廃坑 「あの山を登るわ。大丈夫かしら」 時澤 黒乃は、遠くの山を指差して言った。 「ああ、あれくらいなら……別に」 ボクはどうやら、女の子の前で強がっているらしい。 「じゃあ行きましょうか? 道は判ってるから、先導するわ」 時澤 黒乃は軽快に歩き始め…
曜変天目 「それにしても、随分と個性豊かなお茶碗ですわねえ? わたしのなんて黒光りしてて、変ったマダラ模様になってるわ?」 ナース服に残念な体を包んだ香住 癒音が、飲み終えた抹茶茶碗を不思議そうに眺めている。 「それは『曜変天目』に近い模様の茶…
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