ラノベブログDA王

ブログでラノベを連載するよ。

王道ファンタジーに学園モノ、近未来モノまで、ライトノベルの色んなジャンルを、幅広く連載する予定です

萌え茶道部の文貴くん。

萌え茶道部の文貴くん。第四章・第三話

生徒会の双子姉妹 茶番だった会議は、結論を得ずに幕を閉じ、皆も副会長に続き生徒会室を出て行った。 ただ一人、生徒会長を残して。 「……なんだよ? やけにあっさり認めやがんな~、沙耶歌のヤツ……」 橋元は、副会長の態度が妙に気になった。 冷静で可愛げ…

萌え茶道部の文貴くん。第四章・第ニ話

結論有りきの会議 渡辺の問いかけに、愛澤 柚葉の口から堰を切ったように言葉が溢れ出す。 「終らせたくない! ホントはずっと、あの子たちと部活を続けたい! でも、あたしといると、あの子たちまで周りから変な目で……見られちゃう!!!」 彼女の言葉から…

萌え茶道部の文貴くん。第四章・第一話

未知との遭遇部 茶道部は最近、オワコン棟住人の『お悩み相談室』にもなっていた。 最初の会議以降、渡辺の物事を理解し解決する能力と、『抹茶の味』が評判となり、橋元の居ない時期を見計らっては、(抹茶を飲む目的も兼ねて)悩み事相談をしにやって来て…

萌え茶道部の文貴くん。第三章・第八話

生徒会副会長 生徒会室まで向う途中の廊下を、橋元はため息混じりに歩いていた。 「しっかし茶道部も、ゆったりとくつろげる場所じゃ無くなったよな~。礼於奈たちの前は、迷彩水着を着た女コマンドーたちが雁首並べてたし、その前は恐竜の帽子を被った幼女…

萌え茶道部の文貴くん。第三章・第七話

対案 オワコン棟の部活を存続させる計画は、始動した。 学校や生徒会に突きつけるための、『対案』の作成に入る。お陰で、以前なら橋元と渡辺がいるだけの茶道部の部室が、活況をていしていた。 キワモノ部の部長たちは、自分たちの部活に戻って意見を取りま…

萌え茶道部の文貴くん。第三章・第六話

天の川 『オワコン棟のキワモノ部・部長たちによる会議』が終って、学校は静まり返る。 散々悪口を言われた橋元は、下駄箱の前で一人ため息をついた。「まったく、生徒会長ってのも大変だぜ。厄介ごとは一手に押し付けられるは、何かあったら悪役にさせられ…

萌え茶道部の文貴くん。第三章・第五話

三献の茶 渡辺は右手の中指で、メガネの中央部をクイっと上げると、みんなに語りかけた。 「『耐震補強もままならない、老朽化した部室棟を解体する』……。ここまでは、生徒の安全を考慮しなきゃならない立場の学校側にも、正当性がある」茶道部に集った各部…

萌え茶道部の文貴くん。第三章・第四話

曜変天目 「それにしても、随分と個性豊かなお茶碗ですわねえ? わたしのなんて黒光りしてて、変ったマダラ模様になってるわ?」 ナース服に残念な体を包んだ香住 癒音が、飲み終えた抹茶茶碗を不思議そうに眺めている。 「それは『曜変天目』に近い模様の茶…

萌え茶道部の文貴くん。第三章・第三話

抹茶の温度 「ふぅ~ん? 橋元ちゃん、理事長の娘と許嫁なんだぁ~?」 ナース服姿の香住 癒音も、スレンダーな体を頑張ってくねらせて橋元に迫る。 「理事長の娘である副会長に頭が上がらないから、今回の件に文句の一つも言えない……ってコト?」 未知との…

萌え茶道部の文貴くん。第三章・第ニ話

茶会型部活会議 会議は、きっかり一時間後に開かれた。 各部活の内部で意見がまとまらず、会議もお流れになれば……という橋元の目論見は見事に崩れ去る。元々部員たちに『意見の相違』など無かったからである。 オワコン棟に拠点を置く、十の部活の九人の部長…

