ラノベブログDA王

ブログでラノベを連載するよ。

王道ファンタジーに学園モノ、近未来モノまで、ライトノベルの色んなジャンルを、幅広く連載する予定です

キング・オブ・サッカー・第7章・EP025

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「まずは、テクニック勝負だ!」
 カズマの名前を借りたロランが、右脚のつま先で小さなダブルタッチをして、倉崎を抜こうとした。

「それだけか?」
 けれども倉崎は、ロランが外側に払って切り返したボールに、脚を合わせる。

「流石だね。じゃあ、こんなのはどう?」
 ロランはアシを退けると、ボールは左側へと流れて行った。

「オイ、まさか狙っていたんじゃ無いだろうな?」
 ボールは、ロランをサポートして走っていた、紅華の足元へと転がる。

「クレハナ、そのままサイドに開いて、クロスを上げてくれ!」
「お、おう!」
 ピンク色の髪を靡かせた紅華は、右のサイドギリギリをドリブルし、センターにクロスを上げる。

「よし、クリアだ、龍丸!」
「応!」

 けれどもデッドエンド・ボーイズのレギュラーセンターバックが。3人並んだ最終ラインは高く、ボールは跳ね返された。

「これはこれは、久しぶりに本気の勝負ができそうですね」
 クリアボールは、柴芭の足元へと納まる。

「アイツは確か、ゴールの外側を巻いてくるシュートを撃つヤツだ」
 ロランは柴芭のロングシュートを警戒し、プレッシャーに行く。

「なんの躊躇もなく、ボクに向って来ますか。見事なモノですね」
 柴芭も、ドリブルを開始した。

「まずは、お前を止める。倉崎との勝負は、それからだ」
「迷いのない判断……それは恐らく、最善の1手でしょう。何故なら、迷いによる時間のロスは、サッカーにおいては致命的になる場合がほとんどだからです」

 華麗なテクニックを持つ2人が、センターサークル付近で激突する。







この世界から先生は要らなくなりました。   第08章・第63話

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「な、なんだ、アレは。巨大な化け物が、現れやがったぞ!」
「あの化け物って、今まで降ってた赤い雨が、集まってんだろ!」
「一体、どんな技術を使ってんだ?」

 SF映画や、最新のロールプレイングゲームクラスの演出に、観客席から歓声が沸き上がる。

「ヤレヤレだよ。まさか、ナノ・マシーンまで開発してくれていたとはね」
 腕を組みため息を吐く、ユークリッドの若き経営者。

「久慈樹社長の、指示じゃないんですか?」
「無論だよ。恐らく世界を繋ぐネットから、先進国の大手医療企業のサーバーにでもアクセスして、製造方法を学んだのだろう」

「学ぶコトは出来たとしても、どうやってナノ・マシーンを製造したんですか?」
「現時点では、謎だね。これから総力を上げて、調べる予定だよ」

 レアラとピオラは、すでにユークリッドの優秀な人間たちさえ手玉に取っていた。

『古(いにしえ)の時代に神によって封印されし、魔王よ』
『我らと我らを信ずる下僕(しもべ)どもの前に、顕現せよ!』

 黒いアイドル衣装に身を包んだレアラとピオラが、冷笑を浮かべながら呪文の詠唱を始める。
センターステージに出現した巨大な魔物は、赤いスライム状の形態からゆっくりと変化し、やがて人の形となった。

