ラノベブログDA王

ブログでラノベを連載するよ。

王道ファンタジーに学園モノ、近未来モノまで、ライトノベルの色んなジャンルを、幅広く連載する予定です

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・100話

地下闘技場の死闘の決着 クレ・ア島の周辺海域で、艦隊戦が繰り広げられる前まで、時は遡(さかのぼ)る。ラビ・リンス帝国の名前の由来となった地下迷宮では、サタナトスとミノ・ダウルス将軍による戦いが佳境を迎えていた。 「オレが、援護してやる。サタ…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第36話

少女探偵の焦燥 「吾輩は、警部に館の現場を任せて、1人で竹崎弁護士の事務所を訪れていた。主を失った建物だったが、事務所の看板はそのまま架け変えられずにいた」 舞台で、状況説明をするマドル。もう何度目かの光景であり、事件がクライマックスに近づ…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP012

2人の高校生と動画編集2 「日高グループが出て来たら、なんかマズいのか?」 動画製作会社のパソコンデスクに座った、真っ黒に日焼けした高校生が、社長に質問した。 「アホやな、お前は。相手は、日本を代表する芸能プロダクションやで。ウチなんか、比べ…

一千年間引き篭もり男・第09章・07話

ロココ様式の艦 「まるでベルサイユ宮殿にでも、来たみたいだ」 そこが宇宙空間に浮かぶ、巨大な艦の中であるコトが、俄(にわ)かには信じられなかった。 「アレは、バロック様式の建築ですわ。この艦の部屋は、全てロココ様式なのですよ」 クーリアがしっ…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・99話

海戦の決着 「野郎ども、これより撤退戦を開始する。アル・ゴゥース号が離れたら、アドゥル艦隊旗艦に1斉放火を浴びせてやれ!」 イアン・ソーンは、肩にメリィ・ディアーを抱えたまま、アル・ゴゥース号へと跳び乗った。 「イアン、キサマ逃げる気か!」 …

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第35話

遺言状の謎 「彼女の……ハリカさんの直接の死因は、断定できたのかい?」 心を許せた同年代の少女の、死んだ理由を聞くマドル。 「絞殺だ。発見された首と身体の両方に、ロープの跡があった。だが彼女の手からは、ロープに関する付着物は発見されなかったぜ」…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP011

2人の高校生と動画編集1 デッドエンド・ボーイズの事務所も入っている3階建てのビルは、元は印刷会社であり、チームはビルの3階を間貸りしていた。 「なんや、クロ。お前も、来とったんか?」 金髪ドレッドヘアの高校生が、事務所の入っている下の階の扉…

一千年間引き篭もり男・第09章・06話

現実味の無い世界 火星にて観艦式を終えた途端、時の魔女による襲撃を受けた、クーヴァルヴァリア。曲線を多く用いた真っ白な船体は、艦名の由来となった少女のように、気品と優雅さを漂わせていた。 「クーリア。今のキミは、時の魔女に操られてはいないの…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・98話

神槍と魔銃 紺碧の大海原にて、艦隊の旗艦同士が衝突し、激しい甲板戦が繰り広げられていた。荒々しい海の男たちのカトラスが、互いに斬り結び火花を散らす。 「アドゥル。お前の槍は、まさか!?」 マストにかかるロープを片手で握りながら、イアンが言った…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第34話

捜査の順番 「ハリカさんの首が発見された寺の現場にて、吾輩は警部と検証を行った。現場では当時、タミカさんが倒れて発見されおり、人命を優先したために大くの人の足跡が残ってしまっていた」 マドルが、嗅俱螺 墓鈴架(かぐら ハリカ)の首が発見された…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP010

ある優等生2人の戦略(タクティクス)4 「ミス・シャルロット。ご自身のブランドを立ち上げるとのコトですが、我々のクラブのスポンサーになっていただけると言うのは、本当でしょうか?」 赤茶色の髪の優等生が、自然な所作(しょさ)でハンバーガーショ…

一千年間引き篭もり男・第09章・05話

クーヴァルバリア 「クーリア……キミの艦へ?」 ボクを、自身の名を冠する艦へと招こうとする、クーヴァルヴァリア・カルデシア・デルカーダ。 「わたくし共は、宇宙斗艦長に危害を加えるつもりは、一切ございません。宇宙の長旅で、お疲れでしょう。どうか我…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・97話

甲板戦 大海原で衝突した、2隻の艦隊旗艦。甲板戦の準備にとカトラスを抜く、互いの艦の乗組員たち。 「メリィ・ディアー。キミは船倉にでも隠れていろ。ここからは、血生臭い乱戦が始まる」 日焼した、海の男が言った。彼は黒い艦隊の司令官で、旗艦アル・…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第33話

打ちひしがれる探偵 「彼女……ハリカさんに、護衛は付いていなかったのか!?」 マドルが、伯父に苛立ちをぶつけるように言った。 「女の捜査官1人と、女中1人を同室にさせていた。だが2人とも、昏睡状態でクローゼットの中から発見されている」 姪の怒り…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP009

