ラノベブログDA王

ブログでラノベを連載するよ。

王道ファンタジーに学園モノ、近未来モノまで、ライトノベルの色んなジャンルを、幅広く連載する予定です

キング・オブ・サッカー・第三章・EP010

f:id:eitihinomoto:20191113233812p:plain

初陣

 柴芭 師直は、ボクたちの元から離れると、自分のチームメイトと合流する。

「柴芭さん、どうだったっスか」
「メンドそうなヤツ、いました?」
「紅華と黒浪はまあ、リサーチ済みっスけど」

 坊主頭の三人のプレーヤーが、占いマジシャンに質問した。

「そうだね。ボクのカードを引いた全員が、大アルカナのカードを引き当てたよ」

「悪ィ、柴芭さん」
「オレら、アホだからよ」
「占いのコトは全然わかんねぇ」

「ボクのカードは、大アルカナ22枚、小アルカナ56枚の、合計78枚なんだ。大アルカナを引く確率は、三分の一以下さ」
 カードをお手玉のように高くシャッフルしながら、マジシャンは語る。

「それって、柴芭さんが仕込んだんじゃないんスか?」
「マジシャンズ、なんとか……」
「マジシャンズ・セレクトだろ、バカ」

「イヤ、ボクは誰かを本気で占う時、マジシャンとしてのテクニックは封印している」
「そ、それじゃあ……」

「彼らはいずれ、大きな成功を収める可能性を秘めた、運命を持っているのさ」

 ボクはアップをしながら、柴芭さんが三人の坊主頭の選手と話しているのを見ていた。

「オイ、集中しろよ、一馬。気になるのは、解るケドよ」
「ゴ、ゴメン……」
 紅華さんとも、少しだけ会話が成り立つようなっている。

「オレ、アイツら知ってるぜ。穴山三兄弟だろ」
「なんだ、知り合いか、クロ」
「中学ンときに、練習試合で対戦しただけだぜ」

「彼らはまだ、中学三年生だがな。名前は穴山 範資(のりすけ)、貞範(さだのり)、則祐(のりすけ)。ショートパスを繋ぐ、息の合ったプレイが特徴だ」
 雪峰さんが、タブレットを指で弾きながら言った。

「そんで試合には勝ったのか、クロ?」
「ウッ、それは……」
「なんだ、年下に負けたのかよ。情けねえ」

「うっせえ。オレさまが前半から出てりゃ、勝ってたぜ」
「負け犬の遠吠えか、ヤレヤレ」
「テメ、ピンク頭ァ!」

「お前ら、気が早いな。ヤツらとの対戦は決勝だぞ」
「お言葉ですが、倉崎さん。それまでは余裕っスよ」
 言い争いをしていた紅華さんが、二ッと笑う。

「ウチの初戦の対戦相手ってのはさ……あの人たちだろ?」
「かなり、ご高齢の方々だな。それに、ふくよかな腹周りをしておられる」
 黒浪さんと杜都さんも、その意見に同調した。

「油断は禁物だぞ。ウチは最低の、5人しかプレーヤーが居ないんだ」
「フットサルは、フィールドに立てるのは5人だが、交代は自由にできる。つまり……」
 そ、そうか。

「最低の人数しかいないウチは、交代できねえってコトかよ、雪峰」
「でもよ。流石にあのビール腹のおっちゃんたちには、勝てるだろ」
「見たところ若いプレーヤーは、確認できない。スタミナに問題がありそうだ」

「だと、良いがな」
 倉崎さんは、含みのある笑みを浮かべた。

「ところで倉崎さん。もう一つ、問題が……」
「ン。どうした、雪峰」
 問題って、なんだろう?

「キーパーは、誰にします?」
 そ、そう言えば……。

「一馬、お前頼むわ」
 何の迷いも無く、即答ですかぁあぁぁぁ!!?

「サッカーではなくフットサルだが、我がデッドエンド・ボーイズの初陣だ」
 倉崎さんを中心に、みんなが円陣を組んだ。

「最初の試合、絶対に勝つぞ!」
 キャプテンの雪峰さんが、チームに気合を入れる。

「おうよ。おっさん共を、オレのテクニックでスタミナ切れにさせてやる」
「いいや。オレさまの、スピードでへばらせてやるぜ」
「オレも、ロングシュートを狙ってみるか」

 意気揚々と、コートに散って行くメンバーたち。

「一馬、キーパーグローブだ」
 な、なんでこんなコトに!?

 ボクは、手渡されたキーパーグローブを付けながら、四人の背中を羨望の眼差しで見つめた。

 

 前へ   目次   次へ