ラノベブログDA王

ブログでラノベを連載するよ。

王道ファンタジーに学園モノ、近未来モノまで、ライトノベルの色んなジャンルを、幅広く連載する予定です

この世界から先生は要らなくなりました。

この世界から先生は要らなくなりました。   第02章・第20話

二組の双子 ボクの先生デビューは、微妙な空気感のもと終わった。 「果たして、彼女たちは納得してくれたのだろうか……」 自分の授業を終えると、生徒である少女たちの顔を見渡してみる。 「今日の授業は、これで終わりです。なにか解らないことがあれば、ど…

この世界から先生は要らなくなりました。   第02章・第19話

メリー先生 「モノは試しだ。まずはレノン……どの辺りから解らないんだ?」 「どこって言われても……方程式くらいから?」 レノンは、天井を見上げながら言った。 「けっこう初歩だが、まあありがちではあるな。アリスはどこが解らない?」「え、わたしですか…

この世界から先生は要らなくなりました。   第02章・第18話

八木沼 芽理依 新兎 礼唖は、それ以上は反論しなかった。かと言って、ボクの意見に完全に納得したワケじゃ、無さそうではあるが。 「キミたちは全員、高校二年だったな。それじゃあ授業を始める。まずは、高校二年の数学からだ」 ボクは、白板やデジタルディ…

この世界から先生は要らなくなりました。   第02章・第17話

正義の剣 ボクは、弱気になっていた。 「さて……どうしたものか」 ボクの生徒たちは、ボクをアポイントメンターとしてしか認めてないのだ。彼女たちは、完璧なユークリッド動画での授業を望み、ボクの稚拙な授業など必要としていない。 「ボクは……ボクの授業…

この世界から先生は要らなくなりました。   第02章・第16話

消え行く職業 ボクは教壇に立ち、教科書を開き授業を開始する。 「ねえ、先生。はやくどの動画を見るか、指示してよ」 レノンが言った。 「今日は、何の教科の授業をするのですか?」 ライアもボクに、質問する。 教壇の前に並べられた机には、タブレット端…

この世界から先生は要らなくなりました。   第02章・第15話

天空教室 瀬堂 癒魅亜は、マンションの自室の玄関に向かって歩き出す。 「一応言っておくケド、自分の生活力を考えて行動した方がいいと思うぞ、ユミア」 ボクは、一人じゃロクにタクシーや電車にさえ乗れない女子高生に、忠告してみた。 「余計なお世話です…

この世界から先生は要らなくなりました。   第02章・第14話

執行猶予 「わたしが……彼女たちと共に暮せと言うのですか?」 瀬堂 癒魅亜は苛立ちにまみれた瞳を、久慈樹 瑞葉へと向ける。 「そうさ。まあもっとも、キミにはアイツが遺した金やら財産やらがたくさんあるからね。そいつを使って、適当なマンションでも借り…

この世界から先生は要らなくなりました。   第02章・第13話

生徒たち 「コイツが、アタシらの先生かよ? ずいぶん、頼りなさげじゃね?」 小麦色の肌に、ライオンのたてがみのような金髪の少女が言った。 「先生、これがうちのクラスの名簿……だそうです」 瀬堂 癒魅亜から渡されたデジタル資料には、彼女たちの顔写真…

この世界から先生は要らなくなりました。   第02章・第12話

先生 幸か不幸か、ボクは瀬堂 癒魅亜と会う前に、彼女の過去についての情報を得てしまった。 「まさかユークリッドの元が、彼女がイジメられて学校に行けなくて、そんな妹を見かねた兄・倉崎 世判が立ち上げたサイトだったなんてな」 鳴丘 胡陽の言葉を信じ…

この世界から先生は要らなくなりました。   第02章・第11話

教民法の熱い時代 鳴丘 胡陽は、自分の教え子を札付きの不良と表現した。 「同級生の二人が、教育……義務教育を受けていたのは、中学の二年までだったわ」 倉崎 世判と久慈樹 瑞葉は、歳だけならボクや友人と同い年である。 「当時は、教育民営化法案が成立し…

この世界から先生は要らなくなりました。   第02章・第10話

鳴丘 胡陽 テラスは、夏の面影の残る日差しを遮るように、パラソルが咲き乱れていた。 「ボクですか? なんの用でしょうか?」「実は少し思うところがあってね。キミを、待ち伏せていたのよ」 彼女は、星座の神や英雄、聖獣がデザインされたワンピースから伸…

この世界から先生は要らなくなりました。   第02章・第09話

三人の女子高生 翌朝になった。 カーテンから漏れる暑苦しい日差しが、ボクを容赦なく叩き起こす。「今日は……いよいよ契約の日か」瀬堂 癒魅亜に会えると思うと、幾分か緊張も和らいだ。 洗面台に向かい、顔を洗って歯を磨こうとすると、歯ブラシが限界に近…

この世界から先生は要らなくなりました。   第02章・第08話

モップとはたきとヴァール 「初日から授業をしろと言われるかは不明だが、一応はカリキュラムを考えたほうがいいよな……」 けれども、不安は隠せなかった。 『ユー・クリエイター・ドットコム』……通称【ユークリッド】。この後発のストリーミング動画サイトは…

