ラノベブログDA王

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ある意味勇者の魔王征伐~第13章・83話

3体の魔王との決着

「ウオオオォォーーーッ! こ、この国は、どれだけ地震が頻発すんだよォ!?」
 激しく揺れる闘技場の観覧席で、突っ伏したティンギスが叫ぶ。

「み、見ろよ、3匹の魔王ども!」
「か、身体が、再生していやがる」
 レプティスとタプソスが、傷を負った魔王たちの状況を示した。

「船長さんたちは、よろいや盾が重たいからダメかもだケド、イオ・シルたちに飛翔(レビテーション)の魔法をかけたわ。アイツらが再生する前に、交互に攻撃よ」
 ウティカが、黄金の胸当てを装備した、12人の少女たちに命令する。

「ホントだ、背中に小さな羽根が生えてる!」
「了解した、ウティカ姉さま」
「また、1撃離脱戦法で行く!」

 イオ・シル、イオ・セル、イオ・ソルの3人の少女が、背中の羽根で飛翔しながら、両腕の戦斧で3体の魔王を攻撃する。
赤いマントとミニスカートを靡(なび)かせ接近し、攻撃をヒットさせた後は直ぐに離脱した。

「クッソ、コイツら……」
「再生してんのに、ジャマしないでっしょ!」
「ま、待ってくれだな」

 地震の中での追撃を、予期出来ずに慌てる、メディチ・ラーネウス、ペル・シア、ソーマ・リオ。

「待てと言われて、待つハズが無かろう」
「お前たちに、再生させる隙は与えない」
「今度は、我らの攻撃を喰らうがイイ!」

 イオ・シルたちが、船長達の盾の裏に隠れると、今度はハト・ファル、ハト・フィル、ハト・フェルが飛び出す。
白いマントとミニスカートを靡かせ、両刃の斧で追撃した。

「グアアァァ、チ、チキショウ……このオレさまが、こんな雑魚に!?」
「ア、アタシの美貌が、台無しっしょ!」
「グヌヌゥ!」

「次は、わたし達の番だ」
「このまま、押し切る!」
「再生するより早いスピードで、攻撃だ!」

 スラ・ビシャ、スラ・ビチャ、スラ・ビニャの3人が、水色の羽衣に水色のミニスカートをはためかせ、タバールで攻撃する。
月形の斧の攻撃は、3体の魔王たちにまた違った傷口を作った。

「エエィ、小娘どもが!」
「こうなったら、形(なり)振り構ってられないっしょ!」
「い、行くべ」

 蒼玉の魔王メディチ・ラーネウスは、口から毒液を吐き出す。
黄玉の魔王ペル・シアは、針のように鋭利な黄色い頭髪を飛ばし、橙玉の魔王ソーマ・リオは、大きく息を吸い込んで、1気に吐き出した。

「うわ、マズい!」
「まだ戻れて、無いのに」
「ぼ、防御が、間に合わない!」

 退却の瞬間を狙われ、慌てるスラ・ビシャたち。

「さ。させないんだから!」
 ルスピナが、水の精霊メガラ・スキュレーを使って、水の波を生み出す。
魔王たちの放った攻撃は、全て波によって吸収された。

「ロウ・ミシャ、ロウ・ミチャ、ロウ・ミニャ。このまま、波に乗って攻撃して!」

「了解だ、ルスピナ姉さま!」
「最後に、その首刎ねてくれる」
「行くぞ、みんな!」

 ルスピナの指令を受けた3人は、黒い羽衣に黒いミニスカートに風をはらませ、波に乗る。
波は3体の魔王まで少女たちを導き、少女たちは言葉通りその首を刎ね飛ばした。

「ガハァッ、オ、オレさまが……!?」
「イヤァ、死にたくないィッしょ!」
「オデ、死ぬのか……」

 胴体から離れた魔王の首は宙に飛び、胴体からは真っ青な血が噴き出す。
青い血は、メガラ・スキュレーが生み出した波によって、洗い流らせた。

「グッ……ウウ!」
 ソーマ・リオの槍・カニヤクマリによって吸い込まれていた、ミノ・テロぺ将軍が、現世に吐き出されて水面(みなも)に落ちる。

「テロぺ将軍、トドメじゃ!」
 大魔王ダグ・ア・ウォンとの戦いの真最中だった、ルーシェリアが叫んだ。

「何がなんだか判らぬが、やるコトは解っている!」
 ミノ・テロぺ将軍の元へと、落ちて来る3つの首。
将軍はアーク・トゥルスで、首をギザギザに斬り刻んだ。

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