ラノベブログDA王

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キング・オブ・サッカー・第7章・EP030

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ロムとヒルデ

 いきなり現れて、いきなりケンカを始めてしまう2人のフォワード。
背番号を見るにエースナンバーだし、ロランは2人を使いこなさなきゃならないらしい。

「偉そうに、高説を垂れやがって。お前など先シーズンは、殆んど出場してなかっただろうが!」
 野性的な体躯の、イヴァンさんが声を荒げる。

「ケガをしていたからな。無謀な相手の、反則まがいのラフプレーが原因だ!」
 理論派の、ランスさんも食い下がった。

「つまり、反則にはならなかったんだな?」
「明らかに、審判が見落としていた」
「そりゃ単に、お前が当たりに弱いだけだろう」

「なんだと?」
「お前を吹き飛ばすのは、簡単そうだぜ」
 互いの問題点を指摘し合ったあと、2人は左右に分かれて自分のポジションに付いた。

 相手コートには、赤と黒のユニホーム姿の選手が並び始める。
すると、整備された近代的なベンチから、長身の男性が歩いて来た。

 あ、この人、記者会見で喋ってた人だ。
確か名前は、ロムさんだっけ?

「フルミネスパーダMIEの代表、有葉 路夢(あるば ロム)だ」
 気さくな笑顔を浮かべた、ロムさん。

 彼の背後に居る赤と黒のユニホームは、フルミネスパーダMIEの選手たちだった。
そう言えば、ボクの乗ったエトワールアンフィニーSHIZUOKAのバスに、違う色の2台のバスが付いて来ていたケド、練習試合の対戦相手だったのか。

「一応、名刺を渡しておくわ。大量に、作っちまったんでね」
 恐らくボクを、ロランだと思ってるんだろうと想いつつ、名刺を受け取る。

「それじゃあわたしも、名刺をわたしておこうかしら」
 ロムさんの傍らに、白にピンクのラインが入ったジャージ姿の女性が立っていた。

「あ、わたしは、1FC(エルストエフツェー)ウィッセンシャフトGIFUのオーナー、武柳 ヒルデ(ぶりゅう ヒルデ)よ。宜しくね、ロランくん」
 記者会見の時とは打って変わって、快活なファッションのヒルデさん。

 観客席を見ると、緑のジャージを着た一団がこちらを見降ろしている。
1FCウィッセンシャフトGIFUの、選手たちだろう。

「キミたちのオーナーであるシャル氏は、所要て遅れるそうだ。練習試合は、オレとヒルデで取り仕切るからそのつもりでな」
 元レーサーだけあって、身体も引き締まってるな……と思いながら、ボクはコクリと頷く。

「今回の練習試合は、ウチ(フルミネスパーダMIE)と、エトワールアンフィニーSHIZUOKA、1FCウィッセンシャフトGIFUの3チームによる、30分3本の総当たり戦だ」

「それじゃ、主審はわたしが務めるわね」
「ハア、なんでそうなるんだ!?」
 ヒルデさんの申し出に、驚くロムさん。

「なによ。これでも、ちゃんと審判のライセンスは、取ってます」
「イヤ、そう言うワケじゃなくてだな」

 ヒルデさんは意に介さず、ストレッチを始めた。
ピチッとフィットした白いジャージに、女性らしい身体のラインが浮かぶ。

「ま、まあいいか。線審は……」
 ロムさんは、ヒルデさんの方から目を逸らしながら言った。

「線審は、ウチから出しましょう。ココは、ウチのホームグランドですからね。な、ロラン」
 オリビが、ボクに同意を求めた。
とりあえず、頷く。

「ンじゃ、試合開始は10分後だ。それまでに、準備を整えてくれ」
 ロムオーナーの提案で、軽いストレッチとボール回しが始まった。

 その間にボクは、貰った2枚の名刺を脱いだズボンの中にあった財布に仕舞う。
オリビさんは線審の手配しに、事務所へと入って行った。

「ヤレヤレ、まさか試合までするハメになるなんて……ま、試合をやるのは悪くないケド」
 名古屋から、横に長い静岡の端までバスで揺られ、座席に拘束され続けた身体は、サッカーをやりたがっていた。

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