この世界から先生は要らなくなりました。   第02章・第07話

教師への道 「あの……あなたはもしかして……」 ボクは、エレベーターの中で背中を向ける、枝形さんに問いかけた。 「……兄ちゃんの想像どおりだろうな。オレは中学校で、歴史を教えていた。それが教民法のおかげで、一変しちまってよォ。多くの同僚や先輩の先生…

この世界から先生は要らなくなりました。   第02章・第06話

発見の意味 「わかったわ。また、連絡します……」 瀬藤 癒魅亜はそれだけ言うと、豪華な扉の向こうに消えて行った。恐らく扉の向こうは寝室なのだろう。黒い大理石の床に似つかわしい、天蓋付きのベットがあっても不思議ではない。 社長とのやりとりで、彼女…

この世界から先生は要らなくなりました。   第02章・第05話

亡き兄 『久慈樹 瑞葉』と名乗った男は、細い眉と切れ長の目、サラサラとした髪をしている。 「やあ、キミが癒魅亜が言っていた家庭教師かい?」 彼は見た目も若く、ボクや倉崎 世判と同年代にも見えた。 「どうでしょうか? まだ契約には至ってません」 ボ…

この世界から先生は要らなくなりました。   第02章・第04話

久慈樹 瑞葉 カーテンが勝手に開かれた窓に近づくと、そこからセレブな街が一望できた。 「スゴイな。立ち並んだ高級マンションも、公園もまるでミニチュアのようだ」 ボクは改めて、瀬藤 癒魅亜の生活レベルに驚かされる。 「そんなコトは、どうだっていい…

この世界から先生は要らなくなりました。   第02章・第03話

メロンクリームソーダ 挽き立てのコーヒーと、焼きたてのパンの香りに誘われ、ボクはカフェの中に足を踏み入れた。 渋い色のウッドデッキに、ブルーやオレンジ色の照明の光が落ちる。「ソファーもフワフワだし、コーヒーも上手い。やはりセレブな街で店を開…

この世界から先生は要らなくなりました。   第02章・第02話

セレブの住む街 ボクは、スマホに表示された『家庭教師の求人』を見て考える。 「スマホでもパソコンでも気軽に、ユークリッドのわかり易い授業を全科目、無料で見れるんだ。先生だってリストラされるご時世に、家庭教師なんて雇う家庭、かなり減ってるみた…

この世界から先生は要らなくなりました。   第02章・第01話

ボクは先生になる夢を先送りしました ボクは自宅のボロアパートへと帰宅した。 今どき四畳半の畳が、ボクを出迎える。「時代の波に抗い続けたこの畳とも、もう直ぐお去らばか」来月には隣接する道路の拡張工事とやらで、アパートの取り壊しが決まっていた。 …

この世界から先生は要らなくなりました。   第01章・第06話

タクシー 「当時は、政治家を選ぶハズの選挙が、『教民法に賛成かどうか』にすげ替えられた。どんな高潔な理想も、選挙の争点にしてしまうんだよ。政治家なんて、そんなモンさ」 ボク達は、大通りに面した居酒屋の前を通った。赤提灯が夜の闇に浮かび、中か…

この世界から先生は要らなくなりました。   第01章・第05話

教育民営化法案 「キミ、高校生だよね? その年齢でユークリッドの教師だなんて凄いな」 「何です? やっぱ、ナンパですか?」ソバージュの女の子は、そっけなく言った。「そうじゃなくて……ボクも教師を目指してるんだ。学校の教師をね」 彼女はそれを聞くと…

この世界から先生は要らなくなりました。   第01章・第04話

エンジェル・トリックブラシ ボクは駅員たちの誤解を解いた後、瀬堂 癒魅亜の通ったであろう駅の改札を出る。 ドップリと日が暮れた街は、完全に夜の帳の中にあった。 「まいったなあ。彼女がどっちへ行ったかも解らない。時間も経ってるし、当てズッポウで…

この世界から先生は要らなくなりました。   第01章・第03話

電脳世界のシンデレラ 汗ばんだワイシャツを不快に思いながら、ベンチに伏せっていると、線路がフェードアウトする暗闇に光が現れる。やがてそれは、ガタンゴトンっとけたたましい音と共に、ボクの前に流れ込んで来た。 「やれやれ、やっと来た……さて、帰る…

この世界から先生は要らなくなりました。   第01章・第02話

伝説の記者会見 「教育とは、誰にでも平等に与えられる物でなくてはならない……か」 ボクは、ユークリッドが掲げる理念を、覆せないでいた。 「元は、倉崎 世叛(くらさき よはん)の言葉だろ? 確かに名言だ」 腹を満たした友人が、気だるそうにアグラをかく…

この世界から先生は要らなくなりました。   第01章・第01話

ユークリッド ラーメン屋の醤油の香りがする暖簾を潜ると、ボクと友人はカバンを投げ出しネクタイを緩め、テーブルに置かれたお冷を口に流し込んだ。 「暑い日だな、まったく。こんな炎天下を足が棒になるまで歩き周っても、就職できる気配が一向にしないの…