ラノベブログDA王

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キング・オブ・サッカー・第三章・EP006

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フットサル大会

「倉崎さん。我々のチームも五人となりました」
 いつものコンビニのフードコート。

「サッカーをするには人数が足りませんが、フットサルなら可能ですよ?」
 珍しく白峰さんが、積極的な提案をした。

「お、それいいねえ。河原での練習だけじゃ、いい加減飽きてたしな」
「自分もそろそろ、実戦形式の訓練が必要と思っていたところだ」
「オレさまの脚に驚く相手の顔が、早く見たいぜ」

「フム、確かに。練習だけじゃ、連携を確かめるのも限界があるからな」
 やった、倉崎さんも乗り気だ。

 フットサルは、五人対五人で行われる、ミニチュア版サッカーみたいなモノだ。
実際にそれだけで独立した競技になってるし、プロリーグだってある。

 そして何より、五人ってコトは、ボクも含まれてるんじゃ?

「実は事後承諾を期待して、既にエントリーはしておいた」
「流石は優等生。やるコトが早いねえ。で、場所は?」

「明日、この近くの体育館で小さな大会が開かれる」
「体育館か。それだと、インドア用のシューズが必要なんだが」
 紅華さんが、雪峰さんに尋ねる。

「外であれば、サッカーの練習用スパイクで何とかなったのだがな」
「中学ン時は、持ってたぜ。華麗な足技を磨くのに、フットサルやってたしな」

「陸上の短距離用スパイクじゃ、話になんねェよな?」
「あんな前の方だけ棘が付いてるやつで、ボールをコントロールできるのか、クロ」
「クロ言うな、ピンク頭。まあ、流石にキツイだろうがよ」

「杜都。お前の靴も、軍隊とかが履いているデザインに見えるが」
「倉崎司令。自分の半長靴では、やはり問題でありますか?」
「そんなモン、普段から履いてんじゃねえよ。水虫になるぞ」

 あぐゥ。ボクも、持ってない。
体育シューズじゃ、ダメなのかな……と、目で訴えてみる。

「ヤレヤレ、仕方ない。今からスポーツショップに行ってみよう」
 頭を抱えた倉崎さんは、みんなを連れてスポーツ用品店へと向かった。

「悪いが、使用頻度を考えると、あまり高額なモノは無理だ。考えて買ってくれよ」

「倉崎さん、スカウトされた時は、気前の良いこと言ってたのに、ケチ臭くなったよな」
「現実の社長ともなれば、当然だ。備品も、人数分揃えるのだぞ。幾らかかると思ってる」
「一人1万として、5人だと……ゲゲ、5万かよ!?」

「クロ、偉いぞォ。よくできたなあ」
「ピンク頭、テメーケンカ売ってんのかよ!」

「一人、5千円にしよう。な、それで選んでくれ」
 華々しいスーパースターの言葉は、庶民染みていた。

「領収書をお願いします」
「宛て名はなんに致しましょう?」
「デッドエンドボーイズ・サッカークラブで……」

「倉崎指令の、あんな姿を見ていると……」
「もっと高くて、カッコいいのが欲しかったなんて……」
「流石に悪くて、言えねェよな」

 倉崎さんを見つめる、三人の目がなんだか寂しそうな気がする。
でも、新しいスパイクを買って貰ったんだ。
明日の試合は、頑張らなくっちゃ!

 翌日は日曜日で、天気は土砂降りの雨だった。

「カーくん、こんな雨の日にどこ行くの。サッカーできないよ?」
「今日はフットサルの試合なんだ。たぶん、ボクも出れそうでさ」
「そうなの。じゃあアタシも、付いて行っちゃおうかな」

「な、なんで奈央がくるんだよ!?」
「応援だよ。それに倉崎って人が、どんなコトやってるのかも知っておきたいし」

「奈央が知る必要、無いだろ」
「いーじゃん、別に。ホラ、行くよ」
「まったく強引なんだからぁ」

 雨で濡れた道路に、ピチャピチャと二つの傘が揺らめいた。

「一馬、オメーも隅に置けないな」
「か、彼女持ちかよ、一馬。見損なったぜ!?」
「哀れだねえ、クロ。彼女の一人や二人、連れて来れね~のかよ」

 胸を張って豪語する紅華さんの後ろで、スカウトの時に会った七人の女子高生たちが、黄色い声援を送っていた。

 

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