ラノベブログDA王

ブログでラノベを連載するよ。

王道ファンタジーに学園モノ、近未来モノまで、ライトノベルの色んなジャンルを、幅広く連載する予定です

ある意味勇者の魔王征伐

青き髪の少年、因幡 舞人は、赤き髪の英雄・シャロリュークに憧れる。 クジに当たって財産を得た舞人だったが、世間知らずの彼は、色々な人に騙されて、武器屋まで買わされ、財産を失ってしまう。 夢を諦めた舞人は、武器屋にあった『おかしなパーツが大量に付いたゴテゴテした剣』を携えて、仕事を探すために街を旅立つ。 だが彼は、このおかしな剣によって、憧れていた英雄の道を歩み始める。

ある意味勇者の魔王征伐~第7章・4話

潜航する舞人 「アレ? もう誰か入ってる」「ホントだ。紅い髪の女の子がいますね。どこの子でしょうか?」 リーセシルとリーフレアの双子姉妹は、互いに顔を見合わせる。 「もしかしてプリムラーナさまの、ブルー・ジュエルズ(蒼き宝石たち)のメンバーと…

ある意味勇者の魔王征伐~第7章・3話

透明化と水中呼吸 「当たり前ですよ。さっさとココを出ましょう。見つかったら、ただじゃ済みませんよ!」 蒼い髪の少年は、浴場に誰かが入ってこないかと気が気でない。 「……だろうな。何たって今回は、客人として『神澤・フォルス・レーマリア皇女殿下』ま…

ある意味勇者の魔王征伐~第7章・2話

フォンテーヌ・デ・ラ・デエス 「ええッ!? 忍び込むなんて、マズく無いですかぁ!?」 舞人は城に忍び込むと言い出した、赤毛の少女に意見した。「大丈夫だって、舞人。こーゆーのは、昔から得意なんだ!」「得意とか、そ~ゆ~問題じゃあ?」 「だいじょ…

ある意味勇者の魔王征伐~第7章・1話

赤毛の少女 その日……舞人は、体の上に妙な圧迫感を感じて目が覚めた。 辺りを見ると、そこは長年慣れ親しんだ教会のベットで、一人の少女が自分の眠っていたかけ布団の上で、気持ちよさそうに寝入っている。 幼馴染のシスター、パレアナではなかった。ルーシ…

ある意味勇者の魔王征伐~第6章・10話

サタナトスVS舞人 舞人が憧れた『赤い髪の英雄』は、今まさに大勢の人々が暮らす、ニャ・ヤーゴの街を破壊しようとしていた。 「人間どもの希望を、その両肩に背負った英雄が、魔王と化し人間どもを焼く尽くすのさ。どうだい……これホド面白い余興って、他に…

ある意味勇者の魔王征伐~第6章・9話

灼熱の絶望 巨大な紅き魔物と化した『赤毛の英雄』は、口から『光と灼熱のブレス』を吐く。 「ぐわああああぁぁぁぁーーーーーーーーーーッ!!?」 舞人は、『ガラクタ剣・ジェネティキャリパー』で、壊れた溶鉱炉のような攻撃を必死に耐えた。けれども舞人…

ある意味勇者の魔王征伐~第6章・8話

プート・サタナティス 自らを、『サタナトス・ハーデンブラッド』と名乗った少年は、背中に携えられた一本の剣を抜く。 「これは、ボクの剣……『プート・サタナティス』さ。どうだい、美しいだろう?」 剣は妖しい気に包まれ、金色の刃はしっとり濡れているか…

ある意味勇者の魔王征伐~第6章・7話

サタナトス・ハーデンブラッド 二人は喧嘩をしながらも、街外れの荒野を流れる川の畔にたどり着いた。 「随分と遠くまで来ちゃったね。でも、五時くらいには戻ってやらないとな~。屋台の片付けもあるし……」「それは良いが、あの八つ子にコッテリと絞られる…