「せ、先生、あの顔って!?」
 ユミアの身体が、より一層ボクの身体に密着する。

「あ、ああ。カトルだ……」
 真っ赤な身体の巨人となって出現したのは、四散したかに思えたカトルの姿だった。

 髪も、瞳も、身体の全てが血のように紅く染まり、背中には蝙蝠の6舞の翼が生えている。
魔王と化したカトルは、飛んでいたレアラとピオラを飲み込んだ。

「うわあ。悪魔の2人の方が、喰われちまったぜ!?」
「てっきり、妹の天使を捕食するのかと思ったのに」
「マジで展開が、読めねェぜ」

「カ、カトル……どうして?」
 生気の失せた瞳で、巨大な身体となった姉を見つめるルクス。

 観客席に、騒(ざわ)めきが伝播する。
カトルの姿をした堕天使は、天に向けて大きく両腕を伸ばした。

「さあ、フィナーレよ』
『その忌まわしい天使を、
 何処からともなく、響き渡るレアラとピオラの声。

「み、見ろよ。魔王の手の平の上!」
「あ、レアラとピオラが乗ってるぞ!」
「ホントだ。それに衣装も、真っ赤なドレスにチェンジしてるぜ」

 観客の誰かが指摘した通り、まるでむしり取られた心臓のように、血管が脈打つ赤いドレスを纏った2人の悪魔。
髪は真っ白に変化し、エメラルド色の瞳を輝かせている。

『堕天は完了した……』
『さあ、次のステージの始まりだ』
 夜も深まったドームに、新たな音楽が流れ始めた。

鎖につながった実の妹に向かって巨大な掌(てのひら)をのばした



「今度は、ロック調のハードな曲だわ。ロールプレイングの、ボス戦の曲みたい」
「ユミアの感想は、相変わらずだな」
「う、うっさいわね、先生。今時、ゲームしらしない方がどうかしてんのよ!」

 ボクの腕に絡みついていた栗毛の少女の腕が、振り解(ほど)かれる。





ある意味勇者の魔王征伐~第12章・22話

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敵の正体

 月が雲間に顔を隠し、ゴルディオン砦は暗闇に包まれる。
砦の内部は、思いがけないくらいに静まり返っていた。

「カーデリアの予感が、的中ってか。厳重に警戒されているハズの砦が、人っ子一人居やしねェぜ」
 夜目の利くバルガ王が、下馬をして手綱を厩舎に結ぶ。

「馬さえ居ないってのも、おかしなモノですぜ」
「イヤ、なにか居る。ベリュトス、お前の目の前だ!」
 キティオンが、叫んだ。

「うわあ、こ、これは……」
 再び月が、淀んだ黒雲から顔を覗かせる。

 そこには、驚いて跳ねあがったまま固まった、馬の姿があった。

「どうやら、石になって固まってしまっているようですな」
「厩舎を飛び出し、直ぐの状態で固まった……」
「他にも、同じ状態のモノがあるハズ」

 3人の少女騎士も、下馬をして辺りを慎重に探る。

「ええ、そうね。貴女たちの言う通り、こっちの兵舎にも固まった兵士たちが転がっているわ」
 カーデリアが3人の先を行き、様子を伺いながら情報を提供した。

「実はもう、相手の目星は付いてるのよ。バルガ王が目撃した魔物が、金色の翼を持つって聞いた時点で、伝えておくべきだったわ」

「それじゃあカーデリアは、兵士や馬を石にしちまったヤツの正体を、知っているんだな?」
「その通りよ、バルガ王。だってわたしは、彼女たちと戦ったのだから」
 パッションピンクの短髪の少女の顔が、ほんの一瞬だけ曇った。

「オレやバルガ王が見た魔物と、戦ったですって?」
「それは誠ですか、カーデリア殿」
 王の側近2人が、覇王パーティーの重鎮に伺いを立てる。

「本当よ。彼女たちは、サタナトスの配下なの。油断したわたしは、彼女たちの能力によって、石化させられてしまったわ」

「アンタほどの者を、石化……確かに、油断ならねェ相手のようだな」
「彼女たちってコトは、複数居るんですよね。オレらが見たのも、魔物の群れでしたし」
「外観は、どのような感じだったのですか?」

「最初にわたしが見たのは、トカゲ女が棲みついてるってオアシスの情報を得て、現地に赴いたときのコトよ。噂は本当だった。わたしたちはオアシスで、小さなトカゲのシッポの女のコたちと遭遇した」
「そのトカゲの娘たちが、アンタを石に替えたのかい?」

「ええ。急に彼女たちの髪がヘビに変化して、邪眼に睨まれたわたしは石に変えられてしまった。シェリーがいなかったら、やられていたところよ」
 カーデリアはその戦いで、シャロリュークが死んだコトは言わなかった。

「他に特徴は、無かったのですか?」
「そうね……戦いに、不慣れってところかしら」

「戦いに、不慣れ……カーデリア殿を石化までしているのにですか?」
「わたしもけっこう、戦いの場数を踏んでいるからね。直ぐに、解るレベルだった。まるで、ただの村娘みたいに見えたわ」

 王の側近2人の、矢継ぎ早の質問に答える、カーデリア。

「つまり、この先に待ち構えているのは、トカゲの少女たちなのですね」
「我らが同胞を石に変えた報いを、受けさせてやりたいモノですが……」
「石化能力に、どう対処すべきか……」

「古(いにしえ)の英雄は、鏡のように磨いた盾に映った姿を、斬ったって言うわね」
 先陣を切るバニッシング・アーチャーは、すでに砦の最も中央にある建物の中に進入していた。

