ラノベブログDA王

ブログでラノベを連載するよ。

王道ファンタジーに学園モノ、近未来モノまで、ライトノベルの色んなジャンルを、幅広く連載する予定です

2023-01-01から1年間の記事一覧

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第39話

オンボロ車の事故 「言われて見りゃあ、カケル氏が親である重蔵氏に、隠し子の存在を明かす必要は無いよな?」 真新しいドーム会場に集った、観客の誰かが言った。 「男って、ホンット無責任よね。でも確かに、あえて言う必要は無いわね」「だ、だろ。オレだ…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP015

ある若き板前の断言 大柄な若き板前が、華麗な包丁さばきで新鮮なイカを細切りにしていた。そこは静岡の海鮮市場にある食堂で、看板には野洲田(やすだ)食堂と書かれている。 「野洲田さんトコの倅(せがれ)さん、戻ってたのかい?」 日焼けした中年男が、…

一千年間引き篭もり男・第09章・10話

コピーとオリジナル 宇宙戦闘空母クーヴァルヴァリアは、左舷後方に被弾をしながらも、マーズの別動艦隊から逃亡を図っていた。 「敵艦隊を、引き離しつつある。取り付いたアーキテクターを、各個撃破すれば終わりだ」 シルヴィアのアタ・ランティが、仲間の…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・102話

神の血と人間の血 「神の血を引く、大将軍か。だが神など、本当に存在するのか?」 ダエィ・ダルスの工房(アトリエ)で、ケイダンが工房の主に質問する。 「どうだなか。だがこの世界には、神の血(イー・コール)を引くとされる人間も、少なからず存在する…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第38話

遺言状の真贋(しんがん) 「2通目の遺言状の在り処は、重蔵氏の自室にある、古びた置時計の内側と書かれていた」 マドルが読み進める竹崎弁護士の日記が、当時の様子を呼び覚ます。 「わたしも立ち合い、警察の警部ら数人と置時計の内側を探った。置時計の…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP014

ある汗ばんだ筋肉男の潜水 「1012、1013、1014、1015……」 部屋の中から、汗ばんだ筋肉男の声が聞こえる。 「先日の試合、2対14と言う屈辱的な大敗を喫(きっ)したでありますからな」 部屋には、ところ狭しと戦闘機や銃のポスターが貼ら…

一千年間引き篭もり男・第09章・09話

女王を護る騎士(ナイト) 「帰って来たか、宇宙斗艦長。クーリアお嬢様とは、上手くヤレたのかよ?」 宇宙に出たボクに、下品な挨拶をするプリズナー。 「さあな。それより、宇宙船を収容してくれるそうだ」「マジかよ。だが敵の艦に、逃げ込むってのもな」…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・101話

不死の大将軍 「オイ、どこまで逃げるつもりだ」 瀕死のサタナトスを抱えながら迷宮回廊を走る、ティ・ゼーウスが問いかける。 「この先に、わたしの工房(アトリエ)がある。この迷宮を、建設していた当時のな……」 ダエィ・ダルスが、答えた。 「ココだ」「…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第37話

蝋燭印(シーリングスタンプ) 「吾輩は、竹崎弁護士が生前に、書き記していた日記を開いた」 弁護士事務所の机で、日記を開く仕草をするマドル。 「もちろん、捜査令状も取らないで行った、越権行為である。この時の吾輩は、ハリカさんを護れなかった罪悪感…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP013

あるピンク色の髪の高校生の宣言 ピンク色の髪の高校生が、店の床に散らばった髪の毛を掃除している。 「遠光。お前だって疲れてるだろうに、アタシがやるからイイよ」 白い服に身を包んだ、中年の女性が言った。 店には年季の入った椅子が3脚並んでおり、…

一千年間引き篭もり男・第09章・08話

襲撃の宇宙戦闘空母 「ゴメン、クーリア。無神経が過ぎるな、ボクは……」 慌ててスプーンを拾おうとするも、シルヴィアさんに先に拾われてしまう。 クーリアの顔を伺うと、俯(うつむ)いたまま目を閉じていた。 思えば火星では、パルク・デ・ルベリエでの華…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・100話

地下闘技場の死闘の決着 クレ・ア島の周辺海域で、艦隊戦が繰り広げられる前まで、時は遡(さかのぼ)る。ラビ・リンス帝国の名前の由来となった地下迷宮では、サタナトスとミノ・ダウルス将軍による戦いが佳境を迎えていた。 「オレが、援護してやる。サタ…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第36話

少女探偵の焦燥 「吾輩は、警部に館の現場を任せて、1人で竹崎弁護士の事務所を訪れていた。主を失った建物だったが、事務所の看板はそのまま架け変えられずにいた」 舞台で、状況説明をするマドル。もう何度目かの光景であり、事件がクライマックスに近づ…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP012

2人の高校生と動画編集2 「日高グループが出て来たら、なんかマズいのか?」 動画製作会社のパソコンデスクに座った、真っ黒に日焼けした高校生が、社長に質問した。 「アホやな、お前は。相手は、日本を代表する芸能プロダクションやで。ウチなんか、比べ…

一千年間引き篭もり男・第09章・07話

ロココ様式の艦 「まるでベルサイユ宮殿にでも、来たみたいだ」 そこが宇宙空間に浮かぶ、巨大な艦の中であるコトが、俄(にわ)かには信じられなかった。 「アレは、バロック様式の建築ですわ。この艦の部屋は、全てロココ様式なのですよ」 クーリアがしっ…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・99話

