ラノベブログDA王

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一千年間引き篭もり男・第08章・18話

アステカの神対スペインの神

 セノーテの予定地に残された、掘削機の上に貼りついた嵐と雷の神・シュガール。

「かつてアステカ帝国を侵略した、スペインの神か……」
「ヨーロッパのアーキテクターを従えてやがったのも、関係がありそうだぜ」

 ケツァルコアトルとテスカトリポカ。
アステカの2柱の神の名をいただいたサブスタンサーが、スペインの神に刃を向ける。

『ギャガッガガッゲ』
 不気味な音を発したシュガールは、無数に生えた大ムカデの頭をこちらに向け、一斉に火焔弾を吐いて攻撃して来た。

「嵐と雷の神のクセに、火焔弾とはね」
「無節操な神も、居たモンだぜ」

 ボクのケツァルコアトル・ゼーレシオンは右に、プリズナーのテスカトリポカ・バル・クォーダは左に開いて攻撃を仕掛ける。
中央からは、娘たちが駆る9機のジャガーグヘレーラーが、ライフルによる射撃を開始していた。

「フラガラッハッ!」
 腰の背面にマウントされた魔の十字剣を右手に握ると、ボクは大ムカデの1匹を頭から長い胴体に沿って、真っ二つに斬り裂く。

「テペヨロトル!」
 プリズナーも、両腕に持った真っ黒な斧の名を叫んだ。
黒光りする斧で、大ムカデを乱雑に切り刻むテスカトリポカ。

「ガッハハ、こりゃあ大した切れ味じゃねェか!」
 狂乱の黒き神は、2挺の斧をムカデの緑色の体液で汚しながらも、敵を次々に破壊して行く。

「プリズナー、煙が出ているぞ。大丈夫か?」
 ゼーレシオンの高性能な目が捉えた、テスカトリポカ・バル・クォーダには、全身に黒い煙が纏(まと)わり付いていた。

「気にすんな、艦長。どうやらこれが、仕様らしいぜ」
 ドス・サントスさんによって与えられた、新たな装備の性能を確かめる為、試し斬りをするように敵を倒して行く、黒きドクロの破壊神。

「スペインの神ってのも、大したコトはねェな」
「だけどおかしいぞ。これだけ斬り伏せているにも関わらず、大ムカデの数がほとんど減っていない」

「な、なんだと!」
 狂乱から、我に還るプリズナー。
その足元には、無残に切り刻まれた無数の大ムカデの死骸が転がっていた。

「大ムカデがシュガールの本体から、昔の日本のロボットアニメの胸部ミサイルみたいに、無限に生成されてるんだ」
「オイオイ。質量保存の法則とか、どうなったよ」

「どうやらシュガールの本体が、一種のワープ装置なんだろうな。現に本体から切り離されて、活動しているヤツも居る」
 本体から這い出た大ムカデは、その長き巨体をうねらせながら、巨大な穴の底へと落下して行く。

「うぎゃあ、ムカデが降って来た!」
「なんなんだい、コイツら」
「ライフルのビームが、通んないよ」

「セシル、セレネ、セリス、お前たちが中心になって対処してくれ。ライフルの遠距離よりも、近接戦闘の槍の方が通りやすいハズだ」

「了解したよ、オヤジ」
「元々ウチらのサブスタンサーは、近接戦闘用なんだ」
「確かに槍なら、装甲を破れるね」

 夢で出会った3姉妹の長女ショチケ・サントスの3人の娘たちが、リーダーシップを取って大ムカデの殲滅(せんめつ)に当たっていた。

「よォ、艦長。本体から大ムカデが生成されるスピードが、速くなってねェか?」
「ああ、プリズナー。どうやら本体を真っ先に叩くしか、無いみたいだな」

 ボクたちは、再びシュガールに攻撃を仕掛ける。
けれどもボクたちの前には、大ムカデの大群が立ちはだかっていた。

「クソッ、斬っても斬っても、これじゃキリがないぞ」
「近接武器じゃ、ラチが明かねェぞ。艦長、アレしか……」
 テスカトリポカ・バル・クォーダのドクロの頭部が、ケツァルコアトル・ゼーレシオンを見ている。

「了解だ、プリズナー」
 ボクたちの見解は一致し、ゼーレシオンは左腕に装備した大きな盾を展開した。

「ブリューナグ!!」
 ゼーレシオンの盾から虚空の天井に向って、光の球がバチバチと音を立てて放たれていた。

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