ラノベブログDA王

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ある意味勇者の魔王征伐~第7章・7話

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魔王パーティー

「シャロリューク様、申し訳ありません。ですが、今のヤホーネスには英雄が必要なのです」
 レーマリア皇女殿下が、赤毛の少女に深々と頭を下げる。

「気にすんな、気にすんな。オレも、異存はね~よ」
「みんなの裸を覗いたクセに、偉そうなのよ!」
 カーデリアに頬をつねられる、小柄になってしまったシャロリューク。

「私は、年老いた王の代理として、このニャ・ヤーゴの地に参りました。それは『因幡 舞人』……貴方を、『遊撃騎士団長』に任ずる為なのです」
 レーマリアは、舞人と同じ十五歳の少女であるにも関わらず、王族の威厳を携えていた。

「ええッ。遊撃騎士団長って、シャロの正式な勲位じゃない!?」
「確かにオレたちゃ、『覇王パーティー』なんて呼ばれちゃ~いるが、正式的には『ヤホーネス遊撃騎士団』って名だからなあ。六人しか居ね~ケドよ」

「そんなことはどうだっていいわ、クーレマンス!」
 パッションピンクの髪の少女は、筋肉男をいとも簡単に制する。

「レーマリア。シャロが力を失ったからって、簡単に爵位を剥奪するなんて酷いわ!」
「シャロリューク様の爵位は、既に恒久的な物です。剥奪など致しません」

「え? あッ……ごめんなさい。わたしったら……」
 カーデリアは、自分の勘違いに顔を赤らめる。

「私の方が言葉足らずでした。私は『因幡 舞人』に、『新たなる遊撃騎士団の団長』になっていただきたいのです。そのコトは、王都を立つ前から決めておりました」

「フッ。年若くして、中々に聡明でいらっしゃるな。レーマリア皇女殿下は」
 この一件で、王より後見人を仰せつかったプリムラーナ女将軍は、皇女をいたく気に入る。

「ヤホーネスが皇女・『神澤・フォルス・レーマリア』が王の代理として命じます」
 皇女は、王より授かった伝来の刀を抜き、舞人の肩に当てた。

「『因幡 舞人』。此れより貴方を、正式な『ヤホーネスの『遊撃騎士団長』に任じます」

「つ、謹んで、お……お受けします」
 皇女の前で片膝をつき、頭を垂れる蒼い髪の少年。

(ボクが、ヤホーネス遊撃騎士団の団長……?)
 彼が子供の頃から、何度も夢に見た憧れの存在。

(シャロリュークさんと同じ、英雄……なのか!?」
 だが、いざ本当に自分が『救国の英雄』とされたとき、その『責任の重さ』を実感せずには居られなかった。

「『ルーシェリア・アルバ・サタナーティア』……貴女を副団長とします。どうか、騎士団長を助けてあげて下さい」

「良いのか、人間の皇女よ。妾は元・魔王なのじゃぞ?」
「ですが今は人間であると、お見受けいたしました」
 皇女の言葉は、ルーシェリアを信頼しているという証だった。

「『副団長』とは、納得出来ぬ部分もあるが……頼りない騎士団長サマじゃから、仕方ない。助けてやるとするかのォ」

 その後、ネリーニャとルビーニャの双子姉妹や、アイーナ、アキーナ、アミーナ、アリーナ、マイーナ、マキーナ、マミーナ、マリーナの八つ子姉妹にも、遊撃騎士団員の位が与えられる。

「何故に、邪神たる我らが……」
「この様な『間抜け』の下に就かねばならん?」
 白い髪にオレンジ色の瞳の双子姉妹が、不満を口にした。

「あらぁ~だモン?」
「ひょっとして勲功を上げる自信が無いモン?」
「無能は、とっとと失せるモ~ン♪」

「フッ。我らがキサマら如きアホに……」
「遅れを取るハズがなかろう?」
 八つ子の言葉にプライドを傷付けられた双子姉妹は、挑発に乗せられてしまう。

「それから騎士団の本拠地は、この『ニャ・ヤーゴ』の街外れにある教会とします」
「ええッ、ウチの教会ですかぁ!?」
 皇女殿下の言葉に、悲鳴のような声を上げる栗毛の少女。

「騎士団のバックアップは、お願いしましたよ……パレアナ」
「は……はいッ。お、お任せくニャニャいッた~いッ!?」

 思い切り舌を噛んだ少女を見て、皆が笑った。

 ここに、蒼い髪の少年を団長とし、かつて魔王だった少女や、邪神と呼ばれていた少女たちを加え、新たな騎士団が結成される。

 彼らは後の世に、『魔王パーティー』と呼ばれる事となった。

 

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