「そのような芸当が、できるモノでしょうか?」
「そもそも、磨いた盾などありませんぞ」
「一体、どうすれば……」

「暗殺よ。見られる前に仕留めれば、済む話だわ」
 カーデリアの身体が、後ろの壁と同化する。

「こ、これは!?」
「カーデリア殿の姿が、消えた!?」
「気配すら、残っておりませんぞ!」

 慌てふためく、アルーシェ、ビルー二ェ、レオーチェの3人の少女騎士。

「ここは一先(ひとま)ず、カーデリアに任せるしかあるまいよ」
 姿を消したパッションピンクの髪の少女に、バルガ王は任務を託した。

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キング・オブ・サッカー~登場人物紹介・040

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詩咲 露欄(しざき ロラン)

ポジション :MF
身長    :178cm
体重    :74kg
利き脚   :右脚
背番号   :10
愛称    :ロラン、将軍(ジェネラル)
出身地   :静岡県
好きな食べ物:鯵(あじ)の干物、静岡おでん
嫌いな食べ物:トマト、ピーマン

プロフィール

 エトワールアンフィニーSHIZUOKAに加入する、20歳のミッドフィールダー。
前身である沼津のチームにて、幼馴染みのオリビらと共に中心選手として活躍。
チームの東海中部の参戦が、決定していた。

 そんな矢先にチームは、日高 成瓢(ひだか せいひょう)によって買収される。
自由な気風だったチームも、オーナーに就任した壬帝 輝流(みかど シャル)によって、現代的な戦術と近代的な肉体管理に基づいたサッカーに変えられてしまう。

 姉が日高 成瓢によって死に追いやられたとも思い込み、チームを脱走した。
記者会見の会場だった名古屋のホテルから逃げると、偶然に一馬と出会う。
一馬は、ロランと容姿がそっくりで、お互いの立場を変えるコトを思いつく。

 選手としては、トップ下に君臨してスルーパスでゲームを作る。
前線に進出してはフィニッシャーとなって得点を量産し、芸術的なフリーキックでゴールを奪う。

 フィールドの芸術家(アーティスト)、将軍(ジェネラル)とも形容された。

 直情型の性格で、周りを巻き込むトラブルを度々巻き起こす。
チームや周りに迷惑をかけるコトも多く、親友のオリビや兄貴分のアルマが尻拭いをする羽目になる。

 アイドルとしても、歌やダンスの才能があり、甘いマスクでファンを集める。

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一千年間引き篭もり男・第07章・32話

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生きる決意

 ボクたちは、何処かしこにガタが来たブリキのロボット(アーキテクター)が構築した、バリケードをもう幾つも越えていた。

「銃撃が止んだ。十字路を突き抜けるぜ」
「了解です」
「後ろ、サポートするわ」

 ギムレットさんが突撃をし、ボクがサポートして、黒乃が背後の安全を確保する。
まるで、長年FPSをやって来たチームのようだ。

「右、まだ動いてる敵がいるラビ」
「左はクリアだリン。完全に、沈黙リン」

 『ラビリア』と『メイリン』と名を改めた2人の少女たちも、銃を取って戦ってくれていた。
2人とも、ボクの指示した通りに、語尾にラビとリンを付けてくれている。

「それにしても日本語以外の言語圏で、語尾の変化は通用するモノだろうか。ギムレットさんや黒乃には、どう聞こえているのだろう?」
 撃ち慣れてきた銃を手に、走りながら考えるボク。

「オイ、余裕ぶって油断すんじゃねえ!」
 ギムレットさんが、真横の敵を撃ち抜いてくれた。

「ス、スミマセン」
「まあ良いケドよ。それより、もうすぐ外部につながる門(ゲート)だ」

「それじゃあ、外に出られるんですね」
「出たきゃ構わんが、今の地球の外ってヤツァ、放射能と科学物質に汚染された大気があるんだぜ」
「あのアーキテクターたちでさえ、5分と活動していられないでしょう」

「そ、そうでした。でも、それじゃあ元の建物には、戻れないんじゃ?」
 危うく、黒い雨で溶けてしまうところだった。

「ここと、わたし達が捕まったゲーの居る建物とは、地下通路で繋がっているのよ。一端、地下5階まで降りて、地下通路を突破して向かうわ」

「了解だ、黒乃」
 ボクたちは1時間ほどの戦闘を潜り抜け、地下5階の接続通路に辿り着く。

「案の定、ヤツらオレたちがここを通ると踏んで、巨大なバリケードを張って待ち構えてやがったぜ」
「アーキテクターの数も、今までとは比べものになりませんね。やはり、ハッキングは無理ですか?」

