ラノベブログDA王

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一千年間引き篭もり男・第08章・64話

狂乱の演舞

 4つの太陽を象徴する、4機のテスカトリポカ。
白、青、赤のテスカトリポカが、黒いテスカトリポカを集中攻撃していた。

「クソッ、3対1は流石に不利が過ぎるぜ」
 黒のテスカトリポカ・バル・クォーダを駆るプリズナーは、機体を黒い煙に変化させて、間合いを取ろうとする。

「させないよ。煙に変化出来るのは、アンタだけじゃ無いんだからさァ!」
 赤のテスカトリポカ・シぺ・テックが、赤い煙に変化して追撃をかけて来た。

「やはりな。お前の動きは、読めてんだ!」
 いち早く実体化した黒のテスカトリポカは、赤のテスカトリポカが実体化する瞬間を狙って、両腕の戦斧を振り回して襲う。

「チッ! 人間のクセに、戦い慣れてるね」
 虚を突かれたメンルファは、攻撃を受けながらも後ろに下がって直撃を回避した。

 テスカトリポカ・シぺ・テックの、赤い外部装甲が宇宙空間に散らばって行く。
装甲が剥(はが)がれた中からは、黄金に輝く粒状の内部装甲が姿を現した。

「これでも、ガキの頃から死線を潜り抜けて来たんでな」
 かつての少年兵は、赤のテスカトリポカに追撃しようとする。

「違ェねえ。コイツはとことん、死神に嫌われてやがんのさ!」
 青のテスカトリポカ・ウィツィ・ロ・ポトリが、間に割って入って槍を突き立てた。

「ジャマすんじゃねェ、ギムレット!」
「ハッ! そんなご託は、戦場じゃ通用しねェコトくらい、お前が1番よく知ってんだろ」
「まあな。ゲーに潰されたお前に、言われんのがシャクなだけだ!」

 虚空(こくう)の宇宙で、ぶつかり合う黒と青のテスカトリポカ。
戦友同士の戦いが、しばらくの間続く。

「今度は、ボクが割り込ませて貰おうかな」
 次に割って入ったのは、白のテスカトリポカだった。

「フラガラッハ!」
 テスカトリポカ・ケツァルコアトルの全てを斬り裂く剣が、切り結んだ黒と青のサブスタンサーの間を両断する。

「チッ、またジャマが入ったか」
「オイオイ。オレにまで、当たるところだったぞ!」
 剣に斬り裂かれる前に、互いに弾き合って攻撃をかわした戦友2人。

「この戦いに、敵も味方も無いんじゃないかな?」
「お前、いきなり何を言って……」

 白のテスカトリポカのパイロットの言葉に首を傾(かし)げる、ギムレットのテスカトリポカ・ウィツィ・ロ・ポトリ。

「アハハ、ガキのクセに面白いコト言うじゃないか。アタシは、気に入ったよ」
 赤のテスカトリポカを駆るメンルファが、戦線に復帰する。

「なんだって、こんなオレたちが争う必要があんだよ」
「理由なんて、無いさ。戦いたいから、そうしてるだけ」
「アハハ、ますます気に入ったよ」

 青、白、赤のテスカトリポカも、互いに互いを攻撃対象と認識した。

「へッ! なんだか知らねェが、3対1よりはマシだ。行くぜ!」
 黒いテスカトリポカも、戦いに参加する。

 太陽系の最果てで繰り広げられる、4機のテスカトリポカ同士の戦いは、混迷を極めて行った。

 ~その頃~

 地球の外縁軌道から地球を見守る、テル・セー・ウス号が、ある異変を捉えていた。

「スクリーンを見て、アンティオペー艦長。謎のサブスタンサーの様子が……」
 オペレーターを務めていた、メラニッペーが叫ぶ。

「ケツァルコアトル・ゼーレシオンみたいな機体が、消えて行く?」
 新米艦長は、疑問形でしか自体を把握できなかった。

 最新鋭艦のスクリーンに、地球の衛星軌道上で徐々に色を失う、黒いサブスタンサーが映し出される。

「謎のサブスタンサー、完全に消失。異空間より出現していた隕石も、新たには確認出来なくなくなりました」

 メラニッペーの言葉通り、謎のサブスタンサーはまるで幻だったかのように完全に消え去り、地球へと降り注いでいた隕石の群れも、出現しなくなっていた。

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