ラノベブログDA王

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萌え茶道部の文貴くん。第六章・第三話

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醍醐寺夫妻

 そうこうしていると、橋元 蒔雄と醍醐寺 沙耶歌が体育館の壇上に上がった。

「レディース&ジェントルメンの皆さま、ようこそお越しくださいましたぁ! 本日は、わたくし生徒会長の橋元と……」「副会長の醍醐寺……」
 挨拶を始めた橋元が、隣の少女をチラ見すると、ある悪戯を思いついた。

「我が『フィアンセ』醍醐寺 沙耶歌が、司会進行を勤めさせていただきまぁ~す!」
「ちょ……ちょ~っと、何言ってんのよ、蒔雄!?」
 副会長は、顔を真っ赤に染めて必死に反論すると、会場に笑いの渦が巻き起こる。

「クックック……全くおかしな男だ」迎賓席の男は、橋元が嫌いでは無かった。
 自分に通じる部分が、橋元からは何となく垣間見えたからである。

「ヤツの父親は、真面目腐った仕事一筋の男だったが、会社の経営に失敗した挙げ句、我が醍醐寺に泣きつき、多額の借金までしている。ヤツの息子とは思えんな……」

「それでは、本日の会議……『極者部・大茶会』を始めたいと思います!!」
「……え? 大茶会だって!?」「学校の部活についての会議じゃなかったのかよ?」
 橋元の台詞を皮切りに、会場はざわめき始める。

「一体、どういうつもりだ!? ガキどもが……何を企んでいるというのだ!」
 壇上の席で、醍醐寺 草庵は急に苛立ち始めた。
「これはどう言うコトだ、沙耶歌? こんな茶番を、許可した覚えは無いのだがね?」

「許可はいただきました」男の娘は、毅然とした態度で父親に向き合う。
「学園長の許可をです。部外者である貴方の許可など、求める必要はございません」
「許可などと……アイツがする筈が……!?」

「……いいえ、わたしが正式に許可を与えました」
 男が声のする方を見ると、一人の女性が壇上へと登ってくるのが映った。
「五月……お前どうして!?」

「生徒の自主性を重んじるのは、教育者として当然のことだとは思われませんか?」
 『愛理大学付属名京高等学校』の、理事長兼・学園長でもある醍醐寺 五月だった。
「お母様……」生徒会副会長は、母の言葉に安堵し勇気を得る。

「おのれ……やはりお前には、理事長も学園長も任せてはおけんな」
 男は、苦虫を噛み潰した様な表情をした。

「醍醐寺社長の、経営コンサルティングをさせていただいております、千乃 玉忌と申します」
 男の後ろに控えていた女が壇上に登って、醍醐寺 五月に向けて一礼する。
「せん越ながら……」女の上目遣いの切れ長の目が、学園理事長を舐めるように睨んだ。

「この学園は、醍醐寺グループからの寄付によって成り立っているコトを、お忘れ無きよう……」
 今度は学園長が苦虫を噛み潰し、男は心の奥底で高笑う。

「なる程……ね」渡辺は舞台の袖で、この会話に聞き耳を立てていた。
「なる程ってお前、意味わかったのか? オレには何話してるのかさっぱりなんだが?」
 舞台袖にはけていた、橋元が尋ねる。

「あの二人の夫婦関係、グループ・トップ企業の社長と、学園理事長としての関係性。色々とな……」
 学園理事長が挨拶する間、橋元は尚も疑問を表情に浮かべていた。

「いいか、橋元。ウチの学校は私学……言い換えれば学校法人ってやつだ」
「ああ……それくらいなら知ってるが?」
「学校法人の運営資金は、企業からの寄付によって成り立っている。つまり……」

「え~っと? 醍醐寺グループからの寄付を資金源としている学園の理事長は、醍醐寺グループのトップ企業の社長である醍醐寺 草庵には、逆らえないってか。ナ・ル・ホ・ドね」
 橋元は、自分の台詞で納得した。