ラノベブログDA王

ブログでラノベを連載するよ。

王道ファンタジーに学園モノ、近未来モノまで、ライトノベルの色んなジャンルを、幅広く連載する予定です

この世界から先生は要らなくなりました。   第02章・第19話

f:id:eitihinomoto:20190817152737p:plain

メリー先生

「モノは試しだ。まずはレノン……どの辺りから解らないんだ?」

「どこって言われても……方程式くらいから?」
 レノンは、天井を見上げながら言った。

「けっこう初歩だが、まあありがちではあるな。アリスはどこが解らない?」
「え、わたしですか!? ふ、不等式のらへんが解りません」
 アリスはオドオドしながら、答える。

「それじゃあメリー。二人を同時に見るなど、キミには造作もないコトだろう?」
「先生、そうやって挑発すれば、わたしが従うとでも思っているのですか?」
 少女は、アイボリーの髪を掻き揚げ、ボクを睨んでいる。

「もし、本気で先生が数学を教えたいのであれば、このクラスにはユークリッドの数学教師がいるではありませんか? ねえ、瀬堂 癒魅亜さん」
 メリーが視線を送った先には、髪を本来の栗色に戻したユミアの姿があった。

「そうね。だったら、わたしの動画でも見たら。もっともわたしは、高校の数学担当だから、中学は別の動画になるケド」
 ユミアはクラスメイトを、軽くあしらった。

「流石はユークリッドのアイドル教師。ずいぶんと余裕な態度ですね」
「当たり前よ。わたしは大学レベルまでの数学については、かなりのレベルでマスターしているわ」
 彼女の言葉は、恐らくクラスメイトの多くから、反感を買っただろう。

「どうだ、レノン、アリス。やはり、ユミアの動画で、学んだ方が……」
 ボクはユミアの助け舟を、有り難く使わせてもらうコトにした。

「そりゃそうだよな」「わたしも、そうします……」
「ふざけないで、くださるかしら? 自分が優れた教師だからと言ってって、人を見下すその態度……許せません」


「メリー、それお前のコトじゃん?」
「うるさい、バカライオン! わたしだって、落ちこぼれ二人くらいの面倒は見れます。それで、どこが解らないのです!!」

「え!? ……ええっと、全部」「全部ゥ!?」「そう、全部」
「いいですか、方程式っていうのは、aやb、xという不確定な数字を表す記号を使って……」
「なんで数学に、英語が出てくんだ? 数字と英語が並んでるなんて、おかしいじゃん?」

「もう、このポンコツ!! 使ってる英語は、どの数字が入るか解らないという意味です。また、その中身が何かを計算で導くのも、方程式の重要なポイントです」
「そうか。何となく、解ったような解らないような?」

「でも、何となくは解っただろう、レノン?」
 ボクは、金髪のたてがみ少女に問いかける。
「うん……今までは、ぜんぜん解らなかったケド、少しだけ解った感じ!」

「まったく……それではアリスさん。あなたはどこが解らないのですか?」
「えっと、一次式は解るんだけど……」
「なる程、この辺は確かに、わたしも苦戦したわ。えっと、まずは……」

 メリーは、レノンとアリスに数学を教え始めた。

「アリガトな、ユミア。キミに、悪役まで押し付けてしまって」
 ボクは、ユミアの席の傍らに立って話しかけた。

「いいえ……それより先生は、彼女の性格を見越していたんですね?」
「メリーは、かなりの合理主義者みたいだからね。何かを解りやすく説明する能力が、抜きん出て高いんだ。それに彼女にとっても、復習(アウトプット)になるからね」

「先生って、やはり生易しいモノでは無いですね……」
 瀬堂 癒魅亜は、顔を伏せる。
「レノンってコも、ユークリッドの動画を見てたでしょうに……」

 過去の学校教育に問題があったように、ユークリッドによる動画教育にも問題がないワケでは無かった。

「仕方ないさ。動画は、一方通行。解らなくても、質問ができるワケじゃない。キミだって直接教えられれば、レノンも理解できたハズだろ?」


「違うのよ、先生……わたしは、誰も生徒がいない教室でないと、教えられないのよ……」
 ユミアは言った。

 それからボクは、白板を使って授業を続けた。