海戦の決着 「野郎ども、これより撤退戦を開始する。アル・ゴゥース号が離れたら、アドゥル艦隊旗艦に1斉放火を浴びせてやれ!」 イアン・ソーンは、肩にメリィ・ディアーを抱えたまま、アル・ゴゥース号へと跳び乗った。 「イアン、キサマ逃げる気か!」 …

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第35話

遺言状の謎 「彼女の……ハリカさんの直接の死因は、断定できたのかい?」 心を許せた同年代の少女の、死んだ理由を聞くマドル。 「絞殺だ。発見された首と身体の両方に、ロープの跡があった。だが彼女の手からは、ロープに関する付着物は発見されなかったぜ」…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP011

2人の高校生と動画編集1 デッドエンド・ボーイズの事務所も入っている3階建てのビルは、元は印刷会社であり、チームはビルの3階を間貸りしていた。 「なんや、クロ。お前も、来とったんか?」 金髪ドレッドヘアの高校生が、事務所の入っている下の階の扉…

一千年間引き篭もり男・第09章・06話

現実味の無い世界 火星にて観艦式を終えた途端、時の魔女による襲撃を受けた、クーヴァルヴァリア。曲線を多く用いた真っ白な船体は、艦名の由来となった少女のように、気品と優雅さを漂わせていた。 「クーリア。今のキミは、時の魔女に操られてはいないの…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・98話

神槍と魔銃 紺碧の大海原にて、艦隊の旗艦同士が衝突し、激しい甲板戦が繰り広げられていた。荒々しい海の男たちのカトラスが、互いに斬り結び火花を散らす。 「アドゥル。お前の槍は、まさか!?」 マストにかかるロープを片手で握りながら、イアンが言った…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第34話

捜査の順番 「ハリカさんの首が発見された寺の現場にて、吾輩は警部と検証を行った。現場では当時、タミカさんが倒れて発見されおり、人命を優先したために大くの人の足跡が残ってしまっていた」 マドルが、嗅俱螺 墓鈴架(かぐら ハリカ)の首が発見された…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP010

ある優等生2人の戦略(タクティクス)4 「ミス・シャルロット。ご自身のブランドを立ち上げるとのコトですが、我々のクラブのスポンサーになっていただけると言うのは、本当でしょうか?」 赤茶色の髪の優等生が、自然な所作(しょさ)でハンバーガーショ…

一千年間引き篭もり男・第09章・05話

クーヴァルバリア 「クーリア……キミの艦へ?」 ボクを、自身の名を冠する艦へと招こうとする、クーヴァルヴァリア・カルデシア・デルカーダ。 「わたくし共は、宇宙斗艦長に危害を加えるつもりは、一切ございません。宇宙の長旅で、お疲れでしょう。どうか我…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・97話

甲板戦 大海原で衝突した、2隻の艦隊旗艦。甲板戦の準備にとカトラスを抜く、互いの艦の乗組員たち。 「メリィ・ディアー。キミは船倉にでも隠れていろ。ここからは、血生臭い乱戦が始まる」 日焼した、海の男が言った。彼は黒い艦隊の司令官で、旗艦アル・…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第33話

打ちひしがれる探偵 「彼女……ハリカさんに、護衛は付いていなかったのか!?」 マドルが、伯父に苛立ちをぶつけるように言った。 「女の捜査官1人と、女中1人を同室にさせていた。だが2人とも、昏睡状態でクローゼットの中から発見されている」 姪の怒り…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP009

ある優等生2人の戦略(タクティクス)3 催事用のビルで行われている、中部企業・国際フォーラムの会場を歩く2人の優等生。彼らの手には、多くの名詞が握られている。 「雪峰くんも、やるじゃないですか。技術(テック)系の企業を中心に、3社も名詞交換…

一千年間引き篭もり男・第09章・04話

再会のクーリア 「艦長、敵影を見て見ろ。アレは……」 バル・クォーダで、宇宙に飛び出したプリズナーの声に、複雑な感情が絡んでいた。 「あ、あの巨大なサブスタンサーはッ!?」 ボクも、直ぐにその理由を理解する。 星の瞬く宇宙にあっても、その巨大なサ…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・96話

大海原の戦い アル・ゴゥース号と呼ばれる艦隊の旗艦は、船首に黄金に輝くライオンの像を掲(かか)げ、船体は黒く船尾には3層の立派な船尾楼を持つ。3本の4角帆メインマストに風を受け、艦の側面には大砲が2列に渡って並んでいた。 「港以外の軍事施設…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第32話

第3の犠牲者 「シャワーを浴びていた吾輩は、大柄の黒い影によって襲撃された」 マドルの声が、観客たちに経緯(いきさつ)の説明を始める。 「シャワー室の曇りガラスを割られ、暗闇の中で首を絞められた吾輩は、気を失ってしまう。飛び散ったガラスが脚に…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP008

ある優等生2人の戦略(タクティクス)2 催事場やビジネス用途で使われるビルの前に、『中部企業・国際フォーラム』と、銘打たれた白い立てかけ看板が立てられていた。ビル周辺の道路や公園には、多くの人だかりが出来ている。 「ここが、会場のビルだな」 …