ある意味勇者の魔王征伐~第6章・6話

商売の基本 「しっかし、アレじゃのう。富の魔王だけあって、金を稼ぐ能力がハンパ無いのォ?」 魔王であった頃の主でもある、ルーシェリアも関心する。「確かにな。景品やポイントカードのアイデアも、凄いよ」「それにキャンペンガールも……ね」 パレアナが…

ある意味勇者の魔王征伐~第6章・5話

皇女と後見人 出立の前に、レーマリア皇女は、王であり曽祖父でもある老人に対し、王都を立つ報告をした。 「……フラーニア共和国の方々、それに……カーデリア。どうか、我が不肖の曾孫娘を護ってやって……下され。それから、お前には……これを……」 王は病によっ…

ある意味勇者の魔王征伐~第6章・4話

王都 王都・ヤホーネスの首都『エキドゥ・トーオ』は、古代より栄えた巨大都市だ。 北は山岳地帯になっていて、西から南へと流れる大河のほとりにあり、天然の要害がこの街を衛る。東には、巨大な城下町が広がっていた。 元は、五つの城塞都市の連合国家であ…

ある意味勇者の魔王征伐~第6章・3話

砂漠の死闘 『謎の少年』の剣によって強化された魔物たちは、捜索隊を次々に餌食となる。かろうじて身を護れているのは、二人の少女騎士だけとなった。 「な、なんというコトだ。レーマリア様に派遣いただいた兵士たちが……全滅だなんて!?」「全員、生きて…

ある意味勇者の魔王征伐~第6章・2話

謎の少年 「……あれは、『エクスマ・ベルゼ』と、魔王の『バクウ・ブラナティス』だ!」「シャロリューク様は、一体どこに居るんだ?」 アーメリアに続き、ジャーンティも剣の主を心配する。 二人の少女を隊長とした捜索隊は、急いで砂丘を駆け降り、二振りの…

ある意味勇者の魔王征伐~第6章・1話

使者の報告 ヤホーネスの王都、『エキドゥ・トーオ』の王宮では、二人の使者が王に謁見していた。 「……そなた達が……フラーニア共和国の? 此度の援軍……感謝すると……ゴホゴホッ!」 ヤホーネスの王は九十に迫る高齢であり、ここのところ健康を害していた。「…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・15話

ヘアサロン 「お前たち、可愛らしい髪にしてもらって、よかったのォ?」 イマイチ、感情のこもらない言葉で、ルーシェリアが八人の少女の髪型を褒めた。 「良かったモン」「けっこーお洒落な気がするモン」「せっかく人間の女子になったし、可愛いのもありな…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・14話

女子力! 豪華な料理が並ぶテーブルには、リーセシルとリーフレアの双子姉妹も、既に席に付いていた。 「うわッ、このスープすっごく美味しいよ! これ、舞人くんが作ったの?」「このチキンの照り焼きも最高ですよ~姉さま。舞人さん、凄いです!」 双子の…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・13話

ありがとう 栗色の髪の少女は、ネリーニャとルビーニャの変化に驚きながらも、幼馴染みの治療を続けた。 すると双子の影から、さらに幼なそうな八人の少女が顔を出す。「……お、お邪魔してるモン」「『ご主人サマのご主人サマ』は、治りそうかモン?」「ご主…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・12話

幼なじみの想い 舞人は、ルーシェリアの膝を枕に、意識を失っていた。 「まったく……無茶をしおって」舞人の開いた傷口からは、ドス黒い血が止め処なく溢れ続ける。「……じゃがのォ、ご主人サマよ。あの剣士の言ったことは、近い将来恐らく……」 漆黒の髪の少女…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・11話

白紫色の髪の剣士 「……因幡 舞人。その剣について、聞かせてもらおうか……」 急に殺気を感じた少年が振り返ると、氷のような眼差しをした剣士が待ち構えていた。「雪影さん……見ての通りです。この剣には、高位の魔族を人間に変える力があるんですよ」少年が言…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・10話

