ラノベブログDA王

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一千年間引き篭もり男・第02章・12話

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警備ロボット

「流石に未来のロボットともなると、日本語を話すのか?」

 重機ロボットたちの巨大な身体は、ボクたちが逃げ込んだ通路を通れない。
「あらゆる言語を自らの意思で話せますが、どうして日本語なのでしょうか!?」
「『時の魔女』ってなんだ!?」「わ、わかりません。それより今は、逃げないと!?」

 クーリアの懸念は、すぐに現実の脅威となって迫りくる。
「うわあッ!? ……アイツら、通路を破壊しているぞ!?」
重機ロボットたちは、それぞれの特性にあったやり方で、狭い通路を拡張しようとしていた。

「早くプラントに戻ろう。上の街まで登れるロボットなんて、居そうにないよ!!」
 ロボットの壊そうとしている通路は、岩盤ではなく強固な金属製のため、簡単には壊せそうも無かったが、時間の問題のようにも思えた。

「……宇宙斗様は、やはり『コールドスリーパー』なのですよね?」
 高性能な宇宙服のスラスターを全開にしながら、ボクの前を飛ぶクーリアが言った。
「コールドスリーパー? 『冷凍睡眠の者』か。ああ、そうだよ」

 ボクは、黒乃と冷凍カプセルに入った日のことを、思い出す。
「目が覚めて早々、いきなりとんでもな事件に、遭遇しちゃってるケドね」
「事件? 事故ではなく、事件とお考えなのですか?」

「採掘プラントの火災の原因は、コイツらの暴走にあるんじゃないのか?」
「いいえ。最初の爆発が起こったときは、プラントに置いてあった重機ロボは、起動すらしておりませんでした。爆発が起こったのも、壁からかなり離れた場所だと思います」

「だとすると、ボクの勘違い……なのか?」
 そう思っていると、目の前の通路を小さなロボットの群れが塞いだ。

「け、警備用のロボットがッ!?」クーリアが叫ぶ。
 警備ロボットは、浮遊するタイプと二足歩行型、四つ脚型の三種類があった。

「ま、まさか、コイツらも暴走してるのか!?」「そのようですね」
「……どうやらプラント爆破の犯人は、コイツらみたいだな」

「関心してる場合ではありません」「に、逃げよう!?」
 通路を舞い戻って、うしろを気にしながら他の経路を探す。
「警備ロボたち、武装していたように見えたケド?」
「装備は、制圧用の電磁ネットと、ショック弾と呼ばれるボールが一般的です」

「ショック弾って、当たると電流でも流れるの?」「気を失うくらいの電流は、流れますね」
 そのボールが、ボクの目の前をかすめ、背後の壁にぶち当たった。
激しく電流をまき散らすボールを見て、ボクたちは慌てて倉庫らしき場所へと逃げ込んだ。

「警備ロボって、熱センサーとか付いてるよね? 逃走経路も予想しちゃう!?」
「はい」クーヴァルヴァリアは即答する。
 それは『隠れても無駄だ』という意味だった。

「警備ロボットも、重器ロボットも、一つの巨大な採掘プラントのシステムとして機能しています……」

「そのシステムを、『時の魔女』と名乗るヤツが、乗っ取ったんじゃないのか?」
「その可能性が、高いと言わざるを得ません……」顔を伏せる、クーリア。

「ど、どうにか、ならないのか?」ボクはアドレナリンが大量分泌する中、対策を考える。
 重機が打ち降ろすスタンプや、ハンマーの豪快な金属音も、徐々に迫っていた。
そんな中、警備ロボットたちが易々と自動ドアを開ける。

「宇宙斗様……!!」クーヴァルヴァリアが、ボクに抱きついてきた。
そんあボクたちを、警備ロボットのサーチライトで照らし出す。
「クーリア……」けれどもボクには、彼女を抱きかかえてやる事しかできなかった。

「クソ……どうして、こんなコトに? ボクは、女の子一人守れないのか!?」

 警備ロボットの銃口が一斉に向けられ、ボクは思わず目を閉じる。
「ボクは、こんなところで死ぬために、未来まで来たのか!? ……黒乃!!」
発砲音は、十秒近く鳴り響いた。

「あ……あれ? ボクたち、気を失っていない?」
 ゆっくりと目を開けると、辺りには青白い煙が漂っている。

「ヤレヤレだな。お前ら……無事か?」
 煙が晴れるとそこには、『一人の男』が立っていた。