萌え茶道部の文貴くん。第三章・第一話

廃部勧告 それは、当然の結果として、起こるべくして起こった。 『部室棟の解体通告』及び、『所属クラブの廃部通知』が突然、オワコン棟の各部活に突きつけられたのだ。それに納得の行かない住人たちが、大挙して茶道部の部室入り口に押し寄せたのである。 …

萌え茶道部の文貴くん。第二章・第六話

三本の神木 その場所は、ちいさな公園のようになっていて、土がこんもりと盛り上がり、三本の木が雄大に伸びていた。 「何でもココ、古い時代には古墳だったらしいよ。ホラ、そこの立て札に書いてあるだろ?」「え~っと、なになにッス? 昔、古墳だったとこ…

萌え茶道部の文貴くん。第二章・第五話

翡翠色の信楽焼き 「滝川一益って武将なんて、戦の褒美に上野(こうずけ)一国と信濃の一部を与えられたんだけど、名物の茶器(珠光小茄子)の方が欲しかった……って嘆いたくらいなんだ」「す、凄いッスね、茶道具って……ハッ! これから買いに行くのも抹茶茶…

萌え茶道部の文貴くん。第二章・第四話

大須商店街 次の日は日曜だった。 渡辺は、茶道部に入部はしたものの、あまり茶道に詳しそうではない絹絵に声をかけていた。名古屋のアキバと言われる『大須商店街』に出かけ、抹茶茶碗の一つでも見繕ってやろうと思ったのだ。 「あ、ご主人サマ!」 絹絵は…

萌え茶道部の文貴くん。第二章・第三話

新入部員 部室入ると、なにがあったか興味深々といった表情の橋元が、待ち構えていた。 「あっ、橋元先パイ、これからお世話になるッス! 自分は下っ端なので、何なりとお申し付けくださいっす!」田城 絹絵は、ペコリとお辞儀をする。 橋元は返事もせず、渡…

萌え茶道部の文貴くん。第二章・第ニ話

茶道部の新入部員 渡辺は、抹茶茶碗を洗ってスチール棚に戻すと、美少女フィギュアを中に入れ飾る。 「喜べ、渡辺!」更にしばらくすると、橋元が何時ものように慌しく入って来た。 渡辺は既に気を取り直し、心の襟を正しており、橋元の分の抹茶を用意してや…

萌え茶道部の文貴くん。第二章・第一話

雨の日の部室 次の日は、雨だった。梅雨入り間近というコトもあり、ジトジトと長く降り続きそうな予感がした。 午前中の授業を終え、午後の睡魔を何とかやり過ごした渡辺は、旧部室棟に向う。「イヤな雨だな。ただでさえ憂鬱なのに、こんな日は……」命運が尽…

萌え茶道部の文貴くん。第一章・第三話

オワコン棟のキワモノ部 茶道部・審判の日は、突然に訪れる。 状況が一変したのは、タヌキを助けた次の日の昼だった 「おいおい、マジーぞ、渡辺! 旧部室棟が、取り壊される事が決まっちまった! 入ってる部活はあまり活動実績もね~部活ばかりだから、全部…

萌え茶道部の文貴くん。第一章・第二話

文貴と狸 その日の帰り道、渡辺 文貴は駅までの通学路を自転車で降っていた。 『愛理大学付属名京高等学校』は、小高い丘の上と下の二箇所に校舎が建っている。 渡辺の通う校舎は丘の上にあり、下校時間には夕焼けで紅く染まる名古屋の街が一望できた。 「こ…

萌え茶道部の文貴くん。第一章・第一話

萌え茶道の極意 茶道とは~『侘び・寂び・萌え』の三つの要素を、取り入れなければならない。 「これは、我が『愛理大学付属名京高等学校・茶道部』の究極の教えなのだッ!」 愛知県のそこそこのレベルの大学に付属した、今どき珍しいマンモス高校。 「……い…