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ある意味勇者の魔王征伐~第3章・7話

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腑に落ちぬ幕引き

「アレが本当に、『ルーシェリア・アルバ・サタナーティア』……なのか?」

 霧の向こうの少年らしき影に、疑問をていする赤毛の英雄。
魔王の名前や異名については、魔物たちの間に知れ渡っていが、その容姿については結局のところ、対峙してみないコトには解らない場合が多かった。

「ねえシャロ? 本当にあの少年がこの城の主……なのかしら?」
 後から追ってきたカーデリアたち他のメンバーも、同様の意見だった。

「確かにわたし達は、魔王について名前と二つ名以外は、正確な姿も知らないですが……」
「でもさ、リーフレア。あのコの背負っている『あの剣』……」
 リーセシルだけは、少年ではなく剣の方が気になっていた。

「うわ、なんだ……! 目くらましか?」
 クーレマンスの叫びが、リーセシルの言葉の続きに覆い被さる。
実際には、『異様なまでに深い霧』自体が光を発し、一行は完全に視界を奪われた。

「マズイぜ、罠か……!?」「みんな固まって……お互いの位置くらい解かるでしょ!?」
「了解です、カーデリアさん。姉さま、背中を合わせ防御陣形ですよ!」「う、うん……」
 リーセシルも、少年の持つ剣を気にはなったが、妹の指示に従った。

「ムッ。アレは……少女……?」
 一瞬、シャロリューク・シュタインベルグだけが、おかしな剣を背負った少年の傍らに、『黒髪の紅い目をした少女』がいるのに気付いた。

 けれども、それは直ぐに霧が放つ光に飲み込まれる。
覇王パーティーが互いに背中を合わせたまま、1分ほどが経過する。
霧が晴れる頃には二人の姿は、何処かへと消えていた。

「まったく、訳わかんねえぜ! ……あの少年と少女は、一体なんなんだ?」
 赤毛の少年が自問の答えを出す前に、主を失った城は激しい揺れに襲われる。

「ちょ、ちょっと、何よこの揺れ!?」
「いつものヤツでしょ。魔王の魔力が無くなった途端、城が崩れるヤツ?」
「悠長に解説してる場合じゃないです、姉さま!!」

「やっべ、考えるのは後だ! 城が崩壊する前に脱出しね~と、みんなペシャンコだぞ!?」
 覇王パーティーは扉を出ると別動隊と合流し、来た道筋を全速力で逆に辿った。

「どけどけ、どきやがれ~~!!」
 クーレマンスは、自慢の怪力と『ヴォルガ・ネルガ』を使って、一行の頭上に降り注ぐ、かつては壁やら天井だった残骸を払いのける。

 最後の一人が城門を出た瞬間、魔王の城は爆音と共に跡形も無く崩れ去った。

 

次回・グラーク司令官とプリムナーラ将軍

ある意味勇者の魔王征伐~第3章・8話 - ラノベブログDA王