八つ裂き 「蒼き髪の少年よ……」「そのまま消滅させてしまえ」 ネリーニャとルビーニャが、ボソリと言った。 「グヌヌッ!? よく考えれば三百年前、我が主『ルーシェリア・アルバ・サタナーティア』様に戦いを挑み、敗れて地の底に封印されていたハズなのに……

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・9話

人間になりたい 「こ、これは『ルーシェリア大魔王殿下』ではありませんかぁ~!」 土下座をした、富の魔王『マモン・アマイモン・マンモーン』は、双頭の鳥の頭だけ上げる。「そのようなお姿なので、気付きませんでしたぁッ!!! 」「フム。話せば長くなる…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・8話

富の魔王 「なんか、メチャクチャ派手な城だね?」 城は、えげつないくらいに金ピカに輝き、細部にはあやゆる色の宝石が散りばめられている。決して均整の取れた美しさではなく、むしろ醜悪ささえ感じるくらいに無意味に配されていた。 「ヤツの趣味でのォ。…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・7話

少年と剣士 一行は再び、『ルーシェリア配下の魔王』が住むという城のある山を登り始める。 「ネリーニャ、ルビーニャ……大丈夫? キツくない?」「フン……我は死霊の王なるぞ!」「この程度の山道で根を上げると、思っておったのか?」 虚勢を張る双子たち。…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・6話

ネリーニャとルビーニャ 「パレアナ嬢。知れば、キミにまで迷惑が及ぶ可能性もあるので、余り詳しくは話せないが、とても重要な用件なのだ。知っていることを全て話して欲しい……」 「ええッ! そんな大変なことに、巻き込まれちゃってるんですか、舞人は……!…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・5話

女性から見た世界 覇王パーティーが誇る双子司祭は、ニャ・ヤーゴ城の台所に立っていた。 「リーセシルにリーフレア、悪いこたぁ言わねえ。それはただの『岩盤みたく硬てえ消し炭』だ」 クーレマンスが、双子姉妹のありがた迷惑な料理を引き留める。「お礼の…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・4話

力の魔王にして恐怖の魔王 夜になって、一行は砂漠の中心でキャンプを張った。 「灼熱砂漠と言えど、夜は冷えるねえ。オレ、ちとションベンしてくっから、お前らもあそこの岩陰辺りで済ませて来いよ?」 食事を終えた赤毛の英雄は、二人の少女騎士に向かって…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・3話

二人の少女騎士 シャロリューク・シュタインベルグは、可憐なる女将軍・プリムラーナ・シャトレーゼによって遣わされた二人の少女騎士と共に、王都に向け馬を走らせる。 「シャロリューク様……カーデリア様を置いて来てしまって、よろしかったのでしょうか?…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・2話

調査報告 夜が明け始めた頃、双子姉妹は疲労困ぱいで小領主の城に戻って来た。 二人で軽くシャワーを浴び、妹の血を洗い流す。体だけ拭くと、裸のまま一つのベッドに潜り込んだ。 「リーフレア……ごめんね。痛かったでしょ?」「いいえ、姉さま……わたしの油断…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・1話

人間と魔族 舞人はルーシェリアと、『新たに生まれた双子の少女』を伴って、教会に帰還を果たす。 教会の正門には栗色の髪の少女が、心配そうな表情を隠しながら待っていた。「もうッ! どこ行ってたのよ! 街の中心が炎に包まれて、大変だったんだから!!…

ある意味勇者の魔王征伐~第4章・12話

死霊の王の末路 舞人は、『おかしなパーツがゴテゴテ付いた剣』を、双子姉妹の前にかざした。 「この剣は、露店武器屋のオヤジから、店ごと武器を買ったときに付いて来たんだ」「わたしも、その剣に何か感じたんだ。微かな歪みっていうのかな?」 最初に露店…