ラノベブログDA王

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キング・オブ・サッカー・第五章・EP005

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チームの成り立ち

「や、やあ、オタクらがデッドエンド・ボーイズだね。ボクは、サーフィス・サーフィンズの代表をしている、佐藤だ」
 リュックサックを背負っている人の中で、一番背の高い人が言った。


「代表って、まるで倉崎さんみてーじゃねえか」
「そうだ、紅華。チーム名のサーフィス・サーフィンズは、IT企業の社名でもあってな。佐藤さんは会社の、代表取締役をされている」

「そんじゃ佐藤……さんは、ホントのちゃんとした社長なのか」
 無理やり尊称を付ける、黒浪さん。
「確かに倉崎さんって、あんま社長って感じしね~しな」

「ちなみに、何をされている会社なのでありますか?」
「え……ああ。ストリーミング動画などの、制作代行サービスだよ」
「企業のIT関連の、コンサルティング業務もやってますね」

 リュックサックの人たちが、名刺をテーブルに置いたので、ボクも名刺を返す。

「一馬、オメーいつも名刺なんか、持ち歩いているのかよ」
 だって便利なんだよ、これ。

「ところで佐藤さん達は、なんでフットサル大会に参加したんスか?」
「確かに、あんまサッカー上手そうじゃ……あ、ゴメン」

「いやいや、それは事実だから気にしないでくれ」
 佐藤さんがリュックを降ろして席に座ると、他の人たちも続く。

 けれども、サーファーっぽいドレッドヘアの人だけ、離れた席にドカッと座った。

「なんだか1人だけ、毛色が違う気もするんだが?」
「イヤ、完全にアイツだけサーファーじゃん」
「ワザと言葉を濁してんだよ、駄犬が!」

「お前ら、その辺にして置け。ですが、何かワケがあるみたいですね?」
 紅華さんと黒浪さんの仲裁に入ったキャプテンが、さり気なく質問する。

「色々とね。我々がフットサル大会に出場する羽目になったのも、実は彼がきっかけなのさ」
 佐藤さんが、ため息交じりに言った。
当の本人は、店員さんを呼んで注文を取っている。

「なる程……そう言うコトですか」
 柴芭さんが、何時ものようにカードを扇状に広げ、1枚を抜き取った。

「オイ、エセ占い師。どんなカードを引きやがったんだ?」
「相変わらず失礼だね、キミは。引いたカードは、『吊られた男』。逆位置さ」
「なんかオレら全員、逆位置のカードを引いてないか?」

「で、意味は何だ?」
「徒労に終わる努力、自暴自棄ってところかな」
 占いを聞いたサーフィス・サーフィンズの人たちは、顔を見合わせ苦笑いを浮かべる。

「彼のコトを話す前に、少し話を戻そうか」
 佐藤さんは、店員さんに向かって手を挙げた。

「我々の会社の社名である、サーフィス・サーフィンズってのは、ネットゲームをやってた頃のチーム名でもあるんだ」
「MMORPGって、解かるかな。正確に言えば、そこで佐藤さんが創ったギルドの名前なんです」

「ああ、何となく聞いたコトあるぜ」
「みんなで集まって、ドラゴンとか倒すヤツだろ?」
 2人のドリブラーは、運ばれて来た目玉焼きハンバーグを食べながら言った。

「オレたちのギルドは、まあ当時の最強ギルドの一角を占めていてさ」
「だけど次第に、ゲーム自体が下火になってしまってね」
「過疎っちまってサーバー誰もいねーし、解散するかってチャットしてたらさ」

 サーフィス・サーフィンズの人たちも、順番に話しながら、空いた人が注文を取っている。

「佐藤さんが、だったらみんなで会社を立ち上げようって、言ったんだ」
「最初はね。成功するなんて思ってなかったのよ」
「でも時代は、空前のストリーミング動画ブームだろ」

「つまり、上手く時代の波に乗れたってコトっスか?」
「アハハ、そうだね。サーフィンだけに」
 佐藤さんが、場の雰囲気を凍り付かせた。

「佐藤さん、それが無けりゃいい人なんだケドな……」
「で、彼もそのメンバだったんスか?」
 紅華さんが、後ろの席でステーキを食べ始めた、金髪ドレッドの人に視線を投げる。

「イヤ。金刺くんは、最近契約したアルバイトのコだよ」

「え、バイトォ。あいつ……あの人、バイトなんスか?」
「金刺くんは、キミらと同じ高校1年だ」

「高校生のバイトが、フットサル大会に出場するきっかけって、なんでェ!?」
「まあ、彼がウチに入った動機が……ね」
 眼鏡を外し、拭き始める佐藤さん。

「彼は、サーフィンのサーフボードを作っている会社だと思って、ウチの面接に来たんだ」
 デッドエンド・ボーイズのみんなの視線が、一点に集まった。

「そりゃそうやろ。サーフィン、書いてあんやからよ」
 金刺さんは席を立つと、ボクたちの前までやって来て、腕を組んで仁王立ちをした。

 

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