相 エトワールアンフィニーの練習場に、隣接した駐車場のアスファルトは、春の陽気で熱くなっていた。ボクはそこで、ボクとウリ2つのロランさんと再会をする。 「ロラン。お前はチームを抜け出すために、影武者まで用意していたとはな」 そこに、若…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・24話

桟橋(さんばし) バルガ王の操るスグアバ号は、風を切りながら海面を飛ぶように走り、カル・タギアへと到達する。海にポッカリと開いた穴から、海底都市の港へと降りて行く波鎮め号(ウェーブスイーパー)。 「航路については、この船じゃなんの参考にもな…

一千年間引き篭もり男・第08章・14話

ケツァルコアトル・ゼーレシオン 「お前たち、ケガはもう大丈夫なのか?」 9人の孫娘の、身体を心配するドス・サントスさん。 兵員の待機室の向こう側にあった、治療室のカプセルベッドに横たわる9人の娘たち。それからボクもDNA鑑定を受けた結果、9人…

この世界から先生は要らなくなりました。   第10章・第06話

レノンとアリス 余りに突然の、宣告だった。クララの言葉を聞くまで、試験の結果が悪くても、クビにされるのは自分1人だと思っていたボク。 「ホ、本当なのか、クララ」「どうやらって、言ったでしょう。残念ながら、久慈樹 瑞葉の心の内まではわからないケ…

キング・オブ・サッカー・第8章・EP015

ロランの帰還 倉崎さんが静岡に来てから、5日が経過していた。今ボクは、空の彼方に浮かぶ雲を眺めながら、オリビさんの軽自動車で練習場へ向かっている。 「相変わらず無口だな、キミは。それにしても、よく練習に付いて来れてると感心するよ」 運転席に座…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・23話

美少年のウワサ 「へへへ。あの真ん中の美人が、エレクトラさんなんだがよ」「ペイトー女王とは幼馴染みで、だから女王に絶対の忠誠を誓ってるんだ」 茹でダコのような顔をした、男のマー・メイディアたちの口が勝手に動いた。 「それにしたってよ。子供が何…

一千年間引き篭もり男・第08章・13話

3姉妹の娘たち 3人のショチケが、カプセルベッドから上半身を起こし、紫色の瞳でボクを見つめている。彼女たちの褐色の手脚や身体には包帯が巻かれ、負傷しているのが見て取れた。 「ショチケは、どうした」「死んじまったよ。今は、このセノーテの底に眠…

この世界から先生は要らなくなりました。   第10章・第05話

絶望 久慈樹社長の見解は、旧来の義務教育や学校の体制では、新たな情報社会で世界の企業を相手に戦う、人材は生み出せないというモノだった。 「ユミア。もちろんキミにも、テストには参加してもらう」「わかっているわ。わたしだって、先生の天空教室の1…

キング・オブ・サッカー・第8章・EP014

3人の少女たち ロランが消息を絶ったと言う情報は、キャプテンである雪峰を経由してデッドエンド・ボーイズのメンバーたちへと拡散され、かなりのスピードで伝わった。 「ロランさんが、駅前のビジネスホテルから消えたって、ホントか?」 紅華が黒浪を引き…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・22話

諜報活動 夜が訪れ、盛り場へと変貌したカフェには、酒の香りが漂う。中庭には小さなステージがあって、音楽を奏でるマー・メイディアたちのムーディーな楽曲に合わせて、美しいダンサーのマー・メイディアたちが踊り始めた。 「大きな漁村みてェなカル・タ…

一千年間引き篭もり男・第08章・12話

3姉妹との再会 「どうか、安らかにお眠り下さい。ミネルヴァさん……」 僅かな期間とは言え、共に地球に降り死線を潜り抜けた、クワトロテールの女性に思いをはせる。 「……ん?」 セノーテの深淵に消えたミネルヴァさんの髪飾りが、一瞬だけ光ったような気が…

この世界から先生は要らなくなりました。   第10章・第04話

ゲームのルール 「ねえ、先生。ハバツなんちゃらって、なんだ?」 ライオンのタテガミのような金髪の少女が、問いかけて来た。 「派閥闘争だよ、レノン。会社内で権力を持った人間が、より権力を強めるために自分と意見の合う人間を周りに置き、派閥という名…

キング・オブ・サッカー・第8章・EP013

事件の深淵 「もう1つ、聞いておきたいコトがあるんです」 ロランが、言った。 「わたしもアンがどうして死んじまったか、答えが欲しかったんだ。1つだなんて言わず、ドンドン聞いてくれて構わないよ」「ご飯、おごってもらっちゃってるしねェ~」 ウィン…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・21話

恋人探偵 「お客様。鎧を着たままでのご入店は、お断りしております」 海底の街のカフェで、スマートな衣装に身を包んだ男のマー・メイディアが小さく頭を下げる。 カフェとしては高級感の漂う店は、夜になると酒を提供する盛り場へと変貌し、マーメイドスタ…

一千年間引き篭もり男・第08章・11話

生命のセノーテ 吹き抜けの天井から、暖かな日差しの降り注ぐセノーテの底の噴水。黒い雲に覆われた地球の空から、太陽の光が差し込むコトなど無く、人工的な光に過ぎなかった。 「そうだぜ。行動を起こすには、今しか無ェ」 メルクリウスさんの問いに、頷(…