ラノベブログDA王

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キング・オブ・サッカー・第ニ章・EP011

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ユニホームと背番号

「や、やはり自分など、このチームに相応しくないであります……」

 杜都さん、また弱気モードになっちゃってる。

「まあそう落ち込むな。ウィークポイントだけ挙げたが、お前には武器となる才能がある」
「ほ、本当でありますか、司令官殿?」

「まずはロングシュート。コースさえ空けば、相手にとってはかなり脅威になる」
「自分は、キック力には自信があります」

「それに対人戦の強さ。高い位置でボールを奪えるのは理想だ」
「た、確かにそうでありますが、パスカットなどは苦手で……」
「その辺は、オレがカバーしよう」

「すまない。迷惑をかけるな、雪峰士官」
「いや、オレは対人戦などコンタクトプレイには、まだまだ弱い部分がある。お互いボランチとして、補い合っていけばいいさ」

「ヨロシク頼む」
「ああ。こちらこそな」
 デッドエンド・ボーイズの二人のボランチは、ガッチリと握手をした。

「お前らが組んで、ボールを刈り取ってくれんなら、こっちは余裕でドリブルできるぜ」
「紅華、お前にもパスコースを限定する守備くらいは、してもらうぞ」
「マ、マジかよ、倉崎さん!?」

「それにこのチームのドリブラーは、お前だけじゃない」
「ああ、一馬のコトっすか?」
 あ、やっとボクの話題だ。

「いや、杜都の話だ」
 グハアッ。
倉崎さん、ボクなんて眼中にないッ!?

「自分でありますか。自分はドリブルなどはあまり……」
「そうでもないさ。オレと紅華の二人がかりでも、止められなかったんだ」
「オレとは全然タイプの異なる、力任せに一直線に突き進むドリブルだケドな」

「お前のドリブルは、深い位置からボールを前線へと運べるドリブルだ」
「そ、そう言われると、重要な気がして来るであります」

「もちろん重要だ。チームが劣勢で押し込まれている場面でも、お前がドリブルで前線にボールを運んでくれれば、チームメイトの守備の負担も軽減され、場合によっては得点のチャンスとなる」

「み、味方を救う……前線に向かうドリブルでありますか!」
「つっても、油断してボールを取られりゃ、一転ピンチになっちまうケドな」

「それは紅華、お前も同じだ。気を付けろ」
「わ、わ~ってますって、倉崎さん」

「まあ説教は程々にしておいて、実は今日はユニホームを持って来てみた」
 そう言うと倉崎さんは、巨大なリュックサックから蒼い色のユニホームを取り出した。

「ス、スゲエ、蒼いユニホームだぜ」
「この濃い青色は……日本代表を彷彿とさせるな」
「自分のはまだ無いだろうが、身が引き締まる想いだ」

「いや、あるぞ杜都。お前は背番号5番だ」
「ほ、本当でありますか、うれしいであります!」
 杜都さん、ユニホームを貰ってメチャクチャ喜んでる。

「紅華は7番、雪峰は6番だ」
「さっすが倉崎さん、わかってるぜ。ドリブラーと言えば、7番だからな」
「伝説のドリブラー、ジョージ・ベストやガリンシャも付けていた番号だ」

「オレは6番か。マティアス・ザマーや、フランコ・バレージの背番号ですね」
「二人ともディフェンダーではあるがリベロとして攻撃参加もする、お前と同じ頭脳でプレーするタイプの優秀な選手だったからな」

 みんないいなあ。
今日、連れて来たばかりの杜都さんのユニホームまであるし、ひょっとしてボクのもあるんじゃ?

「一馬、ユニホームだ」
 ホラやっぱり、やったあ……って、アレ?
ボクの上に振って来たユニホームは、三枚あった。

 11番、8番、12番……どれも、ボクの名前じゃないローマ字が書いてある。

「悪いんだが一馬。早急に、そいつらをスカウトして来てくれ」
 そ、そんなァ~!?

 喜んでユニホームに着替える三人の隣で、ボクは地面にヒザを付き頭を抱えて落ち込んでいた。

 

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