ラノベブログDA王

ブログでラノベを連載するよ。

王道ファンタジーに学園モノ、近未来モノまで、ライトノベルの色んなジャンルを、幅広く連載する予定です

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第44話

影の首謀者 「シャワー室を出たハリカさんは、自室に戻って睡眠薬入りの紅茶を自身も飲んだ。モチロン犯行を、マスター・デュラハン……レインコートの男の仕業に見せる為の工作さ」 「なる程な。そうなりゃ、警備の2人と自分を合わせた3人の体内から、睡眠…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP020

仏教高校 向かいにあるライブハウスを見張ろうと入ったハンバーガーショップで、ボクはスカウトターゲットだった題醐 鷹春(だいご たかはる)さんと遭遇する。 「ダーリン、あの人こっちに来るよ!」 隣の椅子に座った、沙鳴ちゃんが言った。 「ア~、そこ…

一千年間引き篭もり男・第09章・15話

紫色の抱擁(ほうよう) 「宇宙斗艦長、後ろ来てるぜ」 プリズナーの叫び声が、ゼーレシオンの触角を通してボクの脳裏へと伝わって来た。 「わかっているさ」 全てを斬り裂く剣(フラガラッハ)が、背後の敵を両断する。 宇宙戦闘空母クーヴァルヴァリアは、…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・107話

時間と空間の牢獄 斬り取られたいくつもの空間が、断続的に連なった異次元の塔。その頂点へと続く赤い糸を追って、サタナトスたちは次元を移動していた。 「かなり、上まで昇って来たな。オレのハートブレイカーの糸も、あと少しだぜ」 ティ・ゼーウスの手に…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第43話

シャワー室の真実 舞台に、車の頼りないエンジン音が鳴り響く。 「お前よォ。寄りによって、そんな高いドレス買いやがって。オレの1ヶ月分の給料、余裕で越えてるぞ!」 警部の太い声が、愚痴を言った。 「お陰で、誰も吾輩と気付かなかったじゃないか。館…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP019

ハンバーガーショップと自動レジ ボクと沙鳴ちゃんは、ライブハウスの前に立っていた。 「ロックハウス、ギルバード?」 ポニーテールの少女が見上げる店の全面に、お洒落な書体(フォント)で店名が刻まれている。 「1階は、バンドのTシャツとかグッズ売…

一千年間引き篭もり男・第09章・14話

1000年前の言葉 ボクは、クーヴァルヴァリア・カルデシア・デルカーダと、1夜を過ごした。昼夜の無い宇宙空間に置いて、1夜と表現して良いのかは判らないが……。 「お目覚めですね、宇宙斗」 クーリアが、ボクを呼び捨てに呼んだ。 「あ、ああ。クーリ…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・106話

ダエィ・ダルスの塔 「なんと言うコトだ。我が息子が、既に死んでしまっていたなどと……」 地下迷宮(ラビ・リンス)の終着地点にある部屋で、膝(ひざ)を落とし崩れ落ちる大建築家。 「お前の息子は、とくに王の寵愛を受けていた。故に、星砕き(アステリオ…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第42話

遺言状と封筒 「すまねェが、コイ……彼女は、事件の参考人でな。例の遺言状の、照会をしてェんだが」 警部の野太い声が、言った。 舞台には、美目麗しいドレス姿の少女が立っている。先ほどまでは男装の麗人だった、神於繰 魔恕瘤(かみおくり マドル)と同一…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP018

もう1冊のノート 「山の背学園って、ウチの隣にある学校ですよね。歩きだと、けっこう離れてるケド」 土手の上を突き抜ける道を、軽快に進む沙鳴ちゃん。中等部の夏服である、白のセーラー服に、紫色のスカートが可愛らしい。 「うん。でも、も、もう直ぐだ…

一千年間引き篭もり男・第09章・13話

宇宙(そら)の王子様 ボクたちと宇宙戦闘空母クーヴァルヴァリアが、マーズの別動艦隊と接触し戦闘となってから、2日くらいの時間が経過していた。 「地球に居た頃は、1日の時間なんて当たり前に同じだと思ってたケド、宇宙に出てしまうと、何を1日の尺…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・105話

ミノ・ダウルスの真実 地下迷宮の行きつく先の、荘厳な間の玉座に座る、豪奢なローブを纏(まと)った白骨。 「これが、ミノ・リス王の成れの果てかよ。コイツのお陰で、どれだけ多くの血が流れたと思ってる!」 ティ・ゼーウスは、ハート・ブレイカーを実体…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第41話

舞台袖の推理 「オイ、マドル。一応、言って置くがよ。元来お前は、警察の人間じゃない」 車のハンドルを握っているであろう、警部の声が言った。 「言われるまでも無い。吾輩の本職は、探偵なのだからね」 舞台のマドルが、素っ気ない顔で答える。 「たたで…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP017

妹みたいな女のコ 「いいか、一馬。デッドエンド・ボーイズ、最大の弱点はキーパーだ。海馬コーチには申し訳ないが、早急に改善しなきゃならないポイントでな。また、頼めるか?」 御剣 一馬は、夕暮れの公園で、倉崎 世叛に言われたコトを思い出していた。 …

一千年間引き篭もり男・第09章・12話

シャワーの水滴 紫色に輝く長い髪を持った、女性的な外装をした漆黒のサブスタンサーが、同じ色の艦の格納庫へと着艦する。 『コリー・アンダーソン中佐、帰還されました』 艦内に、女性の声のアナウンスが流れた。 「まったく気に喰わないね、あのジイさん…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・104話