「ああ。ヤツら常時、命令を受け取る機構のチャンネルを替えてやがる」
「それじゃあ、この巨大なバリケードを突破する方法は、無いんですか?」

「もう少し近づければ、わたしの乗って来たサブスタンサーに、信号を送るコトもできるのだケド」
「シャラー・アダドのコトだよね。近づけると、なにが出来るんだ?」

「コミュニケーションリングを使って、遠隔操作ができるのよ」
「え。それって、有線が前提じゃ無いのか?」

「遠隔でも、基本的な動きなら可能なの。もちろん、精度は大幅に落ちるケドね」
「そう……ですか」
 ボクにも、コミュニケーションリングがあればと、首筋を指で摩る。

「オイ、ヤツら隊列を組んで、押し込んで来やがったぞ」
「後ろからも、アーキテクターの気配がするラビ!」
「このままだと、あと1分で囲まれるリン!」

「アイツら、最初からわたし達を、この地下通路に誘い込むつもりだったのね」
「クソ、前後を囲まれる前に、どうにかするしか無ェ」
「でも、どうやって!?」

「……るせェ。今、それを考えてる!」
 ギムレットさんに、いつもの余裕がない。
それくらいに、ヤバいってコトだ。

「倒したアーキテクターで、こちらもバリケードを構築しましょう」
「お、おお、そうだな」
 ギムレットさんが倒したアーキテクターの残骸で、簡易バリケードを構築する。

 けれどもアーキテクターの部隊の行進は止まらず、構築したバリケードに向け迫って来た。
後方の大型バリケードに陣取ったアーキテクターたちが、進出する部隊を援護射撃しているからだ。

「マズいわね。弾幕を張られて、顔も出せやしない」
「このままじゃアイツら、バリケードまで来ちゃうラビ」
「せっかくお外に出れたのに、ここで死んじゃうリン?」

 ここで……死ぬのか?
メイリンに言われ、ハッとするボク。

 正気になところ、生に対しそこまで強い執着があるワケじゃない。
1000年前のあの日、ボクは黒乃の誘いに乗って、彼女の創った冷凍睡眠カプセルに入った。
当時、普通に生きてたヤツから見れば、正気の沙汰ではないだろう。

「でも、キミが来れなかった未来を、ボクは見ると誓ったんだ」
 ボクは始めて自分で、生きる決意をした。

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キング・オブ・サッカー・第7章・EP024

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司令官VS将軍・1

「オイオイ。今日の一馬って、ホントに積極的だぜ。倉崎さんに、勝負を申し込んだぞ!?」
 黒浪が、黒いビブスを着ながら驚いている。

「いつもは寡黙な御剣隊員が、まるで別人のようでありますな」
 杜都も、ベンチに置いてあったビブスの黒い方を選んだ。

「そりゃまあ……そうだろ」
 2人の前で紅華が、蒼いビブスを左脚のつま先で拾い上げる。

「は、それって、どう言う意味……」
「お前らは、倉崎さんのチームだな。今は、敵同士だ。ンじゃな」
 ピンク色の髪の男は、一馬の元へと歩いて行った。

「紅華隊員は、なにやら感づいているようでありますな?」
「そうかァ。どうせまた、女のコトでも考えてただけじゃね」
 蒼いビブスの背番号7を、見送る2人。

「よ、カズマ。エトワールアンフィニーのエースとやらの、お手並み拝見と行こうじゃねェか」
 御剣 一馬の肩の上に右ひじを乗せ、もたれ掛かる紅華。

「フッ、やはり気付いていましたか」
「まあな。アイツには、ストーカーされた経験があるんでね」
「え、ストーカー?」

「昔の話だ。それより、倉崎さんと対戦なんて、大きく出たな」
「彼とは、1度戦ってみたかったんですよ。キミと、同じくね」
 カズマは、爽やかに微笑む。

「オメーも、喰えないヤツだな。ま、確かに倉崎さんとは、本気でやってみたかったってのはあるぜ」
「それは好都合。流石に1人では、倉崎 世叛に勝てる気がしませんからね」

