ラノベブログDA王

ブログでラノベを連載するよ。

王道ファンタジーに学園モノ、近未来モノまで、ライトノベルの色んなジャンルを、幅広く連載する予定です

萌え茶道部の文貴くん。第三章・第三話

f:id:eitihinomoto:20190808162902p:plain

抹茶の温度

「ふぅ~ん? 橋元ちゃん、理事長の娘と許嫁なんだぁ~?」
 ナース服姿の香住 癒音も、スレンダーな体を頑張ってくねらせて橋元に迫る。

「理事長の娘である副会長に頭が上がらないから、今回の件に文句の一つも言えない……ってコト?」
 未知との遭遇部の愛澤 柚葉も続けた。

「オレが沙耶歌に逆らえず、尻込んでいる……だと!? 流石は裏で、学校中のウワサ話を牛耳る涼香ちゃん。情報戦に置いては右に出る者はいない……みた~いな?」
 おちゃらけて見せる橋元だったが、渡辺には動揺しているのが見て取れた。

「ふざけないでいただけますか、橋元様」
 メイド流剣道部・部長 御子神 涼香は、僅かに怒りを表情にする。
「……ご返答を、お聞かせ下さい!」

 橋元は、口元にシニカルな笑いを浮かべて答えた。
「ああ……そうだよ? だって、沙耶歌に逆らうの、面倒臭いしィ~」

「……認めちゃってるよ? 前々から、いい加減なヤツだとは思ってたケドな!」
 開き直る橋元に、愛澤 柚葉の、宇宙人の触覚付きカチューシャが横に揺れる。

「生徒会長ったって、副会長の尻に敷かれてるんじゃ意味無いアル!」
 チャイナ服少女の一条 明美も、分かりやすく頭を沸騰させている。

「全くさ! 学校から何を言われても、ハイハイ聞くだけって……ダサ過ぎ!」 
 目を赤く腫らした巫女風レオタード姿の天原 礼於奈が、悔しさを滲ませ吐き棄てた。

「それは言い過ぎだよ、愛澤さん、明美ちゃん、天原さん」
 『未知との遭遇部』、『チャイナ服少女・復権友の会』、『巫女・美娘ダンシング部』の部長が後ろを振り向くと、そこには茶道部の部長が立っていた。

「何でさ、渡辺! あんた悔しくないの?」
「いきなり自分の好きな……さ! 大好きな部活を取り上げられちゃうんだよ!」
「そうアル! 絶対、納得行かないアル!」

「少し冷静になろうよ。まずは抹茶でも呑んで……冷めちゃうからさ」
 渡辺は優しい口調で、愛澤 柚葉と天原 礼於奈、一条 明美に茶を勧めた。

「みなさんも、少しクールダウンしましょう。甘い和菓子も心を落ち着かせますよ」
 一同は、渡辺の言葉に従った。
恐らく、それが正しいのだと感じたからだ。

「どうです? 我が茶道部の抹茶の味は?」
 渡辺は、『本日の議題』とは全く関係の無い質問を、集まった一同に投げかけた。

「あ……これおいしいガオ!」最初に反応したのは、恐竜なりきる部の海野 龍穂ちゃんだ。
「ホントだぜ。抹茶ってのも意外といけるねえ?」
 アスファルト研究部の工藤 梢も、抹茶茶碗を豪快に掴み、一息に飲み干した。

「それに、この抹茶の温度……。熱過ぎず、ヌル過ぎず、最適な温度ですわ。メイド流剣道部でも紅茶をたしなみますが、これは中々の温度管理……お見事です」
 御子神 涼香も、渡辺の茶を称賛する。

「でもそれっておかしくないか? ボク達はこれまで、随分と白熱した議論を戦わせて来ただろ? 確かに今は調度良い温度だけど……」
 迷彩水着にジャケット姿の栗林 伊吹が、異論を唱えた。

「なるほどアル。たまたま今、調度いい温度になってただけアルか?」
 ミニのチャイナ服の下にミニスカートを履いた、一条 明美も同意する。

「皆さんが美味しく飲んでいただければ……それだけで満足ですよ」
 渡辺は『抹茶の温度の問い』については、何も答えなかった。

 

次回・曜変天目

萌え茶道部の文貴くん。第三章・第四話 - ラノベブログDA王