ラノベブログDA王

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一千年間引き篭もり男・第08章・63話

黒、白、青、赤のテスカトリポカ

 真っ白に光り輝く、テスカトリポカ・ケツァルコアトル。
フラガラッハと同じ形の真っ白な剣を振り上げ、テスカトリポカ・バル・クォーダに向かって、1直線に攻撃を仕掛けて来た。

「艦長の偽者風情が……オラッ!」
 相手が剣を振り上げた瞬間、間合いを詰めてドテッ腹に蹴りを入れたあと、両腕の斧で斬撃を入れる、プリズナー。

「うわァ!」
 慌てて左腕の盾で防ぐが、斧の斬撃を喰らった勢いで弾き飛ばされる、真っ白なサブスタンサー。

「マジで、生まれたてみてェだな。艦長もお世辞にも、戦い慣れてるとは言えなかったが、お前よりは遥かにマシだったぜ」
 プリズナーは追撃し、斧によるラッシュ攻撃が大きな盾を襲う。

「ヤレヤレ、世話の焼けるヤツだぜ」
 プリズナーのサブスタンサーの横槍を入れる、テスカトリポカ・ウィツィ・ロ・ポトリ。

「テメー、ジャマすんじゃねェ!」
 旧知のギムレットの攻撃に、仕方なく追撃を止め後ろに下がって攻撃をかわす、テスカトリポカ・バル・クォーダ。

「ありがとう、助かったよ」
 テスカトリポカ・ケツァルコアトルのパイロットが、礼を言う。

「礼なんざ、イイ。さっさとその機体に、慣れるこったな」

「うん……わかったよ」
 ギムレットの指示に頷(うなず)いた、群雲 宇宙斗のコピー。
真っ白な巨大盾を構えて、テスカトリポカ・バル・クォーダに向って攻撃を仕掛ける。

「2対1か。まったく……厄介なコトに、なりやがったぜ」
 全てを切り裂く剣(フラガラッハ)の攻撃を、かわし続けるプリズナー。
けれども僅かずつだが攻撃が、テスカトリポカ・バル・クォーダにヒットして行った。

「コイツ、急激に戦い慣れして来てやがる!」
 余裕を持って対処していたプリズナーが、次第に焦り始める。

「なんとなく、ボクにも解って来たよ。コイツは、スゴイ機体だってコトがね」
「赤ん坊風情が、偉そうに!」
 大盾の裏側に回り込み、2つの斧で斬撃を加えようとする、テスカトリポカ・バル・クォーダ。

「コイツ、こんなコトも出来るみたいだ」
 真っ白な煙となって、攻撃をかわすテスカトリポカ・ケツァルコアトル。

「ガキが、アジなマネを……」
 攻撃が空振りに終わり、体勢を立て直すテスカトリポカ・バル・クォーダ。

「ブリューナグ」
 左手の大盾を、高く掲げる真っ白なサブスタンサー。
大盾が、複雑に展開し始めた。

「な、なにィ! コイツ、ブリューナグまで使えやがるのか!?」
 間合いを取る、プリズナー。

「アレ……なにも出ない。おかしいな?」
 けれども展開した盾の先に、エネルギー球が生み出されるコトは無かった。

「へッ、驚かせやがって。どうやらブリューナグまでは、コピーできていねェらしいな!」
 盾を展開し、無防備になったテスカトリポカ・ケツァルコアトルに、斬りかかるテスカトリポカ・バル・クォーダ。

「させないよ!」
 何処からか、女性の声が響く。

「なにィ!?」
 プリズナーの前に、また別のサブスタンサーが現れた。

「今度は、誰だ。また、テスカトリポカなのか?」
 出現したサブスタンサーに、問いかけるプリズナー。

「そうさ、プリズナー。久しいね」
「聞き覚えのある、声だな……まさか?」
 かつての少年兵は、女性の声に聴き覚えがあった。

「アタシは、メンルファさ。お忘れかい?」
「メンルファ……ああ。あの男の犬か」
 プリズナーは、顔を歪め吐き捨てる。

「随分な物言いじゃないか。アンタの相棒(バディ)だって、同じだろうに」

 現れたサブスタンサーは、全身がワイン色の装甲で覆われていた。
装甲の無い部分は金色で、4本の腕には槍や大ハサミを持っていた。

「トゥランを、お前などと同じにするな。確かにアイツも、あの男によって生み出されはしたが、自分の意志を持ってあの男に敵対している」

「ならアタシだって、自分の意志であのお方にお仕えしているのさ。さあ、このテスカトリポカ・シぺ・テックの前にて、宇宙の塵(ちり)となるがイイ!」
 紅いテスカトリポカが、テスカトリポカ・バル・クォーダに戦いを挑む。

 黒、白、青、赤のテスカトリポカは、太陽系の最果てで混沌の戦いを繰り広げた。

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