ラノベブログDA王

ブログでラノベを連載するよ。

王道ファンタジーに学園モノ、近未来モノまで、ライトノベルの色んなジャンルを、幅広く連載する予定です

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

一千年間引き篭もり男・第02章・02話

遠すぎた未来 「このコの髪……よく見ると……色も黒じゃない。栗色で……それに少しクセ毛だ」 色もだが、黒乃のクワトロテールは顔の横で結んでいたのに対し、少女のはもっと下の方から四つに分けてあった。 「顔も黒乃と比べると、子供っぽいって言うか……幼いっ…

萌え茶道部の文貴くん。第三章・第七話

対案 オワコン棟の部活を存続させる計画は、始動した。 学校や生徒会に突きつけるための、『対案』の作成に入る。お陰で、以前なら橋元と渡辺がいるだけの茶道部の部室が、活況をていしていた。 キワモノ部の部長たちは、自分たちの部活に戻って意見を取りま…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・10話

八つ裂き 「蒼き髪の少年よ……」「そのまま消滅させてしまえ」 ネリーニャとルビーニャが、ボソリと言った。 「グヌヌッ!? よく考えれば三百年前、我が主『ルーシェリア・アルバ・サタナーティア』様に戦いを挑み、敗れて地の底に封印されていたハズなのに……

一千年間引き篭もり男・第02章・01話

三十一世紀へようこそ 悠久の時は、何時ものペースで時計の針を回し続ける。その間も人類は相変わらず戦争をし、テロを行い、大勢の人間が死んだ。 けれども、脳まで凍り漬けとなったボクには、幾星霜の時が流れたのかさえ知る術も無かった。 『ドンドン』と…

萌え茶道部の文貴くん。第三章・第六話

天の川 『オワコン棟のキワモノ部・部長たちによる会議』が終って、学校は静まり返る。 散々悪口を言われた橋元は、下駄箱の前で一人ため息をついた。「まったく、生徒会長ってのも大変だぜ。厄介ごとは一手に押し付けられるは、何かあったら悪役にさせられ…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・9話

人間になりたい 「こ、これは『ルーシェリア大魔王殿下』ではありませんかぁ~!」 土下座をした、富の魔王『マモン・アマイモン・マンモーン』は、双頭の鳥の頭だけ上げる。「そのようなお姿なので、気付きませんでしたぁッ!!! 」「フム。話せば長くなる…

一千年間引き篭もり男・第01章・07話

永い永い引き籠り 時代に忘れられた廃坑の奥の、暗闇に輝く二つのカプセル。 「キミは……この装置で何をする気なんだ? ボクにこの装置で、『未来永劫引き篭もれ』って言うのか?」 黒乃は何も言わずカプセルを降りると、胸のブラジャーを左手で隠しながら装…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・8話

富の魔王 「なんか、メチャクチャ派手な城だね?」 城は、えげつないくらいに金ピカに輝き、細部にはあやゆる色の宝石が散りばめられている。決して均整の取れた美しさではなく、むしろ醜悪ささえ感じるくらいに無意味に配されていた。 「ヤツの趣味でのォ。…

萌え茶道部の文貴くん。第三章・第五話

三献の茶 渡辺は右手の中指で、メガネの中央部をクイっと上げると、みんなに語りかけた。 「『耐震補強もままならない、老朽化した部室棟を解体する』……。ここまでは、生徒の安全を考慮しなきゃならない立場の学校側にも、正当性がある」茶道部に集った各部…

一千年間引き篭もり男・第01章・06話

五種類のアイス ボクは彼女が、下着は身に付きけているのを後ろ目に確認する。 すると、ボクの手の上に黒乃の華奢な手が重ねられ、装置のスイッチが押された。「装置が……起動した……?」 カプセルは異音を立てながら輝きを放ち始め、辺りの岩盤を明るく照らし…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・7話

少年と剣士 一行は再び、『ルーシェリア配下の魔王』が住むという城のある山を登り始める。 「ネリーニャ、ルビーニャ……大丈夫? キツくない?」「フン……我は死霊の王なるぞ!」「この程度の山道で根を上げると、思っておったのか?」 虚勢を張る双子たち。…

一千年間引き篭もり男・第01章・05話

廃坑 「あの山を登るわ。大丈夫かしら」 時澤 黒乃は、遠くの山を指差して言った。 「ああ、あれくらいなら……別に」 ボクはどうやら、女の子の前で強がっているらしい。 「じゃあ行きましょうか? 道は判ってるから、先導するわ」 時澤 黒乃は軽快に歩き始め…

萌え茶道部の文貴くん。第三章・第四話

曜変天目 「それにしても、随分と個性豊かなお茶碗ですわねえ? わたしのなんて黒光りしてて、変ったマダラ模様になってるわ?」 ナース服に残念な体を包んだ香住 癒音が、飲み終えた抹茶茶碗を不思議そうに眺めている。 「それは『曜変天目』に近い模様の茶…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・6話

ネリーニャとルビーニャ 「パレアナ嬢。知れば、キミにまで迷惑が及ぶ可能性もあるので、余り詳しくは話せないが、とても重要な用件なのだ。知っていることを全て話して欲しい……」 「ええッ! そんな大変なことに、巻き込まれちゃってるんですか、舞人は……!…

萌え茶道部の文貴くん。第三章・第三話

抹茶の温度 「ふぅ~ん? 橋元ちゃん、理事長の娘と許嫁なんだぁ~?」 ナース服姿の香住 癒音も、スレンダーな体を頑張ってくねらせて橋元に迫る。 「理事長の娘である副会長に頭が上がらないから、今回の件に文句の一つも言えない……ってコト?」 未知との…

一千年間引き篭もり男・第01章・04話

エリス その日の放課後、ボクはチャラ男に校舎の屋上へと呼び出され、ボコボコにされた。 いくら腹が立ったとは言え、女の子に手を挙げるワケにも行かなかったのだろう。「……その代役が……ボクかよ。アイツからすれば……妥当な判断か?」 散々殴られた後、屋上…

萌え茶・001『南 ことり』と『有田焼』

『南 小鳥』と『カチュリーン』 萌え茶 ラノベブログ作品『萌え茶道部の文貴くん。』の主人公、渡辺 文貴が、『萌え茶』と称しているのは、大体こんなイメージです。 茶道とは~『侘び・寂び・萌え』の三つの要素を、取り入れなければならない。 ……との戯言…

萌え茶道部の文貴くん。第三章・第ニ話

茶会型部活会議 会議は、きっかり一時間後に開かれた。 各部活の内部で意見がまとまらず、会議もお流れになれば……という橋元の目論見は見事に崩れ去る。元々部員たちに『意見の相違』など無かったからである。 オワコン棟に拠点を置く、十の部活の九人の部長…

ある意味勇者の魔王征伐~第5章・5話

女性から見た世界 覇王パーティーが誇る双子司祭は、ニャ・ヤーゴ城の台所に立っていた。 「リーセシルにリーフレア、悪いこたぁ言わねえ。それはただの『岩盤みたく硬てえ消し炭』だ」 クーレマンスが、双子姉妹のありがた迷惑な料理を引き留める。「お礼の…

一千年間引き篭もり男・第01章・03話

ありふれたもの けれども黒乃は、大体正解と言ったのであって、ボクの答えは完全に正解では無かった。 「ただし、核融合反応によって生み出せるのは『鉄』までであって、それ以上の重たい物質は『β崩壊』によって造られるのよ。方法としては、加速器を使って…