ラノベブログDA王

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ある意味勇者の魔王征伐~第6章・4話

王都

 王都・ヤホーネスの首都『エキドゥ・トーオ』は、古代より栄えた巨大都市だ。

 北は山岳地帯になっていて、西から南へと流れる大河のほとりにあり、天然の要害がこの街を衛る。
東には、巨大な城下町が広がっていた。

  元は、五つの城塞都市の連合国家であり、やがてそれぞれを結ぶ城壁が築かれる。
その内側が城下町として発展し、中央部に天高くそびえる『ヤホーネス城』が建てられたのだ。
城の敷地内には、『エキドゥ・トーオの王宮』と呼ばれる迎賓館がある。

 王宮の王の間にて、アーメリアとジャーンティが玉座の少女に頭を垂れる。
「此度の捜索……目的のシャロリューク様を、発見出来なかったばかりか……」
「多くの貴重な兵士を、失ってしまいました……面目次第もございません!!」

 ヤホーネスの皇女は、深く目蓋を閉じたまま呟く。
「戦いとは……多くの命が失われ、更にそれを哀しむ多くの家族が生まれるモノなのです……」
それは、父や祖父を戦で失った、彼女自身の嘆きでもあった。

「皇女殿下。我が臣下の失態は、この『プリムラーナ・シャトレーゼ』が罪。何なりとお裁きを……」
「いいえ。今は、誰かの罪を断じている時ではございません。それに、貴女方フラーニア共和国は、我がヤホーネスのために力を貸して下さっているのです。どうして、責められましょうか?」

 そこに、パッションピンクの髪の少女が割り込んで来た。
「そうそう。シャロの奴だって、次元の狭間に逃げたって話だし、どこかで生きてるって。今は前を向くときよ……ねっ、レーマリア!」皇女に向って、馴れ馴れしく話しかけるカーデリア。

 その姿に、プリムラーナは自分の性格が、堅苦しく不器用にも思えた。
「フッ……確かに、カーデリア殿の言われる通りだな。まずは、その『少年』の正体が何者かを、つき止める必要がある。アーメリア、ジャーンティ……なるべく、その少年の特徴を詳しく話してくれ」

 二人の話を聞き終えると、『神澤・フォルス・レーマリア皇女』は、幾つか疑問を述べる。
「プリムラーナ将軍。魔王と対峙している隙を突いたとは言え、あのシャロリューク様に深手を負わせるとは……その少年は一体何者なのでしょうか? それに、その目的とは?」

 普段の『詮索好きな少女』の顔を覗かせる、皇女殿下。
「それなら、もっと詳しく知っているかも知れない奴がいるわよ。そうでしょ?」
カーデリアは、悪戯っぽく微笑んでプリムラーナを見た。

「なる程。確かに『シャロリューク殿と戦った魔王自身』ならば、何か知っている可能性はあるな」
 カーデリアの柔軟は発想に、感嘆の声を上げるプリムラーナ。

「……もしや、魔王『モラクス・ヒムノス・ゲヘナス』に聞こうとされているのでは?」
「ですが、そんな簡単に口を割るヤツとも、思えませんが……」
 アーメリアとジャーンティの最もな疑問に、プリムラーナが答える。

「二人は、まだ知らない事実だが、魔王の城に居た『謎の少年』の正体も、『魔王・ルーシェリア』の行方も知れたのだ」
 プリムラーナは、リーセシルとリーフレアの双子司祭から、報告を受けていた。

「本当ですか、それは!?」「一体、どんな謎が……?」インディゴブルーの短髪に真っ白な肌の少女騎士と、アッシュピンクの短髪に褐色の肌の少女騎士が問う。
「実は我々は、その報告に参ったのだ。その途中でお前たちに偶然、遭遇したのは幸運だったな」

「それで、その謎の少年……舞人って言うんだけどね。ウチのパーティーの双子司祭の話じゃ、その子の持ってる剣は、『魔王を少女へと変えてしまう能力』なのよ」
「ま、まさか……その様なことが!?」「本当に……あり得るのですか!?」

 半信半疑のアーメリアとジャーンティに、カーデリアも少し自信無さげに答える。
「……わたし達もここに来る前、実際にその少年に会って話したんだケドね。なんだか冴えない感じのボーっとしたコでさ。シャロなんかとは、正反対って言うか……?」

「けれども、覇王パーティーの双子司祭であるリーセシル殿とリーフレア殿が、実際に『死霊の王が少女になる現場』をはっきりと見た……と言うのだ」
 プリムラーナの説明に、顔を見合わせ納得する二人の少女騎士。

「まあッ! それは誠ですか!? なれば、その少年に是非とも会ってみたいモノです。いいえ、必ず会うべきだと思います!!」

 皇女は、王都を離れて少年に会いに行くと言い出し、皆はこぞってそれを止める。
だが、(好奇心と言う名の)意思は固く、結局はニャ・ヤーゴへと行幸する事となった。