ラノベブログDA王

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キング・オブ・サッカー・第六章・EP039

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ウチのクラスの委員長

「一馬、お前が立ちはだかるか……」
 紫色のユニホームに身を包んだ、ボクのクラスのクラス委員長が言った。

 千葉委員長は、誰とも喋らないボクと違ってクラスの人気者で、人望もとうぜん厚い。
岡田先パイたちに酷い目に遭わされた、千葉 沙鳴ちゃんのお兄さんで、今日の試合もなにか決意みたいなのを感じる。


「ここは、通させてもらう!」
 強引にボクを抜きにかかる、千葉 蹴策委員長。
だけど、ソレとコレとは話が別だ。

 抜かせるワケには、行かない!
今、デッドエンド・ボーイズは、ボクが監督の指示を伝えられなかったせいで、雪峰キャプテンがボランチから外れちゃってる。

「フッ、抜かせる気は無いみたいだな。アイツが、その気になるのも判るぜ」
 ……ヘ、アイツって??
委員長の言葉に、心の隙が生まれた。

 あッ!?
緩急の差のみで、ボクを抜き去る千葉委員長。

「まだで、あります。ボランチは、もう1枚いるであります!」
 ボクを抜いたコトで、委員長のボールが少し前に離れる。
そこを、杜都さんが狙っていた。

「ロックオンであります!」
 得意のタックルで、ボールを奪取しようと試みる。

「クッ……ここはあえて……」
 委員長は、その場でストップした。
委員長の背中を追っていたボクは、危うくぶつかりそうになる。

「し、しまったであります!?」
 委員長とボールを競り合うつもりでいた杜都さんのタックルが、ボールを弾き飛ばしてしまう。

「よし、桃井にボールが出たぞ!」
 こぼれ球を拾ったのは、桃井さんだった。

「走れ、千葉。ボクが必ず、お前にボールを入れる!」
 桃井さんは、ボクと杜都さんのボランチが居る中央から、雪峰さんの居る左サイドへと流れる。

「オレが本職で無いセンターバックに入ったと知って、そこを突いて来たな!」
 雪峰さんが、警戒しならが桃井さんとの間合いを詰めた。

「だが通させるワケには、行かない!」
「フフ、元々そんなつもりは無いさ」
 桃井さんは、反転してボールを下げる。

「ウム、ナイス判断だ、桃井」
 そこに、リベロの斎藤 夜駆朗さんが、オーバーラップして走り込んでいた。

「し、しまった!?」
 自分が、釣り出されたコトに気付く雪峰さん。
斎藤さんは、右のセンターバックである雪峰さんの居たスペースに、ボールを入れる。

「ナイスパスだ、斎藤。後でジュースでも、おごるぜ」
 千葉委員長が、ボールをトラップした。

「気を付けろ、千葉。岡田先パイが、来てる!」
 桃井さんが、ナゼか味方であるハズの、岡田先パイを警戒する。

「ああ、わかってるさ……」
 岡田先パイの脚が、千葉委員長のボールをよこせとばかりに、刈り取ろうとする。

「だが、ゴールを決めるのはオレだ!」
 一瞬だけ早く、千葉委員長がシュートを放った。

「させるかァ!」
 海馬コーチが、重そうなお腹を揺らしながら、必死にセービングをする。
右の脇を締めて、自分の右側を抜かれまいとする防御態勢だ。

「あ~あ、逆取られたね」
「近い方(ニア)を狙ってくるのが普通ですが、あえて遠い方(ファー)を狙って来ましたね」
 シュートは、海馬コーチの左手側を悠々と抜け、ゴール左隅に決まっていた。

「岡田先パイ、これで並びましたよ」
 背中の男に言い放つ、千葉委員長。

「ケッ、ナマイキなガキだぜ。だが、並んだだけだ……覚えとけ」
 岡田先パイは、自陣に引き上げた行った。

「スマンな、オレが釣り出されたばかりに……」
「じ、自分も、ボランチとしての対処が甘かったであります」
 雪峰さんと杜都さんが謝ってるケド、本当に悪いのはボクなんだ。

「取られたモノは、悔やんでも仕方ありませんよ。気持ちを切り替えましょう」
「そ~そ、エセマジシャンの言う通りだ」
「誰がエセマジシャンですか……まったく」

 黒浪さんと、柴芭さんのやり取りに、少し空気が和む。

「またあのキーパーから、2点以上取らなきゃ行けなくなっちまったな」
「ええ、ですが相手の弱点は明白です。左サイドから、積極的に仕掛けましょう」
 柴芭さんも、曖経の弱点を把握しているみたいだった。

 試合再開のホイッスルが、鳴り響く。
今度は柴芭さんが、中央から仕掛けた。

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