ラノベブログDA王

ブログでラノベを連載するよ。

王道ファンタジーに学園モノ、近未来モノまで、ライトノベルの色んなジャンルを、幅広く連載する予定です

2023-01-01から1年間の記事一覧

一千年間引き篭もり男・第09章・18話

ステュクス少佐 「ステュクス少佐……確かステュクスって、冥界を流れる河の名前だったな」 1000年前の記憶を頼りに、ボクは言った。 「ステュクス少佐の、部下の名前も解りますか?」 取調室のコリー・アンダーソン中佐に問いかける、クーヴァルヴァリア…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・110話

少女たちの乱戦 縮地の剣で間合いを飛ばした、ブリィ・ネの1撃が、ティンギスのヒーターシールドで防がれる。 「チッ、余計なマネしやがって!」 モスグリーンのお下げに白い肌、バイオレットの瞳の少女は、後ろに跳んで間合いを取った。 「お前ら、大丈夫…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第46話

短絡的な警部 「あのババア、10年以上も病に伏せってんのに、まったくくたばる気配も無い。必至に看病してやってんのに、感謝の言葉すら無いんだからねェ。頭にも、来るってモンさ」 延々と愚痴を吐き続ける、藤美の声。 「嫁と姑(しゅうとめ)の関係……そ…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP022

ギルバート ハンバーガーショップを出たボクと沙鳴ちゃんは、再びライブハウス・ギルバートの前に立っていた。 「実はわたし、お兄ちゃんと1回だけ、こんな感じの地下ライブハウスに来たコトがあるんです」 ライブハウスの、地下へと続く階段を覗き込みむ沙…

一千年間引き篭もり男・第09章・17話

非道なる尋問(じんもん) 「なにを聞いたって、ムダだよ。わたしは、目覚めたばかりなんだ。この世界について、知ってるコトと言ったらたかが知れてるからね」 宇宙戦闘空母クーヴァルヴァリアの取調室にて、息巻くコリー・アンダーソン中佐。彼女はクロー…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・109話

縮地の剣 闘技場の破壊され無残な姿となった観覧席では、ミノ・アステ女将軍の配下だった12人の少女たちが、奴隷を装って侵入して来た4人の少女と相対していた。 「ヤレヤレ、血気盛んな娘たちだぜ。お転婆にも、ホドがあンだろ」 貝殻で装飾された黒色の…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第45話

業(ごう) 「警察は、ハリカさんや捜査員たちを眠らせた、紅茶に入れられた睡眠薬の出どころを洗ったのです。そして、地元の有力者でかつては医者でもあった、ある男に辿り着きました」 マドルの猫のような瞳が、1層鋭くなる。 「元医者の名前は、木澤 衆…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP021

体育教師の学年顧問 ハンバーガーショップの多人数掛けの席に、厳(いか)つい男が3人座っている。 「ところでよ。厳煌(げんこう)のヤツは、まだ威張り散らかしてやがんのか?」 下級生の残していったフライドポテトをつまみ食いしながら、題醐さんが言っ…

一千年間引き篭もり男・第09章・16話

女VS女の戦い 上半身のみとなったペルセ・フォネーは、長い紫色の髪で自身とゼーレシオンを締め付ける。 「女の髪に巻き付かれて、死ぬのも悪くは無いだろう。このままアタシと共に、宇宙の藻屑(もくず)となっちまいな!」 コリー・アンダーソンの声が、…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・108話

好戦的な少女たち サタナトスたちが、次元迷宮(ラビ・リンス)の最深層にある部屋に捕らわれていた頃。地上の闘技場では舞人たちが、ラビ・リンス帝国を打倒するために周辺諸国が送り込んで来た刺客たちと、戦いを繰り広げていた。 「フッ、拙者とここまで…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第44話

影の首謀者 「シャワー室を出たハリカさんは、自室に戻って睡眠薬入りの紅茶を自身も飲んだ。モチロン犯行を、マスター・デュラハン……レインコートの男の仕業に見せる為の工作さ」 「なる程な。そうなりゃ、警備の2人と自分を合わせた3人の体内から、睡眠…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP020

仏教高校 向かいにあるライブハウスを見張ろうと入ったハンバーガーショップで、ボクはスカウトターゲットだった題醐 鷹春(だいご たかはる)さんと遭遇する。 「ダーリン、あの人こっちに来るよ!」 隣の椅子に座った、沙鳴ちゃんが言った。 「ア~、そこ…

一千年間引き篭もり男・第09章・15話

紫色の抱擁(ほうよう) 「宇宙斗艦長、後ろ来てるぜ」 プリズナーの叫び声が、ゼーレシオンの触角を通してボクの脳裏へと伝わって来た。 「わかっているさ」 全てを斬り裂く剣(フラガラッハ)が、背後の敵を両断する。 宇宙戦闘空母クーヴァルヴァリアは、…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・107話

時間と空間の牢獄 斬り取られたいくつもの空間が、断続的に連なった異次元の塔。その頂点へと続く赤い糸を追って、サタナトスたちは次元を移動していた。 「かなり、上まで昇って来たな。オレのハートブレイカーの糸も、あと少しだぜ」 ティ・ゼーウスの手に…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第43話

シャワー室の真実 舞台に、車の頼りないエンジン音が鳴り響く。 「お前よォ。寄りによって、そんな高いドレス買いやがって。オレの1ヶ月分の給料、余裕で越えてるぞ!」 警部の太い声が、愚痴を言った。 「お陰で、誰も吾輩と気付かなかったじゃないか。館…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP019

