ラノベブログDA王

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萌え茶道部の文貴くん。第六章・第十話

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連携と信頼

 千乃 玉忌は、体育館に戻っていた。

「まったく……どこへ行っていたのだ? 会議は著しく劣勢だぞ! 今のままでは、来客の大半が部の存続を認めてしまうでは無いか!」
 醍醐寺 草庵は、突然後ろに現れた女に苛立ちをぶつける。

「別に……認めてしまって良いのではありませんか?」
 千乃 玉忌は、平然と言い放った。

「なにィッ!?」
 男は女の言葉に耳を疑い、振り返ったが、直ぐに次の舞台が始まってしまう。

「さあ、次は『チャイナ服少女・復権友の会』だあ!!」
「本日のお茶請けのお饅頭も、メインで作ってくれたのは、メイド流剣道部と彼女たちなんです!」
 橋元 蒔雄と、醍醐寺 沙耶歌の広げた手の先に、チャイナ服姿の五人の少女が現れる。

「ニイ・ハオ♪ 今日は、チャイナ服の魅力を伝えるために、とびっきりの料理を用意したアルよ! 中華料理は衣食同源、食べればお腹も満腹、お肌もすっべすべアル~♪」
 一条 明美は仲間の四人の少女と共に、功夫のポーズを交えながら料理を始めた。

「フォァチャ~~♪ 残念ながら、火力の高い業務用コンロの使用許可は降りなかったので、蒸し料理で行くアル!」
 積まれた蒸篭から中華まんを取り出し、会場に配るチャイナ服の少女たち。 

 けれども滞りなく進行する舞台を、不安そうに見つめる者達がいた。
「まったく、絹絵も渡辺先パイも、どこ行っちゃったの?」
「いくら順番が最後って言っても、もうすぐ出番なのに!!」

 浅間 楓卯歌と、浅間 穂埜歌の双子姉妹だ。
「早く二人得を、呼び戻さないと……」
「でも、茶道部は今、新人のわたし達二人の他には誰もいない……ん?」

 何かに気付き、顔を見合わせる双子姉妹。
「アーーーーーーーーッ!!」
「もう一人、ダメなのが居たーーーーッ!?」

 二人の少女は、茶道部にはもう一人、橋元生徒会長が所属していることを思い出す。
舞台袖から橋元を呼び出す、楓卯歌と穂埜歌。

「……なにィ!? シルキーが居なくなって、それを探しに出た渡辺まで戻って来て無いって?」
「そうなの橋元!」「どうしよう、橋元!」
「……つか、なんで渡辺は『渡辺先パイ』で、生徒会長のオレは呼び捨てなんだ?」

「今はそれどころじゃ無い!!」「どうすればいい!?」
「あ……ああ、とりあえず時間を引き伸ばすから、お前らはその辺を探して来てくれ!」
「もしかしたら、学校の外に出てるかも知れないわ。外に出るなら、車には気を付けてね」

 醍醐寺 沙耶歌も悪い予感でもしたのか、心配そうな表情を浮かべる。
「わ、わかった、姉さま! 行こ、ホノ!」「うん、フウ!」
浅間 楓卯歌と穂埜歌の二人は、体育館の外へと駆け出して行った。

「何やら、問題が発生したのではありませんか?」
 それを見たメイド服姿の少女が、生徒会の会長と副会長に問いかける。

「涼香さん、実は絹絵ちゃんと渡辺くんが、居なくなって……」
「それで今、生意気な双子に探しに出てもらったんだ」
「そ、そうでしたか」表情を曇らせる、御子神 涼香。

「渡辺様は、今回の大茶会の主役と言っていいお方です。茶道部のバックアップは、わたくし達、『メイド流剣道部』にお任せください」
「助かるぜ。それじゃ舞台のアイツらにも、引き延ばせって伝えないとな」

 橋元は、料理アシスタントを装って、一条 明美のうしろに回り、耳打ちする。
「時間の引き延ばし、引き受けたアル♪ 今回のとっておきだったけど未完成で断念した、フカヒレ風お好み焼き……行くアルよ。フォアタァ~ッ!!」

 オワコン棟の、極者部のメンバーは、互いに連携して弱点を補い合うまでになっていた。