ラノベブログDA王

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王道ファンタジーに学園モノ、近未来モノまで、ライトノベルの色んなジャンルを、幅広く連載する予定です

一千年間引き篭もり男・第08章・22話

9人の娘たち

 夢の中で、ボクはドス・サントスの3人の娘たちと、交わった。
冷たいセノーテの水の中で、ショチケ、マクイ、チピリたちと身体を重ねた感触は、本当に夢だったのかと疑ってしまうくらいに現実的(リアル)だった。

「オヤジはさ。今まで、どこほっつき歩いてたんだ」
「ウチの母親たちは、メチャクチャ苦労してウチらを育ててくれたんだ」
「3人とも、10年前のセノーテの崩壊事故で、死んじまったケドね」

 ボクとショチケの娘である、セシル、セレネ、セリス・ムラクモの3人が、ポソレやセビージェを食べながらなにくわぬ顔で言った。
母親と同じで、やる気は無いものの、やるコトはやると言った感じだ。

「そうだな。1000年の眠りに就いたあとは、火星の衛星であるフォボスの地下採掘プラントで目覚めて、それから木星圏の企業国家の紛争に巻き込まれた。火星に戻って、時の魔女による大虐殺を目の当たりにして、ミネルヴァさんと一緒に地球の元日本に降下したんだ」

 ボクは今、セノーテ・ショッピングモールの中間階層くらいにあるフードコートで、9人の娘たちお奨めのメキシコ料理を堪能している。
グルメでは無かったボクにとっては、タコス以外は知らない料理ばかりが並んでいた。

「それ、マジで言ってんの?」
「ウチらの母親たちとの、接点が無いんだケド?」
「いつ、関係を持ったのさ?」

「夢の中かな」
 ボクはマレナ、マイテ、マノラ・ムラクモの3人に、辻褄(つじつま)の合わない事実を告げる。

「ふざけんなよ、オヤジ」
「ようするに、関係は持ってないってコトか?」
「そっちかァ。一応、予想の範疇(はんちゅう)ではあるがね」

 ボクとマクイの娘たちは、母親と同じようなドライな反応を見せた。
人工子宮が存在する時代の親子関係は、1000年前とは比べものにならないくらいに、混沌としているのだろう。

「それじゃオヤジは、寝ている1000年の間に精子を抜き取られたのか」
「どんな経緯か知らないケド、それをウチらの母親が使ったんだな」
「……ってコトは、オヤジはまだ女を知らない?」

 3姉妹の末っ子だったチピリの3人の娘である、シエラ、シリカ、シーヤ・ムラクモ。
母親の遺伝子を受け継いでいるのか、悪戯っぽい小悪魔的な瞳をボクに向けた。

「女を抱いたと言える、確実な記憶は無いな。でも、宇宙にも60人の娘が居るんだ」
 娘たちの前で、明らかに間違った方向に強がって見せるボク。

「オイオイ、マジかよ」
「60人って、オヤジの遺伝子はそんなに魅力的なのか?」
「ちなみにソイツら、ウチらより年上?」

「イヤ。見た目は10歳くらいだから、年下に見えるな。ただ、ボクと同じでコールド・スリーパーみたいだから、実際には年上ってコトもあり得るよ」

 それからボクは、娘たちによる更なる質問責め受けた。
ボクにとては、一応は遺伝的につながりのある娘たちである。
質問に答えるのは大変だったが、互いに解かり合えるのは嬉しくもあった。

「そうだ、オヤジ。これからセノーテに、泳ぎに行かないか?」
「地下のセノーテは、貯水槽であると共にプールでもあるんだ」
「ま、底にはご先祖サマたちが、眠ってんだケドよ」

「日本人の感覚とは、かなりかけ離れているな。飲料水として利用すんのに、泳いで構わないのか?」
 セシル、セレネ、セリスの3人の質問に、質問で答えるボク。

「今の浄化システムなら、なんの問題も無いさ」
「下水すら、真水にしちまうんだからね」
「それに、ミネラルやら色んな栄養分が豊富だよ」

 マレナ、マイテ、マノラの3人は、科学的見地から答えた。
納得したボクは、娘たちに最下層にあるセノーテに連れて行かれる。

「んじゃ、さっそく泳ぐよ」
「あそこの岩山の泉が、セノーテへの入り口なんだ」
「中は、酸素量が豊富な水でね。泡も発生させてるから、呼吸もできるんだ」

 9人の娘たちは、なんの躊躇も無く服を脱ぎ始める。

「お、お前たち。こんな人目の多いところで、裸になるなんて……」

「ヘッヘー、残念でしたァ」
「下に水着、来てますゥ」
「オヤジったら、慌て過ぎなんだって」

 シエラ、シリカ、シーヤの3人娘は、ケラケラと笑いながらボクをからかった。

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