ある優等生2人の戦略(タクティクス)3 催事用のビルで行われている、中部企業・国際フォーラムの会場を歩く2人の優等生。彼らの手には、多くの名詞が握られている。 「雪峰くんも、やるじゃないですか。技術(テック)系の企業を中心に、3社も名詞交換…

一千年間引き篭もり男・第09章・04話

再会のクーリア 「艦長、敵影を見て見ろ。アレは……」 バル・クォーダで、宇宙に飛び出したプリズナーの声に、複雑な感情が絡んでいた。 「あ、あの巨大なサブスタンサーはッ!?」 ボクも、直ぐにその理由を理解する。 星の瞬く宇宙にあっても、その巨大なサ…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・96話

大海原の戦い アル・ゴゥース号と呼ばれる艦隊の旗艦は、船首に黄金に輝くライオンの像を掲(かか)げ、船体は黒く船尾には3層の立派な船尾楼を持つ。3本の4角帆メインマストに風を受け、艦の側面には大砲が2列に渡って並んでいた。 「港以外の軍事施設…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第32話

第3の犠牲者 「シャワーを浴びていた吾輩は、大柄の黒い影によって襲撃された」 マドルの声が、観客たちに経緯(いきさつ)の説明を始める。 「シャワー室の曇りガラスを割られ、暗闇の中で首を絞められた吾輩は、気を失ってしまう。飛び散ったガラスが脚に…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP008

ある優等生2人の戦略(タクティクス)2 催事場やビジネス用途で使われるビルの前に、『中部企業・国際フォーラム』と、銘打たれた白い立てかけ看板が立てられていた。ビル周辺の道路や公園には、多くの人だかりが出来ている。 「ここが、会場のビルだな」 …

一千年間引き篭もり男・第09章・03話

広大な宇宙での遭遇戦 ボクたちが冥王星圏から離れて、半年が経っていた。広大な宇宙の航行は、1000年後の技術を以ってしてもそれだけの時間を要してしまう。土星の衛星であるタイタンを出発してから、2ヶ月が過ぎていた。 「改めて、MVSクロノ・カ…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・95話

乱戦の闘技場 「重力の黒き刀(やいば)を、受けるがイイ!」 戦争の中で青春を生きた少年が、大暗刻剣(マハー・カーラ)を振るう。 レオ・ミーダスは、自身を重力から解き放ち、闘技場の壁にめり込んだ舞人に突進した。 「ジェネティキャリパー!!」 ガラ…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第31話

シャワー室の襲撃 「館で吾輩は、警部の伯父と同室の客間だった」 広いドーム会場に、『シャー』っと水の流れ落ちる音がする。 「泊まり込みの警官の部屋と違い、シャワーだけは備えてあってね。男を演じていた吾輩は、捜査の忙しさを理由に、いつも深夜にシ…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP007

ある優等生2人の戦略(タクティクス)1 かつては印刷会社の入っていたビルの、3階にあるデッドエンド・ボーイズのオフィス。黒髪の優等生と赤茶色の髪の優等生が、机を挟んで向かい合ったソファに座っていた。 「先日の試合、オレたちは2ー14と言うサ…

一千年間引き篭もり男・第09章・02話

マーズの野望 土星最大の衛星であるタイタンに到着したボクは、サターンさんから太陽系の情勢を探る。 「この土星に、マーズが艦隊を派兵すると言うのは本当ですか?」 ボクは、土星圏を統括するサターンさんの執務室の、ソファーに座っていた。 「残念なが…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・94話

裏切りの戦争 クレ・ア島を取り囲むように移動する艦隊が、島に向かって砲撃を続けている。 「思ったより、順調に進んでいるじゃない」 海洋に浮かんだ大型の戦艦に乗った、女性が言った。 彼女は、クセのある黒髪を頭の後ろでまとめ、ルージュの口紅に、紫…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第30話

マドルの思惑(おもわく) 「吾輩は、孤児院を訪れていた」 神於繰 魔恕瘤(かみおくり マドル)は、言った。 「2人目の被害者である、渡邉 佐清禍(わたなべ サキカ)さんの暮らしていた孤児院だ」 1人語りを始める、マドル。 彼女たちの舞台の演者(ロー…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP006

あるサッカー界の新星の迷い2 「突然、こんな話をして済まない。オレの場合、意外と即断即決でな」 夕焼けのオレンジも、スミレ色に染まり始めた夕刻。サッカー界の新星が、ボクに言った。 確かに倉崎さんって、ケッコウ後先考えないで決めるよな。デッドエ…

一千年間引き篭もり男・第09章・01話

タイタン ボクが、太陽系の最果てで救助されてから、半年の月日が流れていた。 4か月前、準惑星エリスへの侵攻作戦は中止となり、バルザック・アイン大佐は宇宙ドッグコキュートスを、エリスの軌道から遠ざける決断をする。 「どうしてです。ここまで来て、…