ラノベブログDA王

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ある意味勇者の魔王征伐~第13章・110話

少女たちの乱戦

 縮地の剣で間合いを飛ばした、ブリィ・ネの1撃が、ティンギスのヒーターシールドで防がれる。

「チッ、余計なマネしやがって!」
 モスグリーンのお下げに白い肌、バイオレットの瞳の少女は、後ろに跳んで間合いを取った。

「お前ら、大丈夫か?」
 背中に隠した、金色のお下げに白い肌、ライム色の瞳をした3人の少女に、問いかけるティンギス。

「助かったぞ、マスター」
「アイツの剣は、間合いをスッ飛ばすのだな」
「だが、間合いを開けたと言うコトは、前方に対してのみの効果と見た」

 ハト・ファル、ハト・フィル、ハト・フェルは、ティンギスの背後から飛び出すと、3手に別れて攻撃を仕掛けた。

「厄介だね。アタシの曲刀(メラ・ニア)の能力が、もう見破られたってのかい!?」
 再び足を踏み出し、ハト・ファルに対し間合いを飛ばすブリィ・ネ。

「コチラに来るのが、判っているなら……」
 自分が狙われた(ターゲティング)されたコトに気付いた少女は、2挺の斧で防御の構えを取った。

「そんなチンケな防御で、アタシのメラ・ニアは、防げないんだよ!」
 曲刀が、ハト・ファルの露出した右わき腹を斬り裂く。

「あ、浅いだって!?」
「クッ……お前の剣は、縮地の能力がある代わりに、切れ味は落ちるようだな」

 わき腹から流れる血も顧(かえり)みず、耐えるハト・ファル。
その左右から、ハト・フィルとハト・フェルが、白いマントと白いミニスカートに風をはらませ、宙に跳んでいた。

「……チ、チキショウ!」
 ラウンドシールドで、2人の斧を受け止めようとする、ブリィ・ネ。
けれども小さな盾は粉砕され、左腕に大きなケガを負って吹き飛ばされた。

「ブリィ・ネが、やられちまった!?」
「クソ、今度はアタイらが相手だよ!」
 グリィ・ネとズリィ・ネが、ハト・フィルとハト・フェルの着地を狙って1歩を踏み出す。

「お前たちの、好きにはさせない」
「わたし達が、相手だ!」
「我らが斧を、喰らうがイイ!」

 イオ・シル、イオ・セル、イオ・ソルの3人が、縮地の体勢を取っていた2人に襲いかかった。

「なんだって!?」
「アンタたちは、ブリィ・ネに背中から斬られたハズじゃ……!」
 グリィ・ネとズリィ・ネは、不完全ながらも縮地で間合いを開け、攻撃を回避する。

「残念だったな。我らは、回復魔法が使えるのだ」
「それにどうやら、防護の魔法もな」
「だから傷も、浅くて済んだのだろう」

 3人の水色の瞳は、船長たちの背後に居るウティカとルスピナに向けられていた。
3人の負った傷も、白いミルクの魔法で、元の白いキレイな肌へと戻りつつある。

「あのコたち、もう防護の魔法まで使えるようになったのね」
 愛弟子の才能に、感心するウティカ。

「元々、防護魔法の才能があったのかな。みんな、大地と月の属性を持ってるし」
 ルスピナは、それを考察した。

「お前たちの縮地は、予備動作が必要だ」
「その時間さえ与えなければ、どうと言うコトは無い」
「覚悟しろ!」

 ピンク色のポニーテールの少女たちは、両刃の斧(ダブルアックス)で次々に攻撃を繰り出し、2人に縮地の隙を与えない。

「ズリィ・ネ、悪いが攻撃を受けてくれ。アタシが、隙を作るよ」
 黒い長髪に蒼い瞳をした長身の少女が、後ろへと下がった。

「りょ、了解だよ、グリィ・ネ。だけど、長くは持たないからね」
 オレンジ色の短髪に、小麦色の肌をした少女は、イオ・シルたちの攻撃を必死にいなす。

「なにを、する気だ?」
「判らないが、今は1対3だ」
「このまま押し切る!」

 攻撃の手を強める、3人の少女たち。
赤いマントと赤いミニスカートが、激しく揺れた。

「グリィ・ネ。もう、限界だよ!」
「待たせたね、ズリィ・ネ。今だッ、右に避けな!」
 黒髪の少女は、ラウンドシールドの内に隠していた飛刀を投げる。

「グハッ!?」「キャア!」「イヤア!」

 たくさんの飛刀が、3人の少女たちの肢体に突き刺さった。

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