ラノベブログDA王

ブログでラノベを連載するよ。

王道ファンタジーに学園モノ、近未来モノまで、ライトノベルの色んなジャンルを、幅広く連載する予定です

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

この世界から先生は要らなくなりました。   第03章・第21話

二つの悪い話 ボクたちは閉ざされたドアの前で、しばらく立ち尽くしていた。 「先生、もう行こうよ。タリアが帰って来るとは思えないし」「レノンは、どうしてそう思うんだ?」「昔よく、一緒につるんでたからね。アイツの性格は知ってるんだ」 「誰が性格を…

一千年間引き篭もり男・第05章・06話

ランチタイム 「身体チェックとなると、男のボクが居ない方がいいのか?」 『いいえ。服を脱ぐ必要もないので、問題はありません』 隣を浮遊する、ベルダンディが言った。 「ところで、群雲艦長。この艦には、街が存在すると仰いましたよね?」「ええ。二十…

萌え茶道部の文貴くん。第七章・第九話

最後の客 客の姿もまばらとなった、学園祭・リベンジの会場。他の屋台や出し物も、既に後片づけに入っていた。 「祭りも……もう終わりか」「寂しい、フーミン?」「そりゃ、みんなで頑張って企画した学園祭ですからね……」 オレンジ色の証明が照らす二枚の畳。…

ある意味勇者の魔王征伐~第8章・8話

燃え堕ちる王都 「なんだとォ、雪影……テメェ~!」 嫌味を言われ、腹を立てた赤毛の少女が見上げる。 「王都に向かって、グラーク・ユハネスバーグ率いるオフェーリア軍が動いている」 白紫色の髪の剣士は、意に介さず状況を伝え始めた。 「魔物の軍隊は、天…

キング・オブ・サッカー・第ニ章・EP002

河川敷の決闘(デュエル) ボクは雪峰さんを伴って、河川敷の練習場に向かおうとする。 ウチの高校からは近い、河川敷の練習場。でも、雪峰さんの高校からは、まあまあ離れてるよな。 ボクが不安を感じながら歩き出すと、雪峰さんは付いて来てくれた。バスを…

この世界から先生は要らなくなりました。   第03章・第20話

穴だらけのドア ライアは自分の父親を、『この世で最も軽蔑している』と言った。 彼女の父親は死んだと思ったのは、ボクの勝手な勘違いに他ならない。少し恥ずかしい気分になっていると、自分の気持ちに素直な少女が言った。 「ゴメ~ン。アタシてっきり、ラ…

一千年間引き篭もり男・第05章・05話

ペンテシレイア 「ブリッジは、プリズナーに任せるよ」「オレなんかでいいのか、艦長?」 『彼はあまり、適任とは思えません』 フォログラムの女神が反対した。 『人間の不可解な感情である、野心が極めて高く感じます』「本当の野心家なら、そう思わせない…

萌え茶道部の文貴くん。第七章・第八話

祭りの終わり 工事用の足場に包囲され、切羽詰まったオワコン棟。その最後の雄姿を背に、学園祭・リベンジは華やかに進行して行った。 茶道部も二畳の畳を持ち出して、抹茶茶屋風の屋台を出店している。 「橋元。お客様が待ってるんだから、もっと急いで!」…

ある意味勇者の魔王征伐~第8章・7話

急報 「ボクたちは残って、もう少しこの村を調査しようと思います」「妾も、付きおうてやるとするかのぉ」 新設された遊撃騎士団の、隊長と副隊長が言った。 「ならばミーたちも、手伝うミル」「拙者共も八人となり、頭数は増え申したレヌ」 元・力の魔王に…

キング・オブ・サッカー・第ニ章・EP001

エリート学園 「北畠科学情報学園……か」 ボクはソファに座って、倉崎さんのノートに目を通す。 テレビの画面では、倉崎さんのデビュー後二試合目が行われていた。横浜のチーム相手の、アウェー戦だ。最初の一点は、倉崎さんが決めている。 「どうしたの、カ…

