ラノベブログDA王

ブログでラノベを連載するよ。

王道ファンタジーに学園モノ、近未来モノまで、ライトノベルの色んなジャンルを、幅広く連載する予定です

この世界から先生は要らなくなりました。   第10章・第47話

切断王女(ギロチン・プリンセス)

 ステージには既に、ミニスターⅣ(フォース)コアの4人の少女が立っている。

「オイオイ、今度はアニソンかよ」
「あのコたち、女の子向けヒロインアニメで、声優やってる人じゃない?」
「ああ、聞いたことあるぞ。夏に始まった、ユークリッド・アニメチャンネルで人気のヤツだろ」

 コミカルでポップな勢いのある曲を、カッコいいとカワイイが合わさったポーズを決めながら歌う、4人の少女たち。

「わたしは、クリッター・ピンク。サルガタナスを司る、相良 龍美奈(さがら ルミナ)だよ!」
 曲が終わると、4人の真ん中に立っていた少女が、会場に向かって名乗りを上げる。

 冥府のアイドル(ベルセ・ポリナー)だけあって基本色は黒いものの、低年齢層の女の子向けアニメのヒロインみたいに、ピンク色のフリルが付いた可愛らしい衣装を着た、ルミナ。

「我ら、『クリティカル・テック・ストライカー』ことクリッターは、世界の正義を守るために、今日も悪と戦う!」

 金髪の長髪からピンク色のツインテールが長く伸び、背中からは黒の骨格にピンク色の被膜(ひまく)の、龍の翼が生えていた。

「アレ。チーム名は、全然可愛くないですね?」
「まあ……ね」
 ボクの質問に、歯切れが悪そうに答える久慈樹社長。

 すると舞台に、全身が黒いタイツの戦闘員たちが、ワラワラと登場する。

「出たわね、ダーク・フォレスター。アナタたちの悪事は、レラジエを司るクリッター・グリーンこと、大鳳 蒔世琉(おおとり ジゼル)が許さない!」

 黒髪のポニーテールを長く垂らした少女が、長い名乗りを上げた。
ジゼルは、黒に深緑色のフリルの衣装を着ていて、背中には黒い鳥の翼を生やしている。
フリルスカートの後ろからは、深緑色のクジャクの羽が垂れていた。

「みんな、安心して。アイツらはヴァレフールを司るボク、クリッターイエローこと、麟堂 駆路琉(りんどう クロル)が、やっつけちゃうんだからね」

 栗色のショートヘアから、鹿のような角を生やした、ボクっ子のクロル。
黄色のフリルが何重にも重なった黒いスカートを穿(は)き、大きなフサフサの金色の毛が肘(ひじ)や膝(ひざ)に生えていた。

「フォラスを司る、玄岩 穂田琉(くろいわ ホタル)こと、クリッター・ブルーです。が、頑張ります」

 黒に青色のフリルが折り重なったスカートの、ホタル。
黒い甲羅を背中に装備し、全体的に重武装な衣装だった。

『ギェ、ギェ、ギェ、ギェ。出たな、クリッターどもめ』
『今日こそ、お前たちを亡きモノとしてくれる!』
 遊園地などで催される、ヒロインショーのようなステージが、繰り広げられる。

「行くよ、ジゼル、クロル、ホタル。ダーク・フォレスターの好きには、させないんだから!」
 クリッター・ピンクのルミナが、両方の腰に下げた刀を抜いた。

『ギャギャァアァーーーーッ!?』
 真っ二つに両断され、左右に別れて崩れ落ちる、ダーク・フォレスター戦闘員。

「ゲゲ、真っ二つになって死んだぞ!?」
「あの戦闘員、中に人は入ってないのか」
「そんなコトより、演出グロくない?」

 その後も臆するコト無く、敵を斬り捨てて行くルミナ。

「お前、知らないのかよ」
「クリティカル・テック・ストライカーは、見た目に反してやるコトえげつないからな」
「クリッター・ピンクは、切断王女(ギロチン・プリンセス)なんて呼ばれてるし」

「わたしも、容赦はしないわ!」
 クリッター・グリーンのジゼルが、背中に背負っていた弓を取り出して、戦闘員に目掛けて放つ。

『ボギャッ!!』
 複数の矢が戦闘員の頭部に命中し、胴体からもげてステージの床に転がった。

「ボクも、行ッくよォ!」
 クリッター・イエローのクロルが、口から火炎弾を放つ。
焼け焦げ、燃え落ちる戦闘員たち。

「わ、わたしも、混ぜてください」
 クリッター・ブルーのホタルが背負った甲羅の下部から、巨大なヘビが現れ戦闘員を締め上げる。
バラバラにされ、床にまき散らされる戦闘員だったモノ。

 ヒロインのショーに思われたステージは、地獄絵図と化していた。

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