ハンバーガーショップと自動レジ ボクと沙鳴ちゃんは、ライブハウスの前に立っていた。 「ロックハウス、ギルバード?」 ポニーテールの少女が見上げる店の全面に、お洒落な書体(フォント)で店名が刻まれている。 「1階は、バンドのTシャツとかグッズ売…

一千年間引き篭もり男・第09章・14話

1000年前の言葉 ボクは、クーヴァルヴァリア・カルデシア・デルカーダと、1夜を過ごした。昼夜の無い宇宙空間に置いて、1夜と表現して良いのかは判らないが……。 「お目覚めですね、宇宙斗」 クーリアが、ボクを呼び捨てに呼んだ。 「あ、ああ。クーリ…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・106話

ダエィ・ダルスの塔 「なんと言うコトだ。我が息子が、既に死んでしまっていたなどと……」 地下迷宮(ラビ・リンス)の終着地点にある部屋で、膝(ひざ)を落とし崩れ落ちる大建築家。 「お前の息子は、とくに王の寵愛を受けていた。故に、星砕き(アステリオ…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第42話

遺言状と封筒 「すまねェが、コイ……彼女は、事件の参考人でな。例の遺言状の、照会をしてェんだが」 警部の野太い声が、言った。 舞台には、美目麗しいドレス姿の少女が立っている。先ほどまでは男装の麗人だった、神於繰 魔恕瘤(かみおくり マドル)と同一…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP018

もう1冊のノート 「山の背学園って、ウチの隣にある学校ですよね。歩きだと、けっこう離れてるケド」 土手の上を突き抜ける道を、軽快に進む沙鳴ちゃん。中等部の夏服である、白のセーラー服に、紫色のスカートが可愛らしい。 「うん。でも、も、もう直ぐだ…

一千年間引き篭もり男・第09章・13話

宇宙(そら)の王子様 ボクたちと宇宙戦闘空母クーヴァルヴァリアが、マーズの別動艦隊と接触し戦闘となってから、2日くらいの時間が経過していた。 「地球に居た頃は、1日の時間なんて当たり前に同じだと思ってたケド、宇宙に出てしまうと、何を1日の尺…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・105話

ミノ・ダウルスの真実 地下迷宮の行きつく先の、荘厳な間の玉座に座る、豪奢なローブを纏(まと)った白骨。 「これが、ミノ・リス王の成れの果てかよ。コイツのお陰で、どれだけ多くの血が流れたと思ってる!」 ティ・ゼーウスは、ハート・ブレイカーを実体…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第41話

舞台袖の推理 「オイ、マドル。一応、言って置くがよ。元来お前は、警察の人間じゃない」 車のハンドルを握っているであろう、警部の声が言った。 「言われるまでも無い。吾輩の本職は、探偵なのだからね」 舞台のマドルが、素っ気ない顔で答える。 「たたで…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP017

妹みたいな女のコ 「いいか、一馬。デッドエンド・ボーイズ、最大の弱点はキーパーだ。海馬コーチには申し訳ないが、早急に改善しなきゃならないポイントでな。また、頼めるか?」 御剣 一馬は、夕暮れの公園で、倉崎 世叛に言われたコトを思い出していた。 …

一千年間引き篭もり男・第09章・12話

シャワーの水滴 紫色に輝く長い髪を持った、女性的な外装をした漆黒のサブスタンサーが、同じ色の艦の格納庫へと着艦する。 『コリー・アンダーソン中佐、帰還されました』 艦内に、女性の声のアナウンスが流れた。 「まったく気に喰わないね、あのジイさん…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・104話

神の血を引く者 「ミノ・ダウルス……キミは、ボクの下僕(しもべ)かのかい?」 大将軍を剣の能力で大魔王に変化させた、サタナトスが問い質す。 「オレは、誰に下にも付かぬ。ただ1人、父を除いてはな」 大魔王と化していたミノ・ダウルスは、言って退けた…

この世界から先生は要らなくなりました。   第11章・第40話

交通事故の詳細 「オイ、マドル。館の娘夫婦の交通事故って……まさか!?」「ああ。伊鵞 光瑠(いが ひかる)さん夫妻の、事故のコトだろうね」 警部の問いかけに、答える少女探偵。 「なあ。その事故について、アンタ詳しいのか?」「どうでしょうか。自分も…

キング・オブ・サッカー・第10章・EP016

ある陰謀論者と料理人 黒髪で長身の男が、カフェの片隅でノートパソコンのキーを叩いていた。 「やはりか。日高グループの背後にも、かのドイツ系の名族が関わっていると見て、間違いないようだな。早急に、皆にも知らせねば……」 ノートパソコンには、文章作…

一千年間引き篭もり男・第09章・11話

冷凍睡眠者とコピー 火星圏への帰路にて、マーズの別動艦隊の追撃を受けるボクたち。宇宙戦闘空母クーヴァルヴァリアの防衛のため、ゼーレシオンは敵のサブスタンサーと交戦していた。 「やるね、アンタ。見ないサブスタンサーだケド、オリジナルかい?」 ペ…

ある意味勇者の魔王征伐~第13章・103話

神と悪魔の申し子 サタナトス、ケイダン、ティ・ゼーウスの3人の少年の前に姿を現わした、牛頭の巨人。大将軍が纏(まと)っていた、五芒星のデザインされた黄金の鎧を身に着け、頭部には2本の角の生えた黄金の兜を被っていた。 「こりゃあ、本当にあのミ…