ラノベブログDA王

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ある意味勇者の魔王征伐~第3章・4話

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リーセシルとリーフレア

「す、凄い。一瞬にして三体もの巨人を、炎で焼き倒すとは……!?」
 別働隊の隊長は、赤毛の英雄の偉業に驚きを隠せなかった。

 すると巨人の別の固体が三匹、着地したクーレマンスと隊長の前に立ちはだかる。
「クッソ、避けきてねえ! オレさまだけなら何とかなるが……」

 ミノタウロスが戦斧を振り上げた瞬間、二人の少女がクーレマンスの前に現れた。
「プロテクション・バリア!!」二つの可愛らしい声が、完全に重なる。
彼女たちの展開する魔法結界が、巨人の一撃を跳ね返す。

「もう少し魔法を温存して置きたかったですケド、仕方ありませんね。姉さま」
「うん。それじゃあの魔法……行くよ、リーフレア!」
 双子の姉妹は互いの顔を見合わせ、呪文の詠唱に入った。

「暗がりより舞い降りし、異形の獅子よ。炎のたてがみを燃やし、我が周りを駆けよ!!」
 まず双子の姉が、炎の獅子を召喚する。

「あ、あの魔法は、灼熱の高位魔法『ゾラ・エゼディス』ではありませんか!?」
 リーセシルの詠唱を聞いた隊長が、クーレマンスに質問した。

「オッサン、魔法に詳しいのか?」「はい。わたしの妻は、王宮魔道師なのです」
「な……に?」
 巨漢の筋肉男は、別働隊の隊長が妻帯者である事に驚き、少し気分を慨す。

「妻の話では、ゾラ・エゼディスは強力な反面、三分を超える詠唱が必要と聞き及んでいます。それまで魔法結界が持ってくれるかどうか……」
「そいつぁ心配ねェぜ、隊長さんよ?」そこにいたのは、赤毛の英雄だった。

「それは、どうしてですか、シャロリューク殿?」 
「あの姉妹は、魔法を分解して詠唱してんだ」「は、はあ?」
 的を得ない英雄の説明に、意味を理解できな様子の隊長。

「あの二人はね。完全に役割を分割して、魔法を詠唱してるの。妹のリーフレアが魔法力場の構築を担当して、そこに姉のリーセシルが高位魔法を叩き込むのよ」
 シャロリュークの説明下手を、幼馴染みの少女が補完する。

「風の王、炎の王、我が力場にて渦を巻け。闇の王は、黒き地獄の炎を巻き上げよ!」
 リーフレアの詠唱によって、緻密な魔法力場が次々に構築され、姉の呼び出した炎の獅子はその中で、最大限の爆炎と化す。

「……力場構築は地味な詠唱の繰り返し。対して高位魔法を操るのは、天才的な魔法の才能がモノを言うと、妻から聞きました」
 隊長は、妻から得た知識を語った。

「そうね、姉のリーセシルは、普段はホワホワしてるケド、魔法の天才なの。妹のリーセシルは、姉程の際立った魔法の才能は無いものの、努力でそれを補っているのよ。いわば天才肌の姉と、秀才肌の妹のコンビネーション魔法ね」 

 その間にも説明通り、リーフレアによって展開された魔法力場が完成し、そこに、リーセシルの超・高位の灼熱魔法『ゾラ・エゼディア』が炸裂する。

「こ、こんなにも早く、超高位魔法が!」「あ、あり得ない!?」
 驚く兵士の間を高温の熱風が駆け抜け、闘技場の閉ざされた力場内に爆炎が広がる。

 中にいたミノタウロスをはじめとした、巨人の群れは完全に消滅した。

 

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