この世界から先生は要らなくなりました。   第03章・第19話

正義と力 ライアも、大切な人を亡くしていたのか。 ユミアは、兄である倉崎 世叛が病死している。タリアは、教師だった父親が自殺をしていた。 親族を亡くした少女が三人。キアも、父親が失職してアルコールの溺れ、大変そうだ。 ……やはり、意図的に問題を抱…

一千年間引き篭もり男・第05章・04話

英雄の提案 「わたしは、トロイア・クラッシック社の代表として提案する」 MVSクロノ・カイロスの艦橋に出現した、巨大スクリーン。向かって右側に映っていた英雄が消え去り、左側の英雄がフルスクリーンとなる。 「一度、貴艦に我が社の者を派遣したいのだ…

ある意味勇者の魔王征伐~第8章・6話

死者への手向け 村に戻ると夕日が沈みかけ、辺りは暗闇に覆われようとしていた。その夜、一行は崩れっ去った教会の地下室に宿泊する。 「シャロリュークさん……」 蒼い髪の少年は、俯いたまま呟く。 「この村……どうなっちゃうんですか?」「そうだな。子供た…

キング・オブ・サッカー・第一章・EP020

次のターゲット 「随分と要求値高いな、アンタ」 それは、小さな児童公園での出来事だった。 「不服か?」「イヤ……むしろその方が、やる気になるってモンよ」 紅華さんは二~三歩前に進むと、倉崎さんが差し出した右手の前に立つ。 「……んで、コイツの言って…

この世界から先生は要らなくなりました。   第03章・第18話

命の価値 「ユミアの様子は……どうだった?」 色々と塞ぎこむ理由のある女子高生の状況を、三人に尋ねる。 「夜中に帰って来てから、ベットに入ってすぐに寝ちゃってたよ?」 あまり観察力が高く無さそうな、レノンが言った。 「ユミア、何かあったの?」「何…

一千年間引き篭もり男・第05章・03話

疑念 MVSクロノ・カイロスの艦橋にて、ボクは……。 「どうだろうか、若き艦長。我がトロイア・クラッシック社と業務提携を結べば、貴艦にとっても多くのメリットがある。悪い話ではないと思うが?」 二つの軍事企業の代表と、交渉を続けていた。 「ボクは、冷…

萌え茶道部の文貴くん。第七章・第七話

大盛況 文化祭・復讐劇は晴天に恵まれ、多くの来客でごった返していた。 「今日はスゴイ人だかりですね、先パイ」「そうね、フーミン。あの屋台で何か買っていきますか?」 千乃 美夜美の繊細な指が、一条 明美の屋台を指さす。 「さあさ、よってくアルよ~♪…

ある意味勇者の魔王征伐~第8章・5話

救えなかった命 「フン、口程にも無い」「我らの敵では無い」 村人を殺したところで、元・死霊の魔王である彼女たちにとっては、何ら心を乱すモノでは無い。 ……だが、その『主』は違った。 「止めるんだ、ネリーニャ、ルビーニャ!」 猫と牛の首を落とされた…

キング・オブ・サッカー・第一章・EP019

エル・マタドール(闘牛士) 「じゃあ行くぜ!」 紅華さんはダラリと右腕を下げると、ボクを抜きにかかる。 ボールに触る回数が多い……厄介なドリブルだな。ボールタッチが多ければ、それだけ方向を変えるタイミングが増える。 「オレの本気がどれくれェか、…

この世界から先生は要らなくなりました。   第03章・第17話

動画の未来 ボクは午後からの授業の為に、身支度を整える。 「もっとも、いきなり解雇通告を出されても、おかしく無い状況ではあるが……」 けれども解雇するかどうかを決めるのは、幸いボクの仕事ではない。 「クビにならずに済む可能性も無くはないが、希望…

