ラノベブログDA王

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一千年間引き篭もり男・第08章・62話

もう1機のテスカトリポカ

 プリズナーの前に立ちはだかった、ターコイズブルーの戦士の姿をしたサブスタンサー。
槍と盾を構えて、テスカトリポカ・バル・クォーダを攻撃する。

「テメーまで、時の魔女の手下に成り下がったのか!」
 プリズナーは避けるどころか突進し、両腕の戦斧で迎撃した。

 テスカトリポカ・ウィツィ・ロ・ポトリの槍が、テスカトリポカ・バル・クォーダの肩を破砕する。
同時に、テスカトリポカ・バル・クォーダの戦斧が、テスカトリポカ・ウィツィ・ロ・ポトリの腰の飾りを砕いた。

「相変わらず、ムチャな戦い方しやがる」
「へッ! 身体も無い意識だけの存在のクセに、まだオレに説教垂れやがるか」

 黒と青、2体のテスカトリポカは激しく戦い、虚空の宇宙に火花が散る。
踊り狂う神同士の戦闘が、しばらくの間続いた。

「そろそろ本気を出させてもらうぞ、プリズナー」
 トルコ石のタイルを、身体の表面に無数に張り付けたかのようなデザインの、テスカトリポカ・ウィツィ・ロ・ポトリ。

「シウ・コ・アトル(トルコ石の炎の蛇)!」
 意識体となった、ギムレットが叫んだ。

 ターコイズブルーの戦士の周囲を取り巻いていた、蒼く燃える炎を纏った4匹の蛇が、槍となってテスカトリポカ・バル・クォーダを襲う。

「こんな単調な攻撃、喰らうかよ!」
 炎の槍の攻撃を、余裕で避けるプリズナー。
けれども攻撃を終えた槍は、蛇へと戻ると踵(きびす)を返して、再び槍となって攻撃に転じた。

「チッ、厄介なペットを使いやがる!」
 テスカトリポカ・バル・クォーダが、黒き煙に包まれる。

「煙となって、逃げる気か?」
「イイヤ。この蛇はお前を倒さなきゃ、何処までも追って来るんだろ?」
「まあな」

「だったら、答えは1つしか無ェだろうがッ!」
 水晶の髑髏(どくろ)の頭をしたサブスタンサーが、煙を纏ったまま戦斧で攻撃した。

「フッ……甘いな、プリズナー」
「な、なんだとッ!?」

 テスカトリポカ・バル・クォーダの戦斧がヒットする寸前で、テスカトリポカ・ウィツィ・ロ・ポトリも青い煙に包まれる。

「ギムレット、テメーの機体も煙を使えるのか?」
「ああ、そうだ。テスカトリポカを冠するサブスタンサーは、全てな」

「なんだよ、テスカトリポカを冠するサブスタンサーが、他にもあるような物言いだな?」
「察しがイイな。その通りだ」
「な、なにィ!?」

 黒と青、2体のサブスタンサーによる戦闘に割り込むように、眩(まばゆ)い光を発する白き光の球が現れる。

「こ、今度は……誰だ?」
 眩(くら)んだ目を回復させながら、現れた光の球を確認するプリズナー。

「お前の、探していたヤツさ。オレが地球で、脱獄させてやったヤツでもある」
「そ、それじゃあ、この光の球の正体は……!?」

 光の球が発する強烈な光が、徐々に収まって行く。
中から現れたのは、背中に真っ白な蛇と真っ白な翼を持った、真っ白なサブスタンサーだった。

「久しいな……プリズナー。ボクを……迎えに来てくれたのか?」
 光の球から出現した、サブスタンサーのパイロットが語りかける。

 機体は全てが真っ白に輝いてる以外は、出で立ち(シルエット)はケツァルコアトル・ゼーレシオンそのものだった。

「時の魔女が創った、偽物のコピー品だな。残念だが、オレが探してんのは別の艦長だ」
 2体のサブスタンサーから、距離を取る為に後退する、テスカトリポカ・バル・クォーダ。

「なるホド。ボクは、誰かのコピーなのか?」
 真っ白な腕を、真っ白なカメラアイで確認する白いサブスタンサー。

「どうやらまだ、生まれたてホヤホヤってところか?」
「察しが良すぎるのも、考えモノだな。プリズナー」
 苦言を呈(てい)す、ギムレット。

「ボクは、群雲 宇宙斗。本物じゃ、無いみたいだケドね」
 白いサブスタンサーの背中の鞘(さや)が展開し、大ぶりな剣が姿を見せる。

「まあ、イイさ。このテスカトリポカ・ケツァルコアトルの、剣の錆(さび)にしてあげるよ」

 白きテスカトリポカは、黒のテスカトリポカに斬りかかった。

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