「だがな。向こうに黒浪、杜都、柴芭、金刺が行っている」
「今ピックアップした人たちが、主力ですか?」
「まあな。こっちにもキャプテンが、居るっちゃぁ居るが……」

 紅華が後ろを向くと、そこには無表情の雪峰の姿があった。

「チーム分けは、できたね?」
 セルディオス監督が、黒と蒼の2つのカラーに別れたデッドエンド・ボーイズを、河川敷の練習場のコート中央に集める。

「黒チームが、倉崎、黒浪、杜都、柴芭、金刺、龍丸、野洲田、亜紗梨(あさり)、辺見(へみ)ね」
 倉崎を中心に、チームの主力級がズラリと居並んだ。

「オイオイ。本職のディフェンス陣まで、全員向こうチームじゃん!」
「問題は無いよ、クレハナ」
「問題、大アリだっつ~の!」

「蒼チームは、一馬、紅華、雪峰、汰依(たい)、蘇禰(そね)、那胡(なこ)、日良居(ひらい)、歌和薙(かわち)、屋城(やしろ)よ」

「こっちのメンバーは、どうなんです?」
「汰依、蘇禰、那胡は、バックアッパーとしては優秀だ。軽い紅白戦形式の練習試合であれば、スタミナもなんとかなるが……」

「彼ら以外は、ディフェンスをやってもらいましょう」
「それしか無ェわな。汰依、蘇禰、那胡、オメーらが中盤で、ボールを奪えるかが鍵になんぜ」

「わ~ってるって、トミン」
「攻撃はトミン、オメーと一馬に任せるわ」
「しっかり点決めて来いや、トミン」

「うっせ。トミン、トミン、言うんじゃね。野郎に呼ばれても、キショいんだよ!」

「なんだ、良いチームじゃないか。沼津を、思い出すな……」
 談笑するチームメイトを遠目に見て、カズマはため息を吐く。

「ン、どうした。やっぱ、勝てないってか?」
「イヤ、そうでも無いかもって、思ってさ」

 カズマは、倉崎を見る。
黒いビブスを着た選手たちも、ジャリジャリした土のグランドに散らばっていた。

「よし、ポジショニングは決まったね。キーパーは、どっちも置かない方式で行くよ。20分ハーフね」
 メタボリックな監督が、ホイッスルを鳴らす。

「まずは様子見だ。こっちが劣勢になんのは覚悟の上だが、裏を狙っていくぜ」
 センターサークルも無い練習場の真ん中で、紅華がチョンとボールをカズマに出した。

「そうだね。でも、まずは先制点を取ってからだ!」
 ボールを受け取ったカズマが、倉崎に向けてドリブルを開始する。

「オ、オイ……待てよ!?」
 仕方なく、追走する紅華。

「フッ、やはり来たか。面白い、受けてやる!」
 倉崎が、カズマのボールを奪いに走り出す。

「望むところだ、倉崎。燦然と輝くZe1のフィールドに立つお前と、同学年のこのオレ……。まさか、こんなに早く対戦ができるなんてな!」
 小声で呟くと、カズマも真っすぐに倉崎へと挑みかかって行った。

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キング・オブ・サッカー~登場人物紹介・042

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弦班 有馬(つるはん アルマ)

ポジション :MF
身長    :184cm
体重    :84kg
利き脚   :右脚
背番号   :8
愛称    :メディシャン(医者)
出身地   :静岡県
好きな食べ物:わかめの味噌汁、ざる蕎麦
嫌いな食べ物:無し

プロフィール

 エトワールアンフィニーSHIZUOKAに加入した、20歳のボランチ。
スポーツ医を目指し、体育系大学のスポーツ医科学コースに通いながら、サッカー選手としても活動している。

 エトワールアンフィニーSHIZUOKAが、スポーツ医学を重視した選手のコンディション管理をするとの情報を見て、面接を受け合格する。
現場研修として、チーム専属のスポーツ医の助手的な仕事もこなす。

 壬帝オーナーの求める規律正しいサッカーも、当人にとっては相性がよく、ロランに替えてキャプテンを任されそうになる。

 温厚で寡黙な性格だが、探求心があり落ち着きがある。
オリビと共にチームの調停役で、ロランらが引き起こした問題の解決に尽力した。

 ボランチとしては、スペースを潰すのが上手く、ボール奪取率が高い。
ボール奪取後は、ロングキックで左右に展開し、攻撃を組み立てる。
派手さは無いものの、チームの要として攻守に安定をもたらす。

 ロランやオリビを弟のように感じており、兄のように世話を焼く。
スポーツ医学に精通し、解剖学やストレッチなど、同分野においてはかなりの知識量を誇る。

 かなりの実力者な半面、地味なせいか各世代の代表にはなり損ねている。

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