神の血を引く者 「ミノ・ダウルス……キミは、ボクの下僕(しもべ)かのかい?」 大将軍を剣の能力で大魔王に変化させた、サタナトスが問い質す。 「オレは、誰に下にも付かぬ。ただ1人、父を除いてはな」 大魔王と化していたミノ・ダウルスは、言って退けた…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第40話

交通事故の詳細 「オイ、マドル。館の娘夫婦の交通事故って……まさか!?」「ああ。伊鵞 光瑠(いが ひかる)さん夫妻の、事故のコトだろうね」 警部の問いかけに、答える少女探偵。 「なあ。その事故について、アンタ詳しいのか?」「どうでしょうか。自分も…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP016

ある陰謀論者と料理人 黒髪で長身の男が、カフェの片隅でノートパソコンのキーを叩いていた。 「やはりか。日高グループの背後にも、かのドイツ系の名族が関わっていると見て、間違いないようだな。早急に、皆にも知らせねば……」 ノートパソコンには、文章作…

一千年間引き篭もり男・第09章・11話

冷凍睡眠者とコピー 火星圏への帰路にて、マーズの別動艦隊の追撃を受けるボクたち。宇宙戦闘空母クーヴァルヴァリアの防衛のため、ゼーレシオンは敵のサブスタンサーと交戦していた。 「やるね、アンタ。見ないサブスタンサーだケド、オリジナルかい?」 ペ…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・103話

神と悪魔の申し子 サタナトス、ケイダン、ティ・ゼーウスの3人の少年の前に姿を現わした、牛頭の巨人。大将軍が纏(まと)っていた、五芒星のデザインされた黄金の鎧を身に着け、頭部には2本の角の生えた黄金の兜を被っていた。 「こりゃあ、本当にあのミ…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第39話

オンボロ車の事故 「言われて見りゃあ、カケル氏が親である重蔵氏に、隠し子の存在を明かす必要は無いよな?」 真新しいドーム会場に集った、観客の誰かが言った。 「男って、ホンット無責任よね。でも確かに、あえて言う必要は無いわね」「だ、だろ。オレだ…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP015

ある若き板前の断言 大柄な若き板前が、華麗な包丁さばきで新鮮なイカを細切りにしていた。そこは静岡の海鮮市場にある食堂で、看板には野洲田(やすだ)食堂と書かれている。 「野洲田さんトコの倅(せがれ)さん、戻ってたのかい?」 日焼けした中年男が、…

一千年間引き篭もり男・第09章・10話

コピーとオリジナル 宇宙戦闘空母クーヴァルヴァリアは、左舷後方に被弾をしながらも、マーズの別動艦隊から逃亡を図っていた。 「敵艦隊を、引き離しつつある。取り付いたアーキテクターを、各個撃破すれば終わりだ」 シルヴィアのアタ・ランティが、仲間の…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・102話

神の血と人間の血 「神の血を引く、大将軍か。だが神など、本当に存在するのか?」 ダエィ・ダルスの工房(アトリエ)で、ケイダンが工房の主に質問する。 「どうだなか。だがこの世界には、神の血(イー・コール)を引くとされる人間も、少なからず存在する…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第38話

遺言状の真贋(しんがん) 「2通目の遺言状の在り処は、重蔵氏の自室にある、古びた置時計の内側と書かれていた」 マドルが読み進める竹崎弁護士の日記が、当時の様子を呼び覚ます。 「わたしも立ち合い、警察の警部ら数人と置時計の内側を探った。置時計の…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP014

ある汗ばんだ筋肉男の潜水 「1012、1013、1014、1015……」 部屋の中から、汗ばんだ筋肉男の声が聞こえる。 「先日の試合、2対14と言う屈辱的な大敗を喫(きっ)したでありますからな」 部屋には、ところ狭しと戦闘機や銃のポスターが貼ら…

一千年間引き篭もり男・第09章・09話

女王を護る騎士(ナイト) 「帰って来たか、宇宙斗艦長。クーリアお嬢様とは、上手くヤレたのかよ?」 宇宙に出たボクに、下品な挨拶をするプリズナー。 「さあな。それより、宇宙船を収容してくれるそうだ」「マジかよ。だが敵の艦に、逃げ込むってのもな」…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・101話

不死の大将軍 「オイ、どこまで逃げるつもりだ」 瀕死のサタナトスを抱えながら迷宮回廊を走る、ティ・ゼーウスが問いかける。 「この先に、わたしの工房(アトリエ)がある。この迷宮を、建設していた当時のな……」 ダエィ・ダルスが、答えた。 「ココだ」「…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第37話

蝋燭印(シーリングスタンプ) 「吾輩は、竹崎弁護士が生前に、書き記していた日記を開いた」 弁護士事務所の机で、日記を開く仕草をするマドル。 「もちろん、捜査令状も取らないで行った、越権行為である。この時の吾輩は、ハリカさんを護れなかった罪悪感…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP013

あるピンク色の髪の高校生の宣言 ピンク色の髪の高校生が、店の床に散らばった髪の毛を掃除している。 「遠光。お前だって疲れてるだろうに、アタシがやるからイイよ」 白い服に身を包んだ、中年の女性が言った。 店には年季の入った椅子が3脚並んでおり、…