「代役となった少女は、サキカさんと似た年頃だったハズ。孤児院の子供たちの中でも、かなりの年長者でしょう。そんな少女を、子供たちの記憶から消すコトなど、不可能なのですよ」
名探偵が、3人のシスターを糾弾する。
「回収した代役少女の首を、貴女方の誰かが嗅俱螺 (かぐら)の寺の墓に埋めた。すでに殺されていた、トアカさんの首と共にね……」
「トアカの首は、キレイな状態だったのに、もう1つの首は腐敗が進んで誰の首かも判別できなかったのは、それが代役の少女の首だとバレないようにする為だったのか」
驚きを隠せない感じの、警部の声。
「2人の少女が首を斬られて殺され、2つの首が発見されれば、鑑定されていないもう1つの首も、サキカさんの首だと思わせられる。それが、貴女方の狙いだった」
「ケッ! 警察も騙されたってコトかよ」
「もう1度、首を鑑定したいところだケドね。首は、荼毘(だび)に伏されてしまった……」