ある意味勇者の魔王征伐~第8章・4話

アメーバ 「……こ、ここが、サタナトスの……住んでいた部屋!?」 舞人は、チャラ男と武人の八つ子に問いかける。 「そ~だと言ってるミル」「間違いござらんレヌ」 部屋は、巨岩を繰り抜いて作られていた。 「なら、探るしかねえな。油断すんなよ、お前ら!」…

一千年間引き篭もり男・第05章・02話

交渉 「それはどう言う意味だ、プリズナー」 「決まってんじゃねえか、艦長」 ボクの問いかけに、囚人の名を持つ男はほくそ笑みながら言った。 「お前は今、最強の艦を手に入れたばかりか、この宙域最強の二大軍事企業の誇る二個艦隊を、その手中に掌握して…

萌え茶道部の文貴くん。第七章・第六話

学園祭・復讐劇(リベンジ) その日は、時期外れの文化祭が開かれていた。 去年、火事で出来なかった文化祭を改めてやろうと、渡辺が提案したのだ。 当初は、『オワコン棟の最後を飾るイベント』として、企画される。けれども、オワコン棟に所属しない一般の…

キング・オブ・サッカー・第一章・EP018

児童公園での決戦 「お前、この名刺……」 倉崎 世叛の名が記された名刺を、訝しげに眺める紅華さん。 「勝手に偽造したんじゃないだろうな?」『ブン、ブン!?』 思いっきり顔を横に振った。 「お前、見た目はイケメンなのに、中身はかなり残念なヤツだな」 …

この世界から先生は要らなくなりました。   第03章・第16話

ストリーミング動画の革新 『今、久慈樹社長は、あらゆるジャンルの動画に……と仰いましたが、具体的にはどんなジャンルをお考えですか?』 アメリカ人の記者が英語で質問すると、直ぐに自動翻訳の字幕が流れる。 『そうですね。今考えているのは、報道系のチ…

ある意味勇者の魔王征伐~第8章・3話

地下祭壇 「ここが、秘密の入り口ミル~♪」「異教徒には反応しない、魔法がかけてあるミルゥ~♪」 バイオレット色の巻き髪に、褐色の肌の四人の少女たちが、地下へと続く秘密の階段を自慢する。 「ボクたちからすれば、異教徒はお前たちの方なんだケド」「そ…

キング・オブ・サッカー・第一章・EP017

もう一枚の名刺 うう……なんか気マズイ。 フードコートの席に、紅華さんと向かい合って座る。ボクは袋から、ツナパンと炭酸水を取り出し食べ始めた。 「湿気たメシ、喰ってんな。ま、オレも似たようなモンだがよ……」 アレ、そうなのか?ボクはいつも、ツナか…

一千年間引き篭もり男・第05章・01話

接触(コンタクト) MVSクロノ・カイロスは、漆黒の宇宙を航行し続けていた。 周りを取り囲むように、何隻もの赤い戦艦や蒼い空母が、規律正しく並んで追従している。 「ヤレヤレ、まるで生まれたてのヒナ鳥みたいだな」「この艦を、親と認識しちゃってるん…

萌え茶道部の文貴くん。第七章・第五話

金継ぎ 「ホンットにゴメン。オレ、なんか勘違いしてて!?」 絹絵たちの裸を覗いてしまった渡辺は、ただひたすらに謝る。 「み、見てないから。ぜんッぜん見てないから!」「ごご、ご主人サマぁ!」 中から聞こえてくる絹絵の声は、恥ずかしさで震えていた…

この世界から先生は要らなくなりました。   第03章・第15話

伝説の記者会見 ボクは新聞を投げ捨て、慌ててテレビとゲーム機のスイッチを入れる。 パソコンが苦手なボクのために、友人が組んでくれたネット動画を見るシステムだ。中古のテレビとゲーム機に光回線を繋いだモノで、番組も録画だけなら可能だった。 ストリ…