ラノベブログDA王

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ある意味勇者の魔王征伐~第6章・3話

砂漠の死闘

 『謎の少年』の剣によって強化された魔物たちは、捜索隊を次々に餌食となる。
かろうじて身を護れているのは、二人の少女騎士だけとなった。

「な、なんというコトだ。レーマリア様に派遣いただいた兵士たちが……全滅だなんて!?」
「全員、生きて帰るって約束したのに……これじゃ、顔向けできないよ!?」
 二人の少女騎士はそれでも、数体の魔物は仕留めたものの、魔物の数はまだ百体はいた。

「もはや、ここまでか!!」「む、無念……だ」
 死を覚悟したアーメリアとジャーンティ。
 ……その耳に『希望の声』が届いた。

「そこをどきなさい! 薄汚いサソリにサンドワーム!!」
 クルクルとしたパッションピンク色の髪を棚引かせた声の主は、手にした四つの弦を持つ弓で次々にサソリやワームを射る。

「ダメだ……それでは、ワームが分裂してしまう!」
「サソリの装甲にも……通じないよ。跳ね返される!!」
 結果は、アーメリアとジャーンティの言葉通りとなり、少女は一瞬表情を曇らせる。

「なる程……『装甲系』に『分裂系』ってワケね? でもこんなの、今までどれだけ相手して来たと思ってんのよ! この、覇王パーティーの『カーデリアさま』を舐めるなぁ!」
 援軍の少女は矢を一本口にくわえ、手にした四本の矢で弓の弦を振るわせた。

「奏弓・『トュラン・グラウィスカ』よ! 遥かなる死出の調べを奏でろ!!」
 すると、弓から放たれた矢は、美しい曲線を描いて、サソリの装甲の継ぎ目へと突き刺さり、分裂したワームが巨大化する前に駆逐する。

「凄い!! こ、これが覇王パーティーの……!?」
「……神弓姫・『カーデリア・アルメイダ』の力なのか!?」
 驚嘆の声を上げる二人だったが敵の数も凄まじく、瀕死の彼女たちも加勢に加わろうとする。

「大丈夫だ……我が姉妹たちよ。貴女たちはそこで、休んでおきなさい」
 そこにはアーメリア達と同じ、青い鎧に銀色のチェインメイル、群青色のマントを翻した少女が三人、立っていた。

 それを見たアーメリアとジャーンティは、安堵の表情を浮かべて気を失った。
「可愛い『姉妹』たちを痛め付けてくれたお礼を、たっぷりしないといけませんね」
援軍に駆けつけた三人の少女たちは、迫り来るサソリとワームの群れに立ちはだかる。

「わたしは、『ルールイズ・フェブリシアス』……です!」
 その内の一人で、ペールブロンドの短い髪と、アイスブルーの瞳の少女が名乗りを上げた。
「大切なお姉さまたちを、これ以上薄汚れた魔物に傷付けさせませんです!」

 砂煙を上げて疾走するサソリやワームの群れに、少女は巨大な剣を地面に突き立てた。
「聖盾剣・『パシィル・ヴァール』よ。邪悪を退ける盾となり魔を祓え……です!」
 すると剣が五つに分かれて四方と真上に飛び、その内側を光のバリアで被った。

「これで邪悪なる者は、我が『聖域』の中に入ることは出来ないのです!」
 ルールイズの言葉通り、魔物の群れはバリアの中には入れず、その外側で立ち往生する。

「……我が名は、『ジャーニア・ジーンべル』よ!」
 今度は、チョコレートブラウンのセミロングの髪と、カカオ色の瞳の少女が名乗りを上げる。

「カーデリアさまのお陰で、魔物の弱点が露になりました。我が狙撃剣・『ベル・シュナイパー』の出番ですわね」
 少女は剣を低く構えると、握り手についている引き金を引いて魔物を射た。

「へえ? やるじゃない。あの位置から 正確に急所を狙撃するなんて……?」
 カーデリアが誉めたように、ジャーニアの放った閃光は、バリアの内側から数百メートルもの距離を飛んで、サソリの装甲の継ぎ目にヒットし、分裂前のワームを駆逐した。

 そして、三人の内で最も可憐で美しい少女が、バリアの外へと歩を進めた。
「よくも我が『義妹』たちを可愛がってくれたな? 烏合の魔物と云えど、容赦はせぬ!」
 少女は美しいブロンドの髪を靡かせ、威風堂々と剣を構える。

「我が祖国、フラーニアに伝わる聖剣『ボナ・パルティア』だ! 本来なら貴様ら如きに使うには惜しい代物だが……我が姉妹を痛め付けてくれた罪を償え!!!」

 少女が聖剣を一閃すると、その場にいた全ての魔物が光に包まれ、跡形も無く消滅した。
「お前たちも、魔の者に操られていたのであろう。せめて、安らかに眠れ……」 
 それを目の当たりにした、覇王パーティーのカーデリア・アルメイダは、驚嘆と賞賛の言葉を贈る。

「……流石は、『プリムラーナ・シャトレーゼ』様ね! 圧倒的な強さだわ」
 カーデリアは、麗しの女将軍の元へと駆け寄る。

「それが、聖剣・『ボナ・パルティア』ですね? 天下七剣に匹敵する力を持ちながら、フラーニア共和国の護国の宝剣であるが故に、入ってないって言う?」

 すると、プリムラーナでは無く、横からしゃしゃり出てきたルールイズが答えた。
「そうなのです! カーデリアさまは、良く物事をご存知なのです。本来なら、天下最強の剣と言っても過言では無く、我がプリムラーナ共和国・歴代の第一将軍が手にして来た、有り難~ヒィィィ!?」

 ルールイズのおしゃべりな口を、ジャーニアが引っ張る。
「コラ、余計なコトを喋ってないで治療よ。手当てをすれば、助かる人もいるかも知れないからね!」
「ヒタタ……ごめんなヒャい! わかっら……わはっはから離すのですゥ~!」

 ジャーニアは、ルールイズの口を引っ張ったまま、倒れた捜索部隊の兵たちの元へ向った。
しかし助かった命は少なく、多くの墓